メタボの改善方法とは?診断基準と食事・運動・生活習慣を解説

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健康診断で「メタボ」や「メタボ予備群」と指摘されたら、まず健診票に「要受診」「要精密検査」「特定保健指導」などの指示がないか確認してください。

メタボリックシンドロームは、腹囲だけで診断されるものではありません。腹囲が基準以上で、血圧・血糖・脂質のうち2項目以上が診断基準に該当する場合に診断されます。

改善に向けては、食事、身体活動、睡眠、飲酒、喫煙などの中から、現在の生活で見直す必要がある項目を確認します。ただし、健診票に受診指示がある場合は、生活習慣の改善だけで様子を見ず、結果を持参して医療機関を受診してください。

本記事では、メタボリックシンドロームの診断基準、健診結果に応じた行動、食事・運動・生活習慣の見直し方、特定保健指導の利用方法を整理します。

この記事でわかること
  • メタボリックシンドロームの診断基準
  • 健診結果を受け取った後に確認すること
  • 食事で見直したい量・飲料・食品
  • 身体活動や運動を増やす方法
  • 睡眠・飲酒・喫煙の確認項目
  • 特定保健指導と医療機関受診の違い

メタボを指摘されたら最初にすること

最初に、健診票の判定欄と、腹囲・血圧・血糖・脂質の検査結果を確認します。

「メタボ」「予備群」という記載だけで受診の要否を判断せず、個別の検査項目に対する指示を優先してください。

健診結果・状態 最初に行うこと
「要受診」「要精密検査」と記載されている 次回健診を待たず、結果を持参して医療機関を受診する
特定保健指導の案内がある 加入している医療保険者へ利用方法を確認する
腹囲だけが基準を超えている 血圧・血糖・脂質の結果と、体重の推移を確認する
複数の検査項目に異常がある 内科で検査結果と治療の必要性を確認する
高血圧・糖尿病・脂質異常症を治療中である 治療を継続し、生活習慣の変更内容を主治医へ伝える
胸の痛み、麻痺、言葉の異常などがある 通常の生活改善ではなく、速やかに医療機関へ相談する

改善に向けて生活を振り返る場合は、次の項目を数日間記録すると、見直す内容を把握しやすくなります。

  • 食事と間食の時間・内容
  • 砂糖入り飲料
  • 飲酒量と頻度
  • 体重
  • 歩いた時間や歩数
  • 座っていた時間
  • 睡眠時間と就寝・起床時刻

一度にすべてを変える必要はありません。記録から過剰・不足が明確になった項目を選び、実行する行動を具体的に設定します。

メタボリックシンドロームとは

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、内臓脂肪の蓄積を基盤とする状態です。これに血圧・血糖・脂質の異常が複数重なります。

これらの異常が重なると、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患に関するリスクが高くなります。

ただし、メタボリックシンドロームそのものには、特徴的な自覚症状がない場合があります。腹囲や体重だけではなく、健診で測定した血圧・血糖・脂質の結果を確認することが必要です。

参考:厚生労働省「生活習慣病予防・メタボリックシンドローム」

メタボリックシンドロームの診断基準

日本の診断基準では、腹囲が必須条件です。

腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上で、さらに血圧・血糖・脂質の3項目のうち2項目以上に該当する場合、メタボリックシンドロームと診断されます。

確認項目 診断基準
腹囲(必須) 男性85cm以上/女性90cm以上
血圧 収縮期血圧130mmHg以上、または拡張期血圧85mmHg以上
血糖 空腹時血糖110mg/dL以上
脂質 中性脂肪150mg/dL以上、またはHDLコレステロール40mg/dL未満

腹囲は、立った状態で軽く息を吐き、へその高さで測ります。

腹囲の基準は、内臓脂肪面積100cm²以上に相当する値として設定されています。ただし、腹囲だけでメタボリックシンドロームと診断したり、薬物療法の必要性を判断したりすることはできません。

