疲れと発熱が続くときに考えられる原因|受診の目安と何科かを解説

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疲れと発熱は、かぜやインフルエンザなどの感染症でみられることがあります。一方で、炎症・免疫疾患、薬剤による反応などが原因になる場合もあるため、症状だけで原因を判断することはできません。

まず、呼吸状態、意識、水分を取れているか、尿が出ているか、ほかにどのような症状があるかを確認してください。息苦しさや胸の痛み、意識状態の変化、けいれんなどがある場合は、体温の高さにかかわらず速やかな対応が必要です。

本記事は、主に成人の発熱と倦怠感を扱います。小児では体温の評価、使用できる薬、受診の目安が成人と異なるため、小児科または小児救急の相談先を利用してください。

この記事でわかること
  • 疲れと発熱があるときに最初に確認すること
  • 発熱と倦怠感が同時に現れる仕組み
  • 感染症以外を含む主な原因
  • 自宅での過ごし方と解熱鎮痛薬の注意点
  • 通常受診・救急対応の目安と受診先

疲れと発熱があるとき最初に確認すること

倦怠感とは、体が重い、だるい、普段どおりに活動しにくいと感じる状態です。発熱と倦怠感がある場合は、体温の数字だけでなく、全身の状態を確認します。

現在の状態 行動の目安
症状が軽く、水分を取れている 外出や無理な活動を控え、体温と症状の変化を記録する
発熱や強い倦怠感が改善せず続いている 内科またはかかりつけ医へ相談する
一度改善した後に再び悪化した 医療機関へ相談する
強い咳、喉の痛み、排尿時痛、発疹などがある 症状に応じた診療科へ相談する
妊娠中、高齢、基礎疾患がある、免疫を抑える治療中である 症状が軽くても、主治医やかかりつけ医へ早めに連絡する
息苦しい、胸が痛い、意識状態が普段と異なる、けいれんがある 救急車の要請を含め、速やかに対応する
小児に発熱がある 小児科または小児救急の相談先を利用する

急な呼吸困難、胸部の強い痛み、意識障害、けいれん、突然の激しい頭痛などは、体温の高さにかかわらず緊急度の高い症状です。

参考:厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」

疲れと発熱が同時に起こる仕組み

感染や炎症が起こると、体温調節に関わる反応によって体温が上昇することがあります。同時に、倦怠感、悪寒、食欲低下、筋肉痛、関節痛などが現れる場合があります。

体温は脳の視床下部にある体温調節中枢によって調整されています。感染や炎症に伴う反応によって体温の設定が変化すると、体は熱を産生・保持しようとするため、寒気やふるえを感じることがあります。

倦怠感には、炎症反応だけでなく、睡眠の乱れ、食事や水分摂取の低下、脱水、持病など複数の要素が関係します。「体がエネルギーを大量に使っているから疲れる」と一つの理由だけで説明することはできません。

体温は、測定する場所や時間帯、運動・入浴の直後などによって変動します。「37.5度以上」「37度台だから微熱」といった数字だけで判断せず、普段の体温との差、症状の経過、呼吸、意識、水分摂取などを合わせて確認してください。

発熱と高体温は仕組みが異なる

暑い場所で過ごした後や激しい運動後に体温が上がっている場合は、感染や炎症による発熱ではなく、体内に熱がこもる高体温の可能性があります。

暑い環境、運動、発汗の状態、意識の変化などを確認し、熱中症が疑われる場合は涼しい場所へ移動します。自力で水分を取れない、反応が悪いなどの状態では、救急車の要請を含めた対応が必要です。

参考:環境省「熱中症予防情報サイト」

疲れと発熱で考えられる主な原因

急な発熱では感染症が重要な原因の一つですが、炎症・免疫疾患、薬剤による反応、悪性疾患などでも発熱が現れることがあります。症状や体温だけで原因を区別することはできません。

疲れと発熱で考えられる主な原因を分類した図

次の表は、原因を自己判断するためのものではありません。受診時に伝える情報を整理する目的で確認してください。

原因の分類 主な例 受診時に伝えたい情報
感染症 呼吸器感染症、尿路感染症、皮膚感染症など 咳、喉や鼻の症状、排尿時痛、腹痛、皮膚の傷や腫れ
炎症・免疫疾患 膠原病、血管炎など 発疹、関節痛、口内炎、発熱の経過
薬剤による反応 新しく開始・変更した薬に伴う反応 薬の名称、開始日、変更日、発疹、口や目などの粘膜症状
悪性疾患・血液疾患など 悪性腫瘍、血液疾患など 体重減少、多量の寝汗、リンパ節の腫れ、症状の経過
高体温 熱中症など 暑い環境、運動、発汗、水分摂取、意識状態

感染症では、発熱や倦怠感に加えて、咳、喉の痛み、鼻症状、排尿時痛、皮膚症状などが現れることがあります。ただし、症状の組み合わせだけでウイルス感染か細菌感染かを判断することはできません。

睡眠不足、過労、強いストレスは、倦怠感を強める背景になる場合があります。一方、実際の体温上昇が続いているときに「疲れのせい」と判断すると、別の原因を見落とす可能性があります。体温と症状の経過を記録し、改善しない場合は医療機関へ相談してください。

