発熱と嘔吐が大人に同時に起きる原因は?対処法と受診の目安・何科かを解説
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大人の発熱と嘔吐は、感染性胃腸炎など、感染に対する体の反応として同時に現れることがあります。一方、胃腸以外の感染症や、緊急性のある病気が隠れている場合もあります。
水分をまったくとれない、意識がはっきりしない、けいれんや激しい頭痛・腹痛がある場合は、自宅だけで様子を見ず、医療機関や救急へ相談してください。
家庭での基本的な対応は、無理に食べず、水分と電解質を少量ずつ補いながら休むことです。本記事では、大人の発熱と嘔吐で考えられる原因、脱水を防ぐ方法、受診の目安、診療科の選び方を整理します。
症状の原因や重症度、回復までの期間には個人差があります。判断に迷う場合は、医療機関へ相談してください。
- この記事でわかること
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- 大人の発熱と嘔吐で考えられる主な原因
- 脱水を防ぐ家庭での対処と水分補給の方法
- 救急受診や早めの受診を検討する症状
- 内科・消化器内科・救急外来の選び方
大人の発熱と嘔吐で考えられる主な原因
発熱と嘔吐を引き起こす原因の一つに、ウイルスや細菌による感染性胃腸炎があります。胃腸の粘膜に感染や炎症が起こると、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などに発熱を伴うことがあります。
例えば、ノロウイルスによる感染性胃腸炎では、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛が主な症状で、軽度の発熱を伴う場合があります。ただし、発熱と嘔吐だけで原因を特定することはできません。
食中毒、インフルエンザなどの感染症、尿路感染症などでも、発熱と吐き気・嘔吐が現れることがあります。また、強い頭痛や首の動かしにくさ、激しい腹痛、意識の変化を伴う場合は、胃腸炎以外の病気も考慮する必要があります。

考えられる原因と症状の傾向を、次の表にまとめます。症状だけで原因を決めつけず、経過やほかの症状も確認してください。
| 分類 | 主な例 | 症状の傾向 |
|---|---|---|
| 胃腸の感染 | ウイルス性・細菌性の感染性胃腸炎、食中毒 | 吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などに発熱を伴うことがある |
| 胃腸以外の感染 | インフルエンザ、扁桃炎、尿路感染症など | のどや関節の痛み、悪寒、背中・腰の痛みなどを伴うことがある |
| 緊急性を確認したい状態 | 神経系の病気、急性の腹部疾患など | 意識の変化、けいれん、激しい頭痛や腹痛などを伴うことがある |
同じ食事をした人にも同様の症状がある場合は、食中毒などが疑われることがあります。片側の背中や腰が痛む、腹痛が次第に強くなる、強い頭痛を伴うといった場合は、症状と経過を医療機関へ伝えてください。
脱水のサインと家庭での対処
発熱で汗をかき、嘔吐や下痢で水分と電解質が失われると、脱水が起こりやすくなります。口や唇の乾燥、強い喉の渇き、尿量の減少、濃い尿、立ちくらみ、強いだるさなどは、脱水を疑う目安です。
参考:厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編」
| 場面 | 対応の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 水分補給 | 経口補水液などを、ひと口ずつ少量から試す | 一度に大量に飲まない |
| 食事 | 吐き気が落ち着いてから、消化しやすい食品を少量から再開する | 無理に食べず、脂っこい食品やアルコールを控える |
| 休養 | 横になって休み、急に立ち上がらない | 体調が悪い状態で無理に外出・出勤しない |
| 市販薬 | 使用前に薬剤師または医師へ相談する | 原因や持病によって適否が異なる |
心臓病や腎臓病などで水分・塩分の制限を受けている人は、経口補水液を自己判断で多量に飲まず、かかりつけ医へ確認してください。
水分を口にしても繰り返し吐く、尿が著しく減っている、立てないほどふらつく、反応が鈍いといった場合は、家庭での水分補給だけでは対応できない可能性があります。医療機関への相談を検討してください。
発熱と嘔吐で受診を検討する目安
発熱と嘔吐があるときは、症状の強さだけでなく、水分がとれているか、意識がはっきりしているか、激しい痛みがないかを確認します。次の症状がある場合は、緊急性を考えて対応してください。
