大腸カメラでポリープ切除はその場でできる?切除方法と日帰り・入院の目安、リスクを解説

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大腸カメラのモニターに映るポリープを指さして説明する医師のイラスト
目次

大腸カメラでポリープが見つかった場合、大きさや形、位置などの条件がそろえば、検査と同じ日にその場で切除できることがあります。大きな病変や専門的な治療が必要な病変では、別の日に治療を計画したり、入院して治療したりします。

その場で切除するかどうかは、ポリープの種類や大きさ、服用中の薬、全身の状態を踏まえて医師が判断します。検査前に医療機関の方針を確認しておくと、当日の予定を立てやすくなります。

この記事では、その場で切除できる条件、主な切除方法、同じ日に切除する場合の流れ、偶発症のリスク、費用と病理検査について解説します。

この記事でわかること
  • 大腸カメラ中にポリープをその場で切除できる条件
  • ポリペクトミー、コールドポリペクトミー、EMR、ESDなど切除方法の違い
  • 同じ日に切除する場合の流れと、日帰りか入院かの考え方
  • 出血・穿孔などのリスクと、費用・病理検査の確認点

大腸カメラでポリープはその場で切除できる?

条件によっては、検査中に見つかったポリープをそのまま切除できます。内視鏡には処置具を通す通路があり、観察しながら輪の形をした器具(スネア)などで病変を切り取ります。

ただし、見つかったポリープをすべて切除するわけではありません。大腸ポリープには、腺腫やSSL(sessile serrated lesion)、過形成性ポリープなど、さまざまな種類があり、将来がんになる可能性があるとされるのは腺腫やSSLです。日本消化器内視鏡学会は、小さな腺腫やSSLを切除するかどうかについて、患者さんの背景やポリープの大きさ・個数などを踏まえた総合的な判断が必要としています。

その場で切除するかを判断する主なポイント

  • ポリープの種類、大きさ、形、位置、数
  • 出血や穿孔などのリスク
  • 抗血栓薬など服用中の薬
  • 持病や全身の状態
  • その医療機関で対応できる治療方法

抗血栓薬(血液を固まりにくくする薬)を服用している場合は、検査の予約時に伝えてください。自己判断で中止せず、休薬が必要かどうかは処方医と内視鏡を担当する医師の指示に従います。

参考:日本消化器内視鏡学会「大腸にポリープがあると言われました。取らなくてもいいのでしょうか?」

大腸ポリープの主な切除方法

内視鏡でポリープを切除する方法は複数あり、病変の大きさや形によって選ばれます。日本消化器内視鏡学会によると、内視鏡治療の対象になるのは、良性のポリープや、早期がんのうち粘膜にとどまるもの、粘膜下層へわずかに広がっているものです。

方法 概要
ポリペクトミー 輪の形のスネアを茎の部分にかけてしめ、高周波電流で切除する
コールドポリペクトミー 高周波電流を使わず、鉗子やスネアでそのまま切除する
EMR(内視鏡的粘膜切除術) 病変の根もとに生理食塩水などを注入して持ち上げ、スネアでしめて通電し切除する
ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術) 病変を持ち上げたあと、ナイフで周囲の粘膜を切開し、粘膜下層を少しずつはがして切除する

このほか、腸の中に生理食塩水をためた状態でスネアをかけて切除するUEMR(浸水下EMR)という方法も用いられます。ESDは手技に熟練を要し、時間もかかる治療です。大きな病変のポリペクトミーやEMR、UEMR、ESDでは入院が必要になる場合があり、設備や体制の整った医療機関で別の日に治療が計画されるケースも見られます。

参考:日本消化器内視鏡学会「3.2)大腸内視鏡検査と治療」

同じ日に切除する場合の流れ|日帰りか入院か

検査と同じ機会に切除する場合の一般的な流れは次のとおりです。実際の手順や滞在時間は医療機関によって異なります。

タイミング 主な内容
検査前日〜当日 指示に沿って食事を調整し、下剤で腸の中をきれいにする
大腸カメラ 大腸の粘膜を観察し、ポリープなどの病変を確認する
ポリープ切除 条件が合えば、病変に応じた方法で切除する
処置後 休憩して体調や出血の有無を確認し、結果と帰宅後の注意点の説明を受ける

ポリープの切除を日帰りで行う施設と、入院で行う施設があります。同じ施設でも、切除方法や病変の状態、出血のリスク、全身の状態によって、経過観察のために入院となる場合があります。

日本消化器内視鏡学会は、鎮痛薬や鎮静薬を使った場合、検査当日は車・バイク・自転車の運転を控えるよう案内しています。いつから運転を再開できるかは施設の指示に従ってください。公共交通機関や家族の送迎など、帰宅方法は事前に決めておきましょう。

