血糖値の正常値は?空腹時・食後・HbA1cの目安を解説
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健康診断の結果を見て、「血糖値が正常なのか」「糖尿病の可能性があるのか」と気になる方もいるでしょう。
血糖値の判定基準は、測定したタイミングや検査方法によって異なります。空腹時血糖、食事時間を問わず測る随時血糖、75g経口ブドウ糖負荷試験、HbA1cは、それぞれ確認している内容が異なるためです。
また、健康診断で保健指導の対象を決める数値と、糖尿病を診断するための数値は同じではありません。健診結果を見るときは、検査名、測定条件、判定欄を併せて確認することが大切です。
本記事では、血糖値の主な基準、空腹時と食後の違い、HbA1cとの関係、基準を外れた場合の考え方を解説します。
- この記事でわかること
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- 空腹時血糖、75g経口ブドウ糖負荷試験、随時血糖の基準
- 健診の保健指導判定値と糖尿病の診断基準の違い
- 血糖値とHbA1cの違い
- 血糖値が高い場合と低い場合の注意点
- 再検査や受診を検討すべき目安
血糖値の正常値・基準を一覧で確認
糖尿病の判定では、主に次の基準が用いられます。
| 検査項目 | 糖尿病型の基準 | 確認するときの注意点 |
|---|---|---|
| 空腹時血糖 | 126mg/dL以上 | 原則として決められた時間、食事を取らずに測定する |
| 75g OGTTの2時間値 | 200mg/dL以上 | 一般的な食事後ではなく、75gのブドウ糖を摂取して行う検査 |
| 随時血糖 | 200mg/dL以上 | 食事時間を定めずに測る血糖値 |
| HbA1c | 6.5%以上 | 過去1~2か月程度の血糖状態を反映する指標 |
上記のいずれかに当てはまる検査結果は「糖尿病型」と呼ばれます。ただし、糖尿病型の数値が出たことと、糖尿病と診断されることは同じではありません。
診断は、血糖値とHbA1cの組み合わせ、典型的な症状、糖尿病網膜症の有無、必要に応じた再検査などをもとに医師が行います。同じ採血で血糖値とHbA1cがともに糖尿病型であった場合など、検査結果の組み合わせによっては1回の検査で診断されることもあります。
健診の基準と糖尿病の診断基準は異なる
特定健診では、将来の生活習慣病のリスクを確認し、保健指導につなげるため、糖尿病の診断基準より低い数値が判定に用いられています。
主な保健指導判定値は次のとおりです。
| 検査項目 | 特定健診における保健指導判定値 |
|---|---|
| 空腹時血糖 | 100mg/dL以上 |
| HbA1c | 5.6%以上 |
| 条件を満たす随時血糖 | 100mg/dL以上 |
空腹時血糖が100mg/dL以上だったからといって、糖尿病と診断されるわけではありません。特定健診の数値は、生活習慣の確認や保健指導の必要性を判断するための目安です。
特定健診では、絶食10時間以上で測った値を空腹時血糖として扱います。絶食時間や飲食に関する指示は検査によって異なるため、受診する健診機関や医療機関の案内に従ってください。
血糖値とは
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度です。
ブドウ糖は、食事に含まれる炭水化物などから作られ、身体を動かすためのエネルギーとして使われます。食事を取ると血糖値は上がり、膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンなどの働きによって調整されます。
インスリンの分泌量が不足したり、働きが低下したりすると、血液中のブドウ糖が増えた状態が続くことがあります。これが慢性的になった状態が糖尿病です。
血糖値は一定ではなく、次のような要因によって変動します。
- 食事の内容、量、時間
- 運動の種類や時間
- 睡眠不足
- 心身のストレス
- 発熱や感染症などの体調変化
- 使用している薬
- 測定のタイミング
そのため、検査結果は数値だけでなく、空腹時か随時か、直前に食事や運動をしていないかなど、測定条件と併せて確認します。
空腹時血糖の見方
空腹時血糖は、食事の影響を受けにくい状態で測る血糖値です。
日本糖尿病学会による空腹時血糖の区分は、次のように整理できます。
