白内障手術の費用はいくら?保険適用・多焦点レンズ・高額療養費を解説
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白内障手術の費用は、単焦点眼内レンズを使う保険診療か、多焦点眼内レンズを使う選定療養・自由診療かによって大きく異なります。保険診療では自己負担割合に応じた費用がかかり、選定療養では保険診療分に多焦点眼内レンズの追加費用が加わります。
本記事に掲載する保険診療の金額は、診療報酬点数に基づく計算例です。検査、薬剤、入院などを含む実際の支払総額ではありません。多焦点眼内レンズの追加費用も、厚生労働省が公表した全国集計の平均額であり、全国一律の料金ではありません。
具体的な費用は、眼内レンズの種類、自己負担割合、入院の有無、検査や薬剤、医療機関の算定方法などによって異なります。受診先から提示された見積書で、総額と内訳を確認しましょう。
- この記事でわかること
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- 保険診療・選定療養・自由診療の違い
- 単焦点眼内レンズの自己負担額の計算例
- 多焦点眼内レンズの追加費用に関する全国集計
- 高額療養費制度や医療費控除を確認するときの注意点
- 見積書で確認したい費用項目
白内障手術の診療区分別費用早見表
| 診療区分 | 主なレンズ | 費用の考え方 |
|---|---|---|
| 保険診療 | 単焦点眼内レンズ | 診療報酬点数と自己負担割合から算出する。実際の総額は検査、薬剤、入院などによって異なる |
| 選定療養 | 対象となる多焦点眼内レンズ | 通常の白内障手術に関する保険診療の自己負担分に、多焦点眼内レンズの追加費用を加える |
| 自由診療 | 国内未承認の多焦点眼内レンズなど | 手術、検査、レンズ代、術後診察などを含む範囲と金額が医療機関によって異なる |
保険診療の具体的な計算例と、選定療養の追加費用に関する全国集計は、後のセクションで分けて説明します。異なる条件の金額を、同じ費用相場として単純に比較しないことが大切です。
白内障手術の費用は3つの診療区分で変わる
白内障手術の費用を確認するときは、保険診療、選定療養、自由診療のどれに該当するかを最初に確認しましょう。
保険診療
単焦点眼内レンズを使う一般的な白内障手術は、保険診療の対象です。年齢や所得などに応じて、保険診療費の1~3割を自己負担します。
ただし、窓口で支払う金額は、手術料だけで決まるわけではありません。術前検査、薬剤、入院、ほかの処置などによって総額が変わります。
選定療養
選定療養とは、患者が特別の料金を負担することで、保険診療と保険外の診療を併用できる制度です。対象となる多焦点眼内レンズを、必要な届出を行った医療機関で使用する場合などが該当します。
選定療養では、通常の白内障手術に相当する部分は保険診療となり、多焦点眼内レンズに関する追加費用を自己負担します。手術全体が自由診療になるわけではありません。
自由診療
国内未承認の眼内レンズなどを使用する場合は、手術や検査を含めて自由診療になることがあります。自由診療では、原則として費用の全額を自己負担します。
料金に手術料、レンズ代、術前検査、薬剤、術後診察などのどこまでが含まれるかは、医療機関によって異なります。提示額だけで判断せず、追加費用が発生する条件まで確認してください。
白内障手術の費用を比較するときは、次の4段階で確認すると整理しやすくなります。

- 手術後に希望する見え方を整理する
- 保険診療・選定療養・自由診療のどれに該当するか確認する
- 眼内レンズ、検査、薬剤などを含む総額と内訳を確認する
- 高額療養費制度、医療費控除、民間医療保険を確認する
単焦点眼内レンズの費用|保険診療の計算例
単焦点眼内レンズを使う一般的な白内障手術は、保険診療の対象です。自己負担割合は、年齢や所得などに応じて1~3割となります。
令和8年度の医科診療報酬点数表では、対象となる片側の水晶体再建術は18,001点です。診療報酬は1点10円で計算されるため、18,001点は18万10円に相当します。
この点数だけを基にした自己負担額の計算例は、次のとおりです。