救急相談・救急受診を検討する症状

- 呼びかけへの反応が鈍い、意識がはっきりしない
- けいれん、突然の激しい頭痛、首の動かしにくさがある
- 我慢できないほどの腹痛や、急に強くなった腹痛がある
- 吐いたものに血が混じる、血便や黒い便が出る
- 水分をほとんどとれず、繰り返し吐いている
- 立てないほどふらつく、ぐったりして動けない
- 呼吸が苦しい、胸の痛みがある
意識障害、けいれん、激しい頭痛や腹痛などがある場合は、夜間や休日であっても救急受診を検討します。自力での移動が難しい、症状が急速に悪化しているなど、緊急性が高いと判断した場合は119番へ連絡してください。判断に迷うときは、地域の救急相談窓口を利用する方法もあります。
診療時間内に早めの受診を検討する症状
- 発熱や嘔吐が続き、改善する傾向がみられない
- 尿量が著しく減った、尿の色が濃い状態が続く
- 下痢や腹痛が強い、または症状を繰り返している
- 片側の背中や腰に痛みがある
- 一度軽くなった後に、発熱や嘔吐が再び強くなった
- 高齢者、妊娠中、基礎疾患がある人に強い症状が出ている
妊娠中の人、高齢者、心臓病・腎臓病・糖尿病などの持病がある人、免疫機能が低下している人は、脱水や感染症の影響を受けやすい場合があります。症状が軽く見えても、早めにかかりつけ医へ相談してください。
受診するか迷った場合は、発症した日時、体温、嘔吐の回数、水分摂取量、尿の状態、腹痛や頭痛の有無などを記録します。症状の変化を整理すると、医療機関や相談窓口へ状況を伝えやすくなります。
発熱と嘔吐は何科?受診先の選び方
発熱と嘔吐の原因が分からない場合は、内科を最初の相談先にします。内科では、症状の経過や全身状態を確認し、必要に応じて検査や専門診療科への紹介が行われます。
腹痛や下痢など胃腸の症状が中心であれば、消化器内科も受診先の候補です。意識の変化や激しい痛み、水分をほとんどとれない状態など、緊急性の高い症状がある場合は救急外来を検討してください。
| 受診先 | 主な役割 | 受診の目安 |
|---|---|---|
| 内科 | 感染症を含む全身状態の確認、必要な検査や専門科への紹介 | 原因が分からない、最初に相談したい |
| 消化器内科 | 胃腸や肝胆膵など、消化器に関する症状の評価 | 嘔吐に加えて、下痢や腹痛が中心となっている |
| 救急外来 | 緊急性の高い症状の評価と処置 | 意識障害、けいれん、激しい頭痛・腹痛、水分をほとんどとれない |
| 産婦人科・かかりつけ医 | 妊娠や持病を考慮した診療、必要な受診先の案内 | 妊娠中、基礎疾患がある、服薬上の注意が必要 |
受診前に医療機関へ連絡し、発熱と嘔吐があることを伝えると、受付方法や待機場所を案内してもらえる場合があります。医療機関によって対応できる診療内容や時間が異なるため、電話や公式サイトで確認してください。
受診時に伝えたいこと
- 発熱と嘔吐が始まった日時
- 体温の変化と嘔吐した回数
- 下痢、腹痛、頭痛、背中・腰の痛みなどの有無
- 水分や食事をどの程度とれているか
- 最後に尿が出た時刻や尿量の変化
- 直近に食べたものや、周囲に同様の症状がある人がいるか
- 持病、服用中の薬、アレルギー、妊娠の可能性
吐いたものや便に血が混じっていた場合は、その色や量も伝えます。可能であれば、症状や体温の記録、服用している薬が分かるお薬手帳を持参してください。
回復期の食事と感染を広げないための対策
吐き気が落ち着き、水分を保てるようになったら、消化しやすい食品を少量から再開します。食欲がない段階で無理に食べる必要はありません。水分をとっても吐かないことを確認しながら、体調に合わせて食事量を増やします。
- おかゆ、やわらかいうどん、具の少ないスープなどから始める
- 一度に多く食べず、少量ずつ試す
- 脂っこい食品、刺激の強い食品、アルコールを控える
- 症状が戻った場合は食事量を減らし、水分補給を優先する
- 体調が回復するまで無理な運動や外出を避ける
感染性胃腸炎が疑われる場合は、家庭内で感染を広げないための対策も必要です。特にノロウイルスは、感染者の便や嘔吐物を介して広がることがあります。トイレの後、調理前、食事前には、石けんと流水で丁寧に手を洗ってください。
嘔吐物や便を処理するときは、使い捨ての手袋やマスクを着用し、周囲へ飛び散らないよう静かに拭き取ります。処理後は手を洗い、汚れた衣類や寝具も適切に洗浄してください。ノロウイルスへの消毒方法は一般的なアルコール消毒だけでは不十分なことがあるため、厚生労働省など公的機関が示す方法を確認します。
