大腸ポリープ切除後の過ごし方|食事はいつから?飲酒・運動の注意点と受診の目安を解説

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大腸ポリープ切除後の過ごし方を解説する記事のアイキャッチ。淡い青の背景に、自宅でおかゆを食べる男性のイラストと、食事・飲酒・運動の注意点と受診の目安を示すタイトルを配置したデザイン。
目次

大腸ポリープを内視鏡で切除したあとは、切除した部分が治るまでの一定期間、食事・飲酒・運動・入浴・旅行などに制限がかかります。切除部からの出血(後出血)や、腸の壁に穴が開く穿孔(せんこう)といった偶発症のリスクを抑えるためです。

制限の内容と期間は、ポリープの大きさや数、切除方法、服用中の薬によって変わります。体調がよくても自己判断で普段どおりの生活に戻さず、処置を受けた医療機関の説明書きと医師の指示に沿って過ごすことが基本です。

この記事では、切除当日から普通の生活に戻るまでの過ごし方、食べやすい物と控えたい物、すぐに連絡したい症状、病理検査の結果の見方、次回の大腸カメラを受ける時期の目安を解説します。

この記事でわかること
  • 後出血が起こりやすい時期と、制限が必要な理由
  • 切除当日と翌日以降の食事、食べやすい物・控えたい物(おやつ・コーヒーを含む)
  • 飲酒・運動・入浴・旅行・仕事を再開するときの考え方
  • 出血・腹痛・便が出ないなど、医療機関へ連絡する目安
  • 病理検査の結果と、次回の大腸カメラを受ける時期

大腸ポリープ切除後に生活の制限が必要な理由

ポリープを切除したあとの腸の内側には傷が残り、治るまでの間は出血や穿孔が起こりえます。日本消化器内視鏡学会ほかの「大腸ESD/EMRガイドライン(第2版)」では、切除後の出血は術後2、3日から1週間以内に多く、10日前後までは起こる可能性があるとされています。

穿孔も同ガイドラインでは、多くが治療後24時間以内に起こるものの、3分の1程度は24時間以降に確認されるとされています。帰宅後もしばらく注意が必要なのは、このように遅れて起こる偶発症があるためです。

制限の期間は一律ではなく、切除したポリープの大きさや数、切除方法、出血のリスクなどを踏まえて医師が判断します。抗血栓薬(血液を固まりにくくする薬)を服用している方は、出血と血栓症の両方のリスクを考えて休薬や再開の時期が個別に決められるため、自己判断で中止・再開せず、処方医と内視鏡治療を担当した医師の指示に従います。

関連記事:大腸カメラでポリープ切除はその場でできる?切除方法と日帰り・入院の目安、リスクを解説

参考:日本消化器内視鏡学会ほか「大腸ESD/EMRガイドライン(第2版)」

大腸ポリープ切除後はいつから何ができる?当日と翌日以降の過ごし方

日本消化器内視鏡学会は、ポリープを切除した人に対して、医師の指示により一定期間は消化のよい食事をとり、刺激物・脂っこいもの・アルコールを避けること、しばらく激しい運動を控えること、長風呂を避けることを一般向けに案内しています。

制限の期間はポリープの大きさや個数、切除方法、出血のリスクによって変わるため、一律の日数では示せません。後出血が起こりやすい時期を含め、実際にいつまで控えるかは、処置を受けた医療機関から渡された説明書で確認します。

項目 切除当日 翌日以降〜制限が解けるまで 帰宅前に医療機関に確認すること
食事 許可された時刻以降、消化のよいものを少量から 腹痛や出血がなければ、少しずつ普段の食事に戻す 食事を始められる時刻、控える食品とその期間
飲酒 控える 指示された期間は控える 再開してよい日
コーヒーなどの飲み物 控える 控えるよう指示される場合がある 飲んでよい時期
運動・力仕事 安静に過ごす 激しい運動や重い物を持つ作業を控える 仕事内容・運動内容ごとの再開時期
入浴 長風呂を避け、シャワー程度にする 湯船やサウナは指示を確認してから 湯船やサウナに入れる時期
旅行・出張 予定を入れない すぐ受診できない場所への移動は時期を確認する 移動距離や宿泊を伴う予定の可否

食事|当日は消化のよいものを少量から、翌日以降に少しずつ戻す

食事は、医療機関から許可された時刻以降に再開します。切除当日は、おかゆ、やわらかく煮たうどん、豆腐など、脂肪や刺激が少なく消化しやすいものを少量から選びます。

翌日以降は、腹痛や出血、発熱がなければ、指示された期間にあわせて少しずつ普段の食事に戻していきます。「何日目だから何を食べてもよい」と日数だけで判断せず、説明書に書かれた期間と体調の両方を確かめながら進めるのが安全です。

区分 例
選びやすいもの おかゆ、やわらかく煮たうどん、豆腐など、脂肪や刺激が少なく消化しやすいもの
控えたいもの 刺激物、脂っこいもの、アルコール
控えるよう案内されることがあるもの コーヒーなどの飲み物、食物繊維の多い食品や硬い食品