| 空腹時血糖 | 基準上の考え方 |
|---|---|
| 100mg/dL未満 | 正常域 |
| 100~109mg/dL | 正常域内の「正常高値」 |
| 110~125mg/dL | 境界型に該当する可能性がある範囲 |
| 126mg/dL以上 | 糖尿病型 |
「正常型」「境界型」「糖尿病型」の正式な判定には、空腹時血糖だけでなく、75g OGTTの2時間値を組み合わせます。
空腹時血糖100~109mg/dLは正常域に含まれますが、将来糖尿病を発症するリスクや、75g OGTTで耐糖能異常が見つかる可能性を考慮して「正常高値」と区別されています。
110~125mg/dLの場合は、糖尿病の疑いを否定できない範囲として、75g OGTTなどによる確認が検討されます。
食後血糖の正常値は?75g OGTTとの違い
食事を取ると、血糖値は一時的に上昇します。ただし、食事の内容や量は毎回異なるため、普段の食事から2時間後に測った血糖値と、75g経口ブドウ糖負荷試験(75g OGTT)の結果は同じ基準では評価できません。
75g OGTTは、決められた条件で75gのブドウ糖を摂取し、一定時間後の血糖値を調べる検査です。糖尿病の診断基準として示される140mg/dLや200mg/dLという数値は、主にこの検査の2時間値に用いられます。
| 75g OGTTの2時間値 | 判定区分 |
|---|---|
| 140mg/dL未満 | 正常型の条件 |
| 140~199mg/dL | 境界型 |
| 200mg/dL以上 | 糖尿病型 |
正常型と判定するには、75g OGTTの2時間値が140mg/dL未満であることに加え、空腹時血糖が110mg/dL未満であることが必要です。どちらか一方だけでは判定できません。
家庭用血糖測定器で一般的な食事後の血糖値を測った場合に、この表をそのまま当てはめることはできません。測定値が気になる場合は、食事内容、測定時刻、使用した機器を記録し、医師に相談してください。
随時血糖とHbA1cの見方
随時血糖は、食事からの経過時間を定めずに測る血糖値です。受診時や体調不良時にも測定できますが、直前の食事や運動の影響を受けるため、測定条件と併せて確認します。
随時血糖200mg/dL以上は糖尿病型の基準です。ただし、随時血糖だけで診断が決まるとは限りません。HbA1cや症状、必要に応じた再検査の結果をもとに判断されます。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結合している割合を示す指標です。直前の食事による影響を受けにくく、過去1~2か月程度の血糖状態を確認するために用いられます。
| 検査項目 | 主に確認する内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 空腹時血糖 | 空腹時点の血糖値 | 食事を取らない状態で測定する |
| 随時血糖 | 測定時点の血糖値 | 食事時間を定めずに測定する |
| 75g OGTT | ブドウ糖を摂取した後の血糖変化 | 決められた条件で耐糖能を確認する |
| HbA1c | 過去1~2か月程度の血糖状態 | 直前の食事の影響を受けにくい |
HbA1c 6.5%以上は糖尿病型の基準です。ただし、貧血、腎機能の低下、出血、輸血、赤血球の寿命に影響する病気などがあると、実際の血糖状態と一致しない場合があります。
血糖値とHbA1cの結果に大きな差がある場合は、持病や治療歴を含めて医師が評価します。
血糖値が高かった場合の考え方
血糖値が基準を上回っていた場合は、最初に検査の種類と測定条件を確認します。
空腹時血糖、随時血糖、75g OGTTでは判定基準が異なります。また、健診の保健指導判定値と糖尿病型の基準も目的が異なるため、数値だけを見て自己判断しないことが大切です。
健診結果は、次の順番で確認しましょう。
- 検査名を確認する
- 空腹時か随時かを確認する
- 血糖値とHbA1cを確認する
- 「要再検査」「要精査」などの判定欄を見る
- 過去の健診結果と比較する
- 健診機関からの案内に従う
糖尿病型の基準に当てはまる場合や、要再検査・要精査と判定された場合は、内科または糖尿病・代謝内科に相談してください。
健診結果が保健指導の対象であっても、直ちに糖尿病と診断されるわけではありません。一方、基準範囲内であっても、数値が年々上昇している場合は、過去の結果を持参して医師に相談すると経過を評価しやすくなります。