| 自己負担割合 | 基本料に対する自己負担の計算例 |
|---|---|
| 1割 | 約1万8,000円 |
| 2割 | 約3万6,000円 |
| 3割 | 約5万4,000円 |
これは18,001点だけを基にした計算例であり、実際の支払総額ではありません。医療機関の算定方法、術前検査、薬剤、入院の有無、ほかの処置などによって窓口負担は変わります。高額療養費制度が適用される場合は、最終的な負担額が異なることもあります。
多焦点眼内レンズの費用|選定療養と自由診療の違い
多焦点眼内レンズでは、レンズの種類や医療機関の取り扱いによって、選定療養または自由診療となります。
選定療養では、通常の白内障手術に相当する部分へ公的医療保険が適用され、多焦点眼内レンズに関する追加費用を自己負担します。
厚生労働省の全国集計では、2024年8月1日時点における多焦点眼内レンズの追加費用は、1眼当たり平均28万5,997円でした。ただし、これは報告医療機関全体の平均額であり、全国一律の料金ではありません。レンズの製品、乱視矯正機能の有無、料金に含まれる項目などによって費用は異なります。
自由診療では、レンズ代だけでなく、手術、検査、薬剤、術後診察などを含む範囲が医療機関によって異なります。金額だけを比べず、提示された総額に含まれる項目と、追加費用が発生する条件を確認してください。
多焦点眼内レンズは見え方の注意点も確認する
多焦点眼内レンズは、眼鏡を使用する機会を減らせる場合がある一方、費用の高さだけで適否を判断することはできません。
多焦点眼内レンズでは、光の周囲に輪が見えるハロー、光がにじんだりまぶしく感じたりするグレア、明暗の差を見分けにくくなるコントラスト感度の低下などが生じることがあります。夜間に見えにくさを感じたり、見え方に慣れるまで時間がかかったりする場合もあります。
手術後にすべての場面で眼鏡が不要になるとは限りません。読書、パソコン作業、夜間運転など、よく使う距離や生活場面を医師へ伝え、眼内レンズの特徴と注意点を含めて検討しましょう。
白内障手術の負担を軽減できる制度
白内障手術に関連して確認できる制度には、高額療養費制度、医療費控除、民間医療保険があります。それぞれ対象となる費用、申請先、手続きが異なり、同じ費用にすべての制度が適用されるとは限りません。
高額療養費制度
高額療養費制度は、1か月に支払った保険診療の自己負担額が、年齢や所得に応じた上限を超えた場合に、超過分が支給される制度です。
単焦点眼内レンズを使う保険診療の自己負担分などは対象となる場合がありますが、選定療養における多焦点眼内レンズの追加費用や、自由診療の費用は対象外です。
2026年8月からは、所得区分に応じた月額上限が見直され、年間上限も設けられます。実際に適用される上限額や手続きは、受診した時期、年齢、所得、加入する公的医療保険によって異なります。
両眼を手術する場合、同じ月に手術するか別の月に手術するかによって、月単位の計算結果が変わることがあります。ただし、費用だけで手術日を決めず、目の状態や治療上の必要性を優先して医師と相談してください。
自分に適用される上限額や申請方法は、加入している健康保険組合、全国健康保険協会、市区町村の国民健康保険窓口など、公的医療保険の保険者へ確認しましょう。
医療費控除
医師による診療や治療の対価として支払った費用は、医療費控除の対象となることがあります。白内障手術に伴う手術費、検査費、薬剤費などについて、対象となる費用を確認してください。
多焦点眼内レンズ、選定療養、自由診療に関する個別の費用の扱いは、領収書と診療明細書を保管したうえで、税務署または税理士へ確認しましょう。
民間医療保険などから給付金を受け取った場合は、その給付の対象となった医療費から補填額を差し引いて計算します。すべての医療費から一律に差し引くわけではないため、給付の対象となった費用との対応も確認してください。
民間医療保険
白内障手術が民間医療保険の手術給付金の対象になるかは、加入時期、契約内容、手術の名称、片眼・両眼の扱いなどによって異なります。
両眼の手術を同じ日に行う場合と別日に行う場合で、給付回数の扱いが異なることもあります。手術日を決める前に、契約している保険会社へ給付条件、必要書類、請求期限を確認してください。