脂質異常症、高血圧、糖尿病の薬物治療を受けている場合は、対応する診断項目に該当するものとして扱います。

診断基準と、個人の治療目標や特定保健指導の対象者を選ぶ基準は異なります。

参考:厚生労働省「メタボリックシンドロームの診断基準」

食事で最初に見直すポイント

食事では、特定の食品だけを禁止するのではなく、1日の食事量、間食、飲料、アルコールを含めて確認します。

最初に見直す項目は、次のとおりです。

見直す習慣 変更例
砂糖入り飲料を習慣的に飲む 水や無糖のお茶へ替える
脂身の多い肉や揚げ物が多い 魚、大豆製品、脂身の少ない肉を選ぶ
間食や夜食が習慣になっている 食べた時間、量、きっかけを記録する
欠食後にまとめて食べる 食事時刻を確認し、極端な空腹を避ける
加工食品や濃い味付けが多い 汁物、加工肉、総菜、調味料の量を確認する
飲酒量を把握していない 純アルコール量と飲酒頻度を記録する

食べる順番だけに頼ったり、主食や脂質を一律に禁止したりする必要はありません。現在の食事で摂取量が多いものを把握し、別の食品や飲料へ置き換えます。

食事量と体重の変化を確認する

摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る状態が続くと、体重や内臓脂肪が増える要因になります。

食事量を正確に計算できない場合でも、次の項目から確認できます。

  • 主食や主菜の大盛り
  • おかわり
  • 菓子・菓子パン
  • 砂糖入り飲料
  • アルコール
  • 飲酒時に食べる食品
  • 外食や総菜の利用頻度

体重は、可能な範囲で同じ時間帯・同じ条件で測定します。短期間の変動だけで判断せず、記録を受診や特定保健指導の際に提示してください。

野菜・海藻・きのこ・大豆製品を組み合わせる

野菜、海藻、きのこ、大豆製品などを、主食・主菜と組み合わせます。

「食事の最初に食べれば改善する」と考えるのではなく、食事全体の構成と量を確認することが重要です。野菜料理を追加する場合は、ドレッシング、マヨネーズ、炒め油などの使用量も確認します。

高血圧を指摘されている場合は、汁物、漬物、加工肉、総菜、麺類の汁などから取る食塩量にも注意が必要です。

運動・身体活動の増やし方

身体活動には、ウォーキングなどの運動だけでなく、通勤、買い物、家事、仕事中の移動なども含まれます。

運動の時間を新たに確保することが難しい場合は、現在の生活で座っている時間と歩いている時間を確認してください。長時間座り続けている場合は、途中で立ち上がる、近距離の移動を歩行へ替えるなど、日常の活動から調整します。

身体活動・運動の目標

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して次の内容を推奨しています。

  • 歩行または同程度以上の身体活動を1日60分以上行う
  • 息が弾み、汗をかく程度の運動を週60分以上行う
  • 筋力トレーニングを週2~3日取り入れる
  • 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにする

これらは健康な成人を対象とする一般的な目標です。現在の活動量が少ない場合は、最初からすべてを達成しようとせず、身体の状態に応じて時間や頻度を調整します。

参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

身体の状態に合う方法を選ぶ

運動には、次のような方法があります。

  • ウォーキング
  • 自転車や固定式自転車
  • 水中歩行や水中運動
  • 椅子を使った運動
  • 軽い筋力トレーニング

膝、腰、股関節などに痛みがある場合は、関節への負担を調整しやすい運動を選びます。筋力トレーニングは、筋力と身体機能を維持する目的で取り入れます。

心臓や血管の病気がある、血圧や血糖の管理が不安定である、日常生活でも息切れがある場合は、運動を始める前に医師へ相談してください。

運動を中止したい症状

運動中に次の症状が現れた場合は、運動を中止します。

  • 胸の痛みや圧迫感
  • 強い息切れ
  • めまいや冷や汗
  • 強い動悸
  • 関節痛の悪化
  • 普段とは異なる強い倦怠感

休んでも症状が改善しない場合や、胸痛・呼吸困難が強い場合は、速やかに医療機関へ相談してください。

睡眠・飲酒・禁煙の見直し

食事や身体活動に取り組む際は、睡眠、飲酒、喫煙についても現在の状況を確認します。

睡眠

睡眠時間だけでなく、就寝・起床時刻、途中で目が覚める回数、起床時の休養感、日中の眠気などを確認します。

睡眠不足によって間食が増えていないか、疲労によって身体活動が減っていないかも振り返ってください。

睡眠時間には個人差があります。一律の時間を目指すのではなく、日中の生活に支障が出ていないかを確認します。

次のような状態がある場合は、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が隠れている可能性があります。