高血糖でみられることがある症状
血糖値が高い状態が続くと、次のような症状が現れることがあります。
- のどが強く渇く
- 水分を多く取る
- 尿の量や回数が増える
- 疲れやすい
- 体重が減る
- 目がかすむ
- 傷が治りにくい
糖尿病の初期には自覚症状がない場合もあります。症状の有無だけで判断せず、健診結果に再検査や受診の指示がある場合は、その案内に従ってください。
血糖値が低かった場合の考え方
血糖値が低い場合は、食事を取っていない時間、運動、飲酒、体調、使用している薬などが影響している可能性があります。
一般に、血糖値が70mg/dL未満の場合は低血糖として対応が必要になります。特に、インスリンや血糖降下薬を使用している人は注意してください。
低血糖では、次のような症状が現れることがあります。
- 強い空腹感
- 冷や汗
- 動悸
- 手や指の震え
- 顔色が悪くなる
- 集中しにくい
- 頭痛
- 眠気
- 意識がもうろうとする
糖尿病治療中の人は、主治医から指示された低血糖時の対応を優先してください。意識が低下している人に、無理に飲食物を口から与えてはいけません。反応が鈍い、けいれんしている、意識がない場合は、周囲の人が救急要請を行ってください。
糖尿病の治療を受けていない人でも、低い数値や低血糖を疑う症状を繰り返す場合は、内科に相談しましょう。
血糖値が変動する主な要因
血糖値は、病気の有無だけでなく、その日の食事や活動、体調によっても変化します。
食事
食事を取ると血糖値は上昇します。上がり方は、炭水化物の量、食事全体の内容、食べる速さなどによって異なります。
検査前の絶食が必要な場合は、自己判断せず、健診機関や医療機関から示された飲食の条件に従ってください。
運動
運動によって筋肉がブドウ糖を利用するため、血糖値が変化します。運動の種類、強度、時間によっては、運動中だけでなく終了後にも影響が続くことがあります。
糖尿病治療薬を使用している人は、運動により低血糖が起こる場合があるため、運動方法について主治医に確認してください。
睡眠・ストレス・体調
睡眠不足、強いストレス、発熱、感染症などにより、血糖値が上昇することがあります。体調不良時には、普段と異なる結果が出る場合があります。
薬
糖尿病治療薬のほか、ステロイド薬など血糖値に影響する薬があります。服用中の薬がある場合は、健診結果を相談するときに医師へ伝えてください。
健診結果を確認するときの注意点
健康診断の検査値を確認するときは、判定欄だけでなく、検査条件や過去の推移も確認します。
次の情報を整理しておくと、受診時に状態を伝えやすくなります。
- 健診を受けた日
- 最後に食事を取った時刻
- 空腹時血糖か随時血糖か
- 血糖値とHbA1c
- 過去数年分の検査結果
- 体重の変化
- 現在の症状
- 使用している薬やサプリメント
- 糖尿病の家族歴
家庭用血糖測定器を使用する場合は、機器の操作方法や測定条件によって結果が変わることがあります。医療機関の検査値と完全に同じとは限らないため、診断の代わりにはなりません。
測定する場合は、時刻、食事内容、運動、体調なども記録しておくと、医師が結果を評価する際の参考になります。
受診を検討すべき目安

次のような場合は、内科または糖尿病・代謝内科への相談を検討してください。
- 健診で「要再検査」「要精査」「受診勧奨」と判定された
- 空腹時血糖126mg/dL以上だった
- 随時血糖200mg/dL以上だった
- 75g OGTTの2時間値が200mg/dL以上だった
- HbA1cが6.5%以上だった
- 検査値が前年より上昇している
- 高めの状態が複数回続いている
- 低い血糖値や低血糖症状を繰り返す
- 強い口渇、頻尿、体重減少などがある
強い脱水、繰り返す嘔吐、呼吸が苦しい、意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が悪いといった症状がある場合は、通常の外来受診を待たず、速やかに救急医療へ相談してください。
検査値に不安がある場合は、健診結果を持参すると診察が進めやすくなります。
日常生活で確認したいこと
血糖値が高めだった場合も、自己判断で食事を極端に減らしたり、急に激しい運動を始めたりすることは避けましょう。