参考:社会福祉法人恩賜財団済生会「発熱」

自宅での過ごし方

発熱と倦怠感があっても、意識が明瞭で呼吸が安定し、水分を取れている場合は、無理な活動を控えながら症状の経過を確認します。

自宅では、次の項目を優先してください。

  • 外出、仕事、運動などの無理な活動を控える
  • 飲める場合は、水などを少量ずつ取る
  • 室温と衣服を、寒すぎず暑すぎない状態に調整する
  • 厚着によって無理に汗を出そうとしない
  • 体温、症状、水分摂取、尿の回数を記録する
  • 咳や鼻症状がある場合は、手洗いや換気などの感染対策を行う

食欲がないときは、無理に通常量を食べる必要はありません。食べられる場合は、本人が取りやすいものを少量ずつ選びます。

嘔吐や下痢が続く場合は、水分だけでなく電解質が失われることがあります。ただし、心臓病や腎臓病などで水分・塩分を制限されている人は、一般的な水分補給の方法を自己判断で行わず、主治医へ確認してください。

次の状態では、自宅での水分摂取だけで対応せず、医療機関へ相談します。

  • 飲んでもすぐに吐いてしまう
  • 水分をほとんど取れない
  • 口の中が強く乾いている
  • 尿の回数や量が著しく減っている
  • 立ち上がると強くふらつく
  • ぐったりして普段どおりに動けない

自宅での休養や水分摂取は、原因を診断・治療するものではありません。全身状態が悪化している場合は、体温が下がるかどうかを待たず受診してください。

参考:厚生労働省「急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」

解熱鎮痛薬を使用するときの注意

解熱鎮痛薬は、発熱に伴う頭痛、筋肉痛、関節痛などのつらさを和らげる目的で使用することがあります。体温を一時的に下げることはありますが、発熱の原因そのものを治療する薬ではありません。

市販薬を使用する場合は、箱や添付文書で次の項目を確認してください。

  • 有効成分
  • 対象年齢
  • 1回量と服用間隔
  • 1日に使用できる回数
  • 服用してはいけない人
  • 医師・薬剤師への事前相談が必要な条件

総合感冒薬、頭痛薬、解熱鎮痛薬などには、同じ解熱鎮痛成分が含まれている場合があります。商品名が異なっていても成分が重複することがあるため、複数の薬を併用する前に成分欄を確認してください。

次に該当する場合は、使用前に医師、薬剤師または登録販売者へ相談します。

  • 妊娠中または妊娠している可能性がある
  • 授乳中である
  • 高齢である
  • 医療機関で治療を受けている
  • 肝臓病、腎臓病、心臓病、胃・十二指腸潰瘍などがある
  • ぜんそくや薬によるアレルギー症状を起こしたことがある
  • ほかのかぜ薬、鎮痛薬、アレルギー薬などを使用している

薬を使用した後に、発疹、呼吸のしにくさ、顔や喉の腫れ、強い腹痛などが現れた場合は、使用を中止して医療機関へ相談してください。意識状態の変化や強い呼吸困難がある場合は、救急車の要請を検討します。

解熱鎮痛薬によって熱が下がっても、症状が改善したとは限りません。呼吸状態、水分摂取、意識、症状の悪化などを引き続き確認してください。

参考:医薬品医療機器総合機構「かぜ薬等の添付文書等に記載する使用上の注意について」

医療機関へ相談したい状態

体温や経過日数だけで受診の必要性を判断することはできません。発熱や倦怠感の経過、ほかの症状、持病などを合わせて判断します。

発熱時に医療機関へ相談したい症状のチェックリスト

次に該当する場合は、内科やかかりつけ医などへ相談してください。

  • 発熱や強い倦怠感が改善せず続いている
  • 一度改善した後に、発熱や症状が再び悪化した
  • 咳や息切れが強くなっている
  • 喉の強い痛みで飲食が難しい
  • 排尿時痛、頻尿、腰・背中の痛みがある
  • 発疹、皮膚の強い赤み、腫れ、膿がある
  • 腹痛や下痢、嘔吐が続いている
  • 水分摂取が減り、尿量も少なくなっている
  • 解熱鎮痛薬を繰り返し必要とする
  • 新しい薬の開始・変更後に発熱や発疹が現れた

高齢者、妊娠中の人、糖尿病・心臓病・呼吸器疾患・腎臓病などの基礎疾患がある人、免疫を抑える薬や抗がん剤を使用している人は、症状が軽く見えても主治医やかかりつけ医へ早めに連絡してください。

発熱がある人の受付方法や診療場所は、医療機関によって異なります。緊急性がない場合は、受診前に医療機関の公式サイトまたは電話で受付方法を確認します。

速やかな対応が必要な症状

次の症状がある場合は、通常の診療時間まで待たず、救急車の要請を含めて速やかに対応してください。

  • 急な息切れや強い呼吸困難がある
  • 胸の強い痛みや圧迫感がある
  • 呼びかけへの反応が悪い
  • 意識状態が普段と異なる
  • けいれんがある
  • 突然の激しい頭痛がある
  • 激しい頭痛と首のこわばりがある
  • 水分を取れず、ぐったりしている
  • 立っていられないほどのふらつきがある
  • 顔や唇の色が明らかに悪い