  • 強いいびきを指摘される
  • 睡眠中に呼吸が止まるといわれる
  • 朝に頭痛や強い疲労感がある
  • 日中に強い眠気がある
  • 運転中や仕事中に眠りそうになる

睡眠に関する不調が続く場合は、内科、呼吸器内科、睡眠外来などへ相談してください。

参考:厚生労働省「睡眠対策・健康づくりのための睡眠ガイド2023」

飲酒

飲酒している場合は、酒類の種類だけでなく、飲んだ量、アルコール度数、頻度を記録します。

純アルコール量は、次の式で計算できます。

純アルコール量(g)=飲酒量(mL)×アルコール度数÷100×0.8

例えば、アルコール度数5%のビール500mLに含まれる純アルコール量は、約20gです。

飲酒による影響は、性別、年齢、体質、持病、服用中の薬などによって異なります。血圧、血糖、中性脂肪、肝機能などの結果によっては、減酒または禁酒が必要です。

飲酒量を自己判断で「適量」と決めず、健診結果や治療状況について医師へ確認してください。

参考:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドラインについて」

喫煙

喫煙は、動脈硬化性疾患に関するリスク要因です。喫煙している場合は、本数を減らすことだけでなく禁煙を目標にします。

自力での禁煙が難しい場合は、禁煙外来や地域・職場の禁煙支援を利用する方法があります。治療中の病気や使用している薬によって禁煙補助薬の選択が異なるため、医師や薬剤師へ相談してください。

特定健診・特定保健指導の活用方法

特定健康診査(特定健診)は、40~74歳の医療保険加入者を対象とした、メタボリックシンドロームに着目する健診です。

腹囲、BMI、血圧、血糖、脂質、喫煙状況などを確認し、結果に応じて特定保健指導の案内が届く場合があります。

診断基準と選定基準は異なる

メタボリックシンドロームの診断基準と、特定保健指導の対象者を選ぶ基準は同じではありません。

特定保健指導の対象になるかどうかは、腹囲やBMI、血糖・脂質・血圧の追加リスク、喫煙状況、服薬状況などから医療保険者が判定します。

そのため、メタボリックシンドロームと診断されていなくても、特定保健指導の対象になる場合があります。反対に、医療機関で治療中の項目がある場合などは、保健指導ではなく医療機関での管理が優先されることがあります。

案内が届いた場合

特定保健指導では、保健師や管理栄養士などが健診結果と生活状況を確認します。そのうえで、取り組む行動と評価方法を本人と設定します。

案内が届いた場合は、加入している健康保険組合、全国健康保険協会、国民健康保険などへ、申込方法や費用を確認してください。

健診票に「要受診」「要精密検査」と記載されている場合は、特定保健指導の利用だけで済ませず、医療機関を受診します。

参考:厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」

医療機関を受診したい場合

メタボリックシンドロームに特徴的な自覚症状がなくても、健診結果によっては医療機関での検査や治療が必要です。

次に該当する場合は、健診結果とお薬手帳を持参し、内科へ相談してください。

  • 健診票に「要受診」「要精密検査」「要治療」と記載されている
  • 血圧・血糖・脂質の複数項目で異常を指摘された
  • 前回より検査値が悪化している
  • 高血圧、糖尿病、脂質異常症の治療を中断している
  • 食事や身体活動を見直しても検査値が改善しない
  • 強いいびきや睡眠中の無呼吸を指摘された
  • 日中の強い眠気が続いている
  • 体重や腹囲が短期間で大きく増えた
  • 服用中の薬を変更した後に体重や検査値が変化した

健診結果の判定区分には、再検査、精密検査、治療など、それぞれ異なる意味があります。「メタボ予備群」という表示だけで判断せず、各検査項目に記載された指示を確認してください。