おやつや間食も、制限の期間中は食事と同じ考え方で選びます。脂っこいものや刺激の強いものは避け、何を食べてよいか迷うときは処置を受けた医療機関に確認します。

関連記事:大腸内視鏡検査後の食事はいつから?避けたい食品と再開の目安を解説

飲酒・コーヒー

アルコールは切除後の出血に影響する可能性があるため、指示された期間は控えます。「少しなら問題ない」と判断せず、再開してよい日を確認しておきます。

コーヒーなどの飲み物も、一定期間控えるよう案内される場合があります。再開してよい時期は、処置を受けた医療機関の指示を確認してください。

関連記事:内視鏡検査後の飲酒はいつから?当日の可否と再開の目安・注意点を解説

運動・力仕事・排便時のいきみ

ランニングや筋力トレーニング、ゴルフなどの運動、重い荷物を持つ作業は、一定期間控えます。再開してよい時期は、運動や仕事の内容ごとに処置を受けた医療機関へ確認します。

排便時に強くいきむことも控えるよう案内されることがあります。便秘気味の方は、市販の下剤を使う前に処置を受けた医療機関へ相談しましょう。

入浴

日本消化器内視鏡学会は、ポリープを切除した場合は長風呂を避け、シャワー程度にするのが無難だとしています。湯船やサウナを再開できる時期も、医療機関の指示に従います。

旅行・出張

遠方への旅行や出張、飛行機での移動は、後出血が起きたときにすぐ受診できないおそれがあります。後出血が起こりやすい時期に重なる予定は切除前に伝え、移動距離や宿泊の有無、現地で受診できる医療機関を踏まえて時期を相談します。

参考:日本消化器内視鏡学会「3.2)大腸内視鏡検査と治療」

切除後に連絡したい症状|出血・腹痛・便が出ないとき

切除後に便へ少量の血が混じることはありますが、出血量が多い、なかなか止まらない、痛みが続くといった場合は、処置を受けた医療機関へすぐに連絡してください。状態によっては、入院や緊急の処置・手術が必要になる場合もあります。

次のような症状があれば、自己判断で様子を見続けず、案内された連絡先へ相談します。

  • 真っ赤な血が出る、出血を繰り返す、出血の量が増えている
  • 強い腹痛がある、お腹の張りや痛みがだんだん強くなる
  • 発熱、吐き気、嘔吐がある
  • めまい、立ちくらみ、冷や汗がある

これらの症状に気づいたら、まずは処置を受けた医療機関へ連絡し、指示を受けてください。夜間や休日で連絡が取れないとき、症状が強く連絡を待てないと感じるときは、救急外来の受診も検討します。移動するときは自分で運転せず、家族などに付き添ってもらうと安心です。

お腹の張り・腹痛があるとき

大腸カメラでは腸をふくらませて観察するため、検査後にお腹が張りやすくなり、ガスを出すと時間とともに楽になっていくことが多いといわれます。一方、電気を使ってポリープを切除したあとは、穿孔がなくても腸の壁の炎症によって発熱や腹痛が起こることがあり、「大腸ESD/EMRガイドライン(第2版)」では穿孔との見分けに注意が必要とされています。

張りや痛みが時間とともに強くなる、発熱を伴う、痛む場所が広がるといった場合は、様子を見ずに連絡しましょう。

便が出ない・便秘のとき

切除後しばらく便が出ないことがあります。お腹の張りや痛みがなければ、指示された範囲で水分をとりながら様子を見ます。

便が出ないからといって自己判断で下剤を追加せず、便秘が続く場合は処置を受けた医療機関へ相談してください。腹痛や吐き気、強いお腹の張りを伴う場合も、同じように連絡します。

連絡するときに伝えること

  • ポリープを切除した日と医療機関名
  • 症状が始まった時刻
  • 出血の色・量・回数
  • 腹痛、発熱、めまいの有無
  • 服用中の薬(抗血栓薬を休薬・再開した日を含む)

夜間や休日に症状が出たときの連絡先は、帰宅前に確認し、説明書きと一緒に保管しておきます。

参考:日本消化器内視鏡学会「3.2)大腸内視鏡検査と治療」

参考:日本消化器内視鏡学会ほか「大腸ESD/EMRガイドライン(第2版)」

仕事は何日休む?処置内容と仕事内容で決まる

仕事に戻れる時期は、切除したポリープの大きさや数、切除方法、鎮静薬を使ったかどうか、仕事内容によって異なります。デスクワークでも、腹痛や出血、ふらつきがあれば復帰を見合わせ、医療機関へ相談します。

重い荷物を運ぶ、長時間立ち続ける、長距離を運転する、出張や宿泊を伴うといった仕事は、後出血が起こりやすい時期と重なるため、再開時期を個別に確認します。鎮静薬を使った場合は、検査当日の車・バイク・自転車の運転を控えます。いつから運転してよいかは使った薬や施設の方針によって異なるため、処置を受けた医療機関の指示に従ってください。