救急車を呼ぶか迷う場合は、地域の救急相談窓口を利用できることがあります。ただし、呼吸困難、意識障害、けいれんなどがある場合は、相談窓口への連絡で対応を遅らせず、119番へ連絡してください。

参考:厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」

症状別の受診先

原因が分からない発熱や全身の倦怠感は、内科またはかかりつけ医が主な相談先です。喉、排尿、皮膚など特定の症状が強い場合は、症状に対応する診療科を選びます。

主な症状・状態 受診先の例
原因が分からない発熱、全身の倦怠感 内科・かかりつけ医
強い喉の痛み、鼻・耳の症状 耳鼻咽喉科
排尿時痛、頻尿、腰・背中の痛み 内科または泌尿器科
発疹、皮膚の腫れ・赤み・化膿 皮膚科または内科
妊娠中の発熱 かかりつけの産婦人科または内科
小児の発熱 小児科

診療科を判断できない場合は、内科またはかかりつけ医へ相談してください。診察の結果に応じて、別の専門科へ紹介される場合があります。

発熱がある人の受付方法や診療場所は、医療機関ごとに異なります。緊急症状がない場合は、受診前に公式サイトや電話で受付方法を確認してください。

受診前に記録しておきたいこと

体温だけでなく、症状の経過や水分摂取、服用中の薬などを伝えると、診察時の判断材料になります。

  • 発熱や倦怠感に気付いた日時
  • 体温と測定時刻
  • 症状が改善しているか、悪化しているか
  • 咳、喉、鼻、耳の症状
  • 腹痛、下痢、嘔吐の有無
  • 排尿時痛、尿の回数、腰・背中の痛み
  • 発疹、皮膚の赤み・腫れ
  • 水分と食事を取れているか
  • 尿の回数や量
  • 新しく開始・変更した薬
  • 持病と服用中の薬
  • 周囲に同様の症状がある人
  • 暑い環境での活動や激しい運動の有無

体温は可能な範囲で同じ測定方法を使い、測定した時刻とともに記録します。解熱鎮痛薬を使用した場合は、商品名、服用時刻、服用後の変化も伝えてください。

よくある質問

Q. 疲れと発熱はストレスや過労が原因ですか?

睡眠不足や過労、ストレスは倦怠感を強めることがあります。ただし、体温上昇が続く場合は疲労だけと判断せず、感染症や薬剤による反応などを含めて原因を確認してください。

Q. 何度から発熱として受診しますか?

受診の必要性を体温だけで決めることはできません。呼吸状態、意識、水分摂取、尿量、症状の悪化、持病などを合わせて判断します。

Q. 発熱時に解熱鎮痛薬を使えますか?

発熱に伴う頭痛や筋肉痛などを和らげる目的で使用する場合があります。成分、対象年齢、用法・用量を確認し、かぜ薬や別の解熱鎮痛薬との成分重複を避けてください。

Q. 熱が下がった後もだるさが続く場合は受診しますか?

発熱後に倦怠感が残ることはありますが、日常生活に支障がある、一度改善して再び悪化した、ほかの症状が現れた場合は医療機関へ相談してください。

Q. 疲れと発熱は何科へ相談しますか?

原因が分からない発熱と全身の倦怠感は、内科またはかかりつけ医へ相談します。喉、排尿、皮膚など特定の症状が強い場合は、それぞれ耳鼻咽喉科、泌尿器科、皮膚科などが受診先の例です。

まとめ

疲れと発熱には、感染症のほか、炎症・免疫疾患、薬剤による反応、高体温など複数の原因があります。症状や体温だけで原因を自己判断することはできません。

自宅では、呼吸状態、意識、水分摂取、尿量を確認し、無理な活動を控えます。市販の解熱鎮痛薬を使用する場合は、成分の重複や持病・服用中の薬との関係を確認してください。

息苦しさ、胸の強い痛み、意識状態の変化、けいれんなどがある場合は、体温の高さにかかわらず速やかな対応が必要です。症状が改善せず続く場合や、一度改善した後に再び悪化した場合は、内科またはかかりつけ医へ相談してください。

記事に関する注意事項

本記事は、主に成人の発熱と倦怠感に関する一般的な情報を紹介するものであり、個別の診断や治療の代わりとなるものではありません。

小児では、体温の評価、使用できる薬、受診の目安が成人と異なります。小児に発熱がある場合は、小児科または小児救急の相談先を利用してください。

高齢者、妊娠中の人、基礎疾患がある人、免疫を抑える治療中の人は、重症化する可能性を考慮し、症状がある場合は主治医やかかりつけ医へ早めに連絡してください。

処方薬を自己判断で中止・変更しないでください。水分や塩分を制限されている人、市販薬を使用する人は、主治医または薬剤師へ確認してください。

ベストチョイス編集部
ベストチョイス編集部

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