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの治療中に検査値が改善しても、薬を自己判断で減らしたり中止したりしないでください。

救急受診を検討すべき症状

次のような症状が突然現れた場合は、通常の外来受診を待たず、救急車を要請するなど速やかに対応してください。

  • 胸の痛みや圧迫感
  • 突然の強い呼吸困難
  • 片側の手足の麻痺・脱力
  • 顔の片側が動かしにくい
  • ろれつが回らない
  • 言葉が出にくい、話を理解しにくい
  • 突然の意識状態の変化
  • 突然の激しい頭痛

片側の麻痺や言葉の障害、意識障害などは、脳卒中でみられる症状です。短時間で症状が消えた場合も、一過性脳虚血発作などの可能性があるため、様子を見ず医療機関へ相談してください。

参考:国立循環器病研究センター「脳卒中」

薬物療法の位置づけ

メタボリックシンドロームだけを対象とする薬を一律に使用するわけではありません。

薬物療法が必要な場合は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満症など、個別の状態に応じた治療を行います。

治療を始めるかどうかは、次の情報をもとに医師が判断します。

  • 血圧、血糖、脂質の検査値
  • 心筋梗塞や脳卒中などの既往
  • 腎臓病などの持病
  • 喫煙状況
  • 年齢や家族歴
  • 現在の治療内容
  • 食事や身体活動の状況

検査値や動脈硬化性疾患のリスクによっては、生活習慣の見直しと同時に薬物療法を始める場合があります。

薬を使用している間も、食事、身体活動、睡眠、飲酒、禁煙などの確認を続けます。治療内容を変更するときは、定期検査の結果や副作用の有無を踏まえて主治医と相談してください。

よくある質問

Q. メタボと指摘されたら何から始めますか?

健診票の「要受診」「要精密検査」「特定保健指導」などの指示を確認します。そのうえで、食事、間食、飲料、飲酒、体重、身体活動を数日間記録し、見直す項目を決めてください。

Q. 食事と運動はどちらを優先しますか?

どちらか一方に絞るのではなく、現在の生活で改善が必要な項目から取り組みます。砂糖入り飲料や間食が多い場合は食事、座っている時間が長い場合は身体活動から見直すなど、実行しやすい行動を設定します。

Q. メタボには薬を使いますか?

必要に応じて、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満症など、それぞれの状態に対する薬を使用します。薬の必要性は、検査値だけでなく、持病や動脈硬化性疾患のリスクを含めて医師が判断します。

Q. お酒はやめる必要がありますか?

健診結果、持病、服用中の薬によっては、減酒または禁酒が必要です。飲酒している場合は、酒類の種類だけでなく純アルコール量と頻度を記録し、医師へ確認してください。

Q. 特定保健指導は利用したほうがよいですか?

案内が届いた場合は、利用方法を加入している医療保険者へ確認してください。特定保健指導では、保健師や管理栄養士などと、生活状況に合った行動目標や評価方法を設定します。健診票に受診指示がある場合は、医療機関の受診も必要です。

まとめ

メタボリックシンドロームは、腹囲の基準に加えて、血圧・血糖・脂質の3項目のうち2項目以上に該当する場合に診断されます。

改善に向けては、健診票の指示を確認したうえで、食事、身体活動、睡眠、飲酒、喫煙のうち、現在の生活で見直す必要がある項目を選びます。

「要受診」「要精密検査」と記載されている場合や、複数の検査項目に異常がある場合は、生活習慣の変更だけで様子を見ず、健診結果を持参して内科へ相談してください。

記事に関する注意事項

本記事は、メタボリックシンドロームに関する一般的な情報を紹介するものであり、個別の診断や治療の代わりとなるものではありません。

診断基準と個人の治療目標、特定保健指導の対象者を選ぶ基準は異なります。必要な食事量や運動量は、検査結果、年齢、体力、持病、服用中の薬などによって変わります。

治療中の人は、食事や運動の内容を大きく変更したり、処方された薬を中止・変更したりする前に主治医へ相談してください。生活習慣の見直しによる変化には個人差があります。

ベストチョイス編集部
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