症状が治まった後も便からウイルスが排出される場合があります。回復直後は、手洗いを継続し、体調が十分に戻るまで他人の食事を調理することは控えてください。
いったん改善した後に高熱や嘔吐が再び現れた、腹痛が強くなった、水分がとれなくなった場合は、回復途中と決めつけず医療機関へ相談してください。
よくある質問
Q. 大人の発熱と嘔吐では、どのような原因が考えられますか?
ウイルスや細菌による感染性胃腸炎、食中毒、インフルエンザ、尿路感染症などが考えられます。ノロウイルスによる感染性胃腸炎では、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛に軽度の発熱を伴うことがあります。ただし、症状だけで原因を特定することはできません。激しい頭痛や腹痛、意識の変化などがある場合は、胃腸炎以外の病気も考慮して受診してください。
Q. 発熱と嘔吐があるとき、家庭ではどう対処しますか?
無理に食べず、水分と電解質を少量ずつ補いながら休みます。一度に多く飲むと再び吐くことがあるため、吐き気が落ち着いてから、ひと口ずつ試してください。水分を保てるようになったら、消化しやすい食品を少量から再開します。水分をとっても繰り返し吐く場合は、医療機関へ相談してください。
心臓病や腎臓病などで水分・塩分の制限を受けている人は、経口補水液を自己判断で多量に飲まず、かかりつけ医へ確認してください。
Q. どのような症状があれば救急受診を検討すべきですか?
意識がはっきりしない、けいれん、突然の激しい頭痛や腹痛、呼吸困難、血を吐く、水分をほとんどとれないといった症状は、緊急性を確認すべきサインです。自力で移動できない、症状が急速に悪化している場合は119番へ連絡してください。判断に迷うときは、地域の救急相談窓口や総務省消防庁の全国版救急受診ガイド「Q助」も利用できます。
Q. 発熱と嘔吐は何科を受診すればよいですか?
原因が分からない場合は、まず内科へ相談します。下痢や腹痛など胃腸の症状が中心の場合は、消化器内科も受診先の候補です。意識の変化、けいれん、激しい痛み、水分をほとんどとれない状態などがある場合は、救急外来を検討してください。妊娠中や持病がある人は、産婦人科やかかりつけ医へ連絡し、適切な受診先を確認します。
Q. 市販の吐き気止めや下痢止めを使ってもよいですか?
市販薬の適否は、症状の原因、持病、服用中の薬などによって異なります。特に発熱を伴う下痢、血便、激しい腹痛や吐き気がある場合は、下痢止めを使用する前に医師、薬剤師または登録販売者へ相談してください。薬で無理に下痢を止めることで、状態が悪化する場合があります。
まとめ
大人の発熱と嘔吐は、感染性胃腸炎や食中毒などで現れることがありますが、胃腸以外の感染症や緊急性のある病気が原因となる場合もあります。発熱と嘔吐だけで原因を決めつけず、腹痛や頭痛の強さ、意識の状態、水分摂取量、尿の変化なども確認してください。
家庭での基本的な対応は、無理に食べず、水分と電解質を少量ずつ補いながら休むことです。吐き気が落ち着いて水分を保てるようになったら、消化しやすい食品を少量から再開します。
水分をほとんどとれない、意識がはっきりしない、けいれん、突然の激しい頭痛や腹痛、呼吸困難、吐血や血便がある場合は、救急相談・救急受診を検討してください。
原因が分からない場合の最初の相談先は内科が目安です。腹痛や下痢が中心であれば消化器内科、緊急性の高い症状があれば救急外来を検討します。症状が続く、悪化する、いったん改善した後に再び強くなる場合も、医療機関へ相談してください。
本記事は一般的な医療情報を整理したものであり、個別の診断や治療を代替するものではありません。
参考資料
- 厚生労働省「感染性胃腸炎(特にノロウイルス)」
- 厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
- 総務省消防庁「全国版救急受診ガイド『Q助』」および厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
- 厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き 第三版」
- 厚生労働省「かぜ薬等の添付文書等に記載する使用上の注意について」