見積書で確認したい7つの項目
白内障手術の費用を比較するときは、表示された金額だけで判断せず、同じ条件で算出された総額と内訳を確認することが大切です。
受診先から見積書や費用説明書を受け取ったら、次の7項目を確認しましょう。
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片眼または両眼のどちらの金額か
表示額が片眼分か両眼分かを確認します。両眼の手術では、手術日や請求月によって支払方法が異なる場合もあります。 -
診療区分は何か
保険診療、選定療養、自由診療のどれに該当するかを確認します。 -
眼内レンズの製品と機能
眼内レンズの種類、製品名、乱視矯正機能の有無を確認します。 -
検査・薬剤・術後診察が含まれているか
術前検査、点眼薬などの薬剤、術後診察が提示額に含まれるかを確認します。 -
入院費や差額ベッド代が必要か
入院する場合は、入院基本料、食事代、差額ベッド代などが別に必要かを確認します。 -
変更・中止時の費用
追加検査、眼内レンズの変更、手術の延期や中止が生じた場合の費用を確認します。 -
税込表示と追加費用の条件
表示金額が税込かどうか、どのような場合に追加費用が発生するかを確認します。
見積書に「手術一式」などとだけ記載されている場合は、眼内レンズ、検査、薬剤、術後診察などの内訳を受診先へ確認してください。
医療費の内訳は受診先へ、高額療養費制度は加入する公的医療保険の保険者へ、手術給付金は契約している保険会社へ、それぞれ確認しましょう。
白内障手術の費用に関するよくある質問
Q. 白内障手術は保険適用ですか?
単焦点眼内レンズを使う一般的な白内障手術は、保険診療の対象です。多焦点眼内レンズでは、対象となるレンズを使う選定療養、または自由診療になる場合があります。
Q. 多焦点眼内レンズの選定療養では何が保険適用になりますか?
選定療養の対象となる多焦点眼内レンズを、必要な届出を行った医療機関で使用する場合は、通常の白内障手術に相当する部分が保険診療となります。多焦点眼内レンズに関する追加費用は自己負担です。
手術全体が自由診療になるわけではありません。保険診療分と追加費用の区分を、見積書や領収書で確認してください。
Q. 高額療養費制度は使えますか?
保険診療の自己負担分は、高額療養費制度の対象になる場合があります。選定療養における多焦点眼内レンズの追加費用と、自由診療の費用は対象外です。
上限額は年齢や所得、受診時期などによって異なります。2026年8月から制度が見直されるため、適用される上限額と申請方法を、加入する公的医療保険の保険者へ確認してください。
Q. 白内障手術は民間医療保険の給付対象ですか?
契約内容によっては、手術給付金の対象になります。加入時期、手術名、片眼・両眼の扱い、手術日の間隔などで給付条件が異なる場合があるため、契約している保険会社へ確認してください。
Q. 医療費控除の対象になりますか?
医師による診療や治療の対価として支払った手術費、検査費、薬剤費などは、医療費控除の対象となることがあります。
多焦点眼内レンズ、選定療養、自由診療に関する個別の扱いは、領収書と診療明細書を保管したうえで、税務署または税理士へ確認してください。民間医療保険などから受け取った給付金は、その給付の対象となった医療費から差し引く必要があります。
まとめ
白内障手術の費用は、単焦点眼内レンズを使う保険診療か、多焦点眼内レンズを使う選定療養・自由診療かによって異なります。
保険診療では、診療報酬点数と自己負担割合に応じた費用がかかります。本記事で紹介した約1万8,000円~5万4,000円は、18,001点だけを基にした1~3割負担の計算例であり、検査、薬剤、入院などを含む実際の支払総額ではありません。
選定療養では、通常の白内障手術に相当する部分は保険診療となり、多焦点眼内レンズに関する追加費用を自己負担します。厚生労働省の集計では、2024年8月1日時点の追加費用は1眼当たり平均28万5,997円でした。ただし、これは報告医療機関全体の平均額であり、全国一律の料金ではありません。
眼内レンズは、費用だけでなく、希望する見え方、夜間運転の有無、読書やパソコン作業の頻度、目の状態などを踏まえて検討する必要があります。多焦点眼内レンズでは、ハロー、グレア、コントラスト感度の低下などが生じることもあるため、特徴と注意点について説明を受けてください。
見積書では、片眼・両眼のどちらの金額か、診療区分、眼内レンズの種類、検査や薬剤を含む範囲、追加費用が発生する条件を確認しましょう。高額療養費制度は加入する公的医療保険の保険者へ、医療費控除は税務署または税理士へ、手術給付金は契約している保険会社へ問い合わせてください。
参考文献・情報源
- 料金調査について
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記事調査日:2026年7月29日
選定療養の平均額:厚生労働省が公表した2024年8月1日時点の集計
調査方法:厚生労働省の診療報酬点数表、保険外併用療養費制度、選定療養に関する全国集計、高額療養費制度の案内、日本眼科学会・日本眼科医会の白内障手術に関する解説、国税庁の医療費控除に関する案内を確認しました。
確認項目:保険診療の点数、自己負担割合、選定療養の追加費用、自由診療との違い、高額療養費制度、医療費控除。
注意事項:掲載金額は全国一律の支払総額ではありません。算定方法、眼内レンズの種類、検査、薬剤、入院の有無などによって実際の支払額は異なります。最新の見積額と内訳は、受診先へご確認ください。