関連記事:大腸カメラ後は仕事に行ける?観察のみと日帰りポリープ切除で違う目安を解説

参考:日本消化器内視鏡学会「3.2)大腸内視鏡検査と治療」

病理検査の結果で確認すること

切除したポリープは病理検査に提出され、顕微鏡で組織の種類やがん細胞の有無を詳しく調べます。結果の説明を受けられる時期は医療機関によって異なるため、帰宅前に説明日と方法を確認しておくと、受診の予定を組みやすくなります。

確認される主な内容 意味
ポリープの種類 腺腫、SSL、過形成性ポリープなど、組織の性質
がん細胞の有無 悪性の所見が含まれているか
病変の深さ・広がり がんが含まれる場合に、どこまで及んでいるか
切除断端 切り取った組織の端に病変が残っていないか

大腸ポリープには、腺腫やSSL(sessile serrated lesion)、過形成性ポリープなど、さまざまな種類があります。このうち腺腫やSSLは、将来がんになる可能性があるポリープです。がんが見つかった場合は、病変の深さや切除断端などを踏まえて、経過観察でよいか、追加の内視鏡治療や外科手術が必要かが検討されます。

結果説明で担当医に確認したいのは、次の4点です。

  • 正式な病理診断名とがん細胞の有無
  • 病変を取り切れているか
  • 追加の検査や治療が必要か
  • 次回の大腸カメラを受ける時期

参考:日本消化器内視鏡学会「大腸にポリープがあると言われました。取らなくてもいいのでしょうか?」

次回の大腸カメラはいつ?切除後の検査間隔の目安

ポリープを切除しても、大腸の別の場所に新しいポリープができる可能性は残ります。そのため、切除後も医師から指定された時期に大腸カメラを受けます。

日本消化器内視鏡学会は、2020年に発表された「大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン」をもとに、ポリープ切除後の次回検査の目安を次のように紹介しています。

切除の内容 次回の大腸カメラの目安
大腸がんの内視鏡治療・外科治療を受けた/10個以上の腺腫を切除した/20mm以上の腺腫を内視鏡治療した 1年後
上記に当てはまらないポリープ切除 多くの場合3年後
小さなポリープ(低異型度の腺腫)を1〜2個切除したのみ 5年後でもよいとされる

この表は日本消化器内視鏡学会が一般向けに示している目安で、すべての人に当てはまるものではありません。一つの病変を分割して切除した場合や、下剤の効果が不十分で便が残っていた場合は、より短い間隔が勧められる場合があります。実際の時期は病理結果や検査時の状態から担当医が判断するので、結果説明の場で聞いておくと予定を立てられます。血便や便通の変化など気になる症状がある場合は、予定の時期を待たずに受診してください。

生活習慣の見直し

生活習慣を見直しても、新しいポリープを確実に防げるわけではありません。国立がん研究センターは「日本人のためのがん予防法(5+1)」として、「たばこ」「お酒」「食生活」「身体活動」「体重」の5つの生活習慣に「感染」を加えた6つの要因を挙げています。

切除後の制限が解除されたあとは、禁煙や節度ある飲酒、適正体重の維持などを、無理のない範囲で続けていくことが長期的な健康管理につながります。

参考:日本消化器内視鏡学会「昨年大腸内視鏡検査を受けました。今年も受ける必要がありますか?」

参考:国立がん研究センター がん情報サービス「科学的根拠に基づくがん予防」

よくある質問

Q.切除後にお酒を飲んでしまいました。どうすればよいですか?

飲んだ量が少なくても、そのままにせず切除を受けた施設へ電話してください。伝えるとよいのは、飲んだ時間と量、そのあとの腹痛やお腹の張り、便の色の変化です。次に飲んでよい日も、あわせて聞いておくと迷わずに済みます。

Q.病理検査の結果は、書面でもらっておいたほうがよいですか?

病理検査でわかるのは、取ったポリープの性質と、取り切れているかどうかです。ここで次にすべきことが決まるため、説明日を確かめて受診しましょう。結果は口頭で聞くだけでなく書面で受け取っておくと、引っ越しや転院で別の医療機関にかかるときの手がかりになります。

Q.切除したことを家族に伝えておいたほうがよいですか?

同居するご家族には、ポリープを切除した日と、夜間や休日の連絡先を伝えておくと安心です。体調が急に変わったとき、本人がうまく説明できなくても代わりに伝えてもらえます。遠方への外出や宿泊の予定が近いときは、その予定も共有しておきましょう。

まとめ

大腸ポリープ切除後は、医療機関から指示された期間は飲酒、激しい運動、長風呂、遠方への移動を控え、食事は消化のよいものから少しずつ戻します。出血を繰り返す、腹痛が強くなる、発熱やめまいがあるといった場合は、様子を見ずに処置を受けた医療機関へ連絡してください。

病理結果の説明を受ける日に、追加治療の必要性と次回の大腸カメラの時期を確認し、予定表に書き込んでおきましょう。

医療広告について
  • 本記事の医療情報は一般的な情報提供を目的としており、医師による診断や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関へのご相談をおすすめします。
  • 医療・健康に関する情報は変更される場合があります。実際の受診・治療については医療機関へご確認ください。

ベストチョイス編集部
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