関連記事:大腸カメラの準備の流れを解説|数日前からの食事・下剤の飲み方と当日の注意点

参考:日本消化器内視鏡学会「3.2)大腸内視鏡検査と治療」

切除の可能性がある検査の前に確認しておきたいこと

ポリープが見つかった場合に備えて、検査前に次の点を医療機関へ確認しておくと、仕事や予定を調整しやすくなります。

  • ポリープが見つかった場合、その場で切除する方針か
  • 切除した場合に日帰りできるか、入院の可能性があるか
  • 鎮静薬を使う場合の帰宅方法
  • 切除後の仕事・運動・出張への影響
  • 夜間・休日に症状が出た場合の連絡先

出張や旅行の予定がある場合は、切除後に移動できるかどうかも含めて、予約の段階で伝えておきましょう。切除した場合に予定を変更する必要があるかを先に確認できます。

出血・穿孔などのリスクと切除後の注意

ポリープの切除では、出血や痛み、まれに穿孔(腸の壁に穴が開くこと)などの偶発症が起こることがあります。日本消化器内視鏡学会によると、大腸内視鏡検査と治療に伴う偶発症の発生頻度は、2008年から2012年の5年間の全国集計で0.011%(9,091人に1人の割合)でした。

検査中は腸をふくらませるためにガスを入れるため、おなかの張りを感じることがあります。日本消化器内視鏡学会は、ガスは我慢せずに出すよう案内しており、時間を追って楽になるとしています。

出血は処置の直後に限らず、帰宅後に起こる場合も考えられます。出血が多い、なかなか止まらない、腹痛が続くといった場合は、処置を受けた医療機関へすぐに連絡してください。状態によっては、入院や緊急の処置・手術が必要になります。

切除後の食事・飲酒・運動・入浴の制限や、連絡が必要な症状の目安は、次の記事で詳しく解説しています。

関連記事:大腸ポリープ切除後の過ごし方|食事はいつから?飲酒・運動の注意点と受診の目安を解説

参考:日本消化器内視鏡学会「3.2)大腸内視鏡検査と治療」

参考:日本消化器内視鏡学会「大腸にポリープがあると言われました。取らなくてもいいのでしょうか?」

大腸ポリープ切除の費用と病理検査

医師が診断や治療のために必要と判断して行う大腸カメラ、ポリープの切除、切除した組織の病理検査は、いずれも公的医療保険の診療として行われます。

ポリープを切除した場合は、観察だけの検査に比べて、切除の処置料や病理検査の費用が加わります。実際の負担額は、自己負担割合、切除方法、切除したポリープの数、鎮静薬の使用などによって変わります。

項目 費用が変わる主な要因
内視鏡検査 観察のみか、生検や切除を伴うか
ポリープ切除 切除方法、ポリープの数や状態
病理検査 切除した組織の検査の有無
鎮静薬 使用の有無
自己負担額 公的医療保険の自己負担割合

実際の金額は、受診先の料金案内や事前の説明で確認してください。

なお、生命保険や医療保険、共済の給付金の対象になるかどうかは、加入している商品や契約内容によって条件が異なります。医療機関では可否を判断できないため、加入先へ直接お問い合わせください。

切除したポリープは病理検査に提出され、組織の種類やがん細胞の有無を調べます。結果は後日の説明になるため、説明を受ける日を検査後に確認しておきましょう。

関連記事:大腸カメラ(内視鏡)検査の結果はいつわかる?検査の流れについても解説

よくある質問

Q.大腸カメラで見つかったポリープは、すべて切除したほうがよいですか?

すべてを切除する必要はありません。がんにならないタイプのポリープは、出血などの症状がある場合に切除することはありますが、多くはそのままにしても健康を損なうことはないとされています。

将来がんになる可能性がある腺腫やSSLが疑われる場合も、いつ切除するか、今後どのように検査を受けるかは、担当医と相談して決めていきます。

Q.ポリープを切除した翌日から、仕事に行けますか?

仕事に戻れる時期は、受けた処置の内容と仕事の内容によって決まります。日数の目安を一律に示すことはできないため、いつから戻れるかは担当医に確認してください。詳しくは次の記事でも解説しています。

関連記事:大腸カメラ後は仕事に行ける?観察のみと日帰りポリープ切除で違う目安を解説

参考:日本消化器内視鏡学会「大腸にポリープがあると言われました。取らなくてもいいのでしょうか?」

まとめ

大腸カメラで見つかったポリープは、種類や大きさ、形、位置などの条件がそろえば、検査と同じ日に切除できることがあります。大きな病変や専門的な治療が必要な病変では、別の日の治療や入院が検討されます。

切除方法は、病変に応じてポリペクトミー、コールドポリペクトミー、EMR、ESDなどから選ばれ、切除したポリープは病理検査で詳しく調べます。検査を予約するときに、ポリープが見つかった場合の切除方針、日帰りか入院か、服用中の薬の扱いを医療機関に確認しておきましょう。

医療広告について
  • 本記事の医療情報は一般的な情報提供を目的としており、医師による診断や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関へのご相談をおすすめします。
  • 医療・健康に関する情報は変更される場合があります。実際の受診・治療については医療機関へご確認ください。

ベストチョイス編集部
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