生活習慣の見直しは、検査結果、年齢、体格、持病、使用している薬などを踏まえて行う必要があります。すでに糖尿病の治療を受けている人は、主治医の指示を優先してください。
食事の量と内容を整える
血糖値が気になる場合も、特定の食品を完全に避けるのではなく、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を基本とします。
次のような点を確認しましょう。
- 食事を抜いた後にまとめて食べていないか
- 清涼飲料水や砂糖を多く含む飲み物を頻繁に取っていないか
- 菓子類や間食の量が増えていないか
- 早食いや食べ過ぎが続いていないか
- 野菜、きのこ、海藻などを取り入れているか
極端な糖質制限や長時間の絶食は、体調不良や低血糖につながる場合があります。特に糖尿病治療薬を使用している人は、食事量を大きく変える前に主治医へ相談してください。
無理のない範囲で身体を動かす
ウォーキングなどの有酸素運動や筋力トレーニングは、健康管理の一環として取り入れられます。
ただし、運動の種類や強度は、合併症、心臓や腎臓の状態、膝や腰の痛みなどによって調整が必要です。体調が悪い日や、血糖値が著しく高い、または低い場合は、自己判断で運動を行わないでください。
糖尿病治療薬を使用している人は、運動中や運動後に低血糖が起こる可能性があります。運動を始める前に、補食の必要性や中止すべき症状について主治医に確認しましょう。
睡眠や生活リズムを振り返る
睡眠不足や不規則な生活が続くと、食事の時間や活動量も乱れやすくなります。
次の点を振り返ってみましょう。
- 就寝時間と起床時間が大きく変動していないか
- 夜遅い時間の食事が続いていないか
- 日中の活動量が減っていないか
- 強いストレスや体調不良が続いていないか
生活習慣だけで検査値の原因を判断することはできません。健診で受診を勧められた場合は、生活改善だけで様子を見続けず、医療機関に相談してください。
飲酒・喫煙について相談する
飲酒量や喫煙習慣は、血糖値だけでなく、血圧、脂質、肝機能、心血管疾患のリスクにも関係します。
飲酒量を急に変えると、使用している薬や食事量との組み合わせによって血糖値が変動することがあります。禁煙や飲酒量の調整が難しい場合は、医師や保健師などに相談しましょう。
よくある質問
Q. 血糖値の正常値はいくつですか?
検査方法によって基準が異なります。
空腹時血糖は100mg/dL未満が正常域です。ただし、100~109mg/dLは正常域内の「正常高値」とされています。
糖尿病型の基準は、空腹時血糖126mg/dL以上、75g OGTTの2時間値200mg/dL以上、随時血糖200mg/dL以上、HbA1c 6.5%以上です。健診の判定値と糖尿病の診断基準は目的が異なるため、検査名と判定欄も確認してください。
Q. 空腹時血糖が100~125mg/dLでした。糖尿病ですか?
その数値だけでは糖尿病とは診断されません。
100~109mg/dLは正常域内の「正常高値」、110~125mg/dLは境界型に該当する可能性がある範囲です。HbA1cや過去の検査結果を確認し、必要に応じて75g OGTTなどが検討されます。
健診で再検査や受診を案内された場合は、その指示に従ってください。
Q. 血糖値とHbA1cは何が違いますか?
血糖値は、採血した時点の血液中のブドウ糖濃度を示します。食事、運動、体調などの影響を受けます。
HbA1cは、過去1~2か月程度の血糖状態を確認する指標です。直前の食事の影響を受けにくい一方、貧血、出血、輸血、腎機能の状態などによって、実際の血糖状態と一致しない場合があります。
Q. 1度高い数値が出たら糖尿病と診断されますか?
検査結果の内容によって異なります。
通常は、血糖値、HbA1c、症状、再検査の結果などをもとに診断します。ただし、同じ採血で血糖値とHbA1cがともに糖尿病型だった場合や、糖尿病型の血糖値に典型的な症状などを伴う場合は、1回の検査で診断されることがあります。
Q. 食後血糖と75g経口ブドウ糖負荷試験は同じですか?
同じではありません。
一般的な食事は、炭水化物の量や食べる内容が毎回異なります。75g OGTTは、決められた条件で75gのブドウ糖を摂取して血糖値の変化を調べる検査です。
75g OGTTに用いる140mg/dLや200mg/dLという判定値を、普段の食事後に測った血糖値へそのまま当てはめることはできません。
まとめ
血糖値の基準は、空腹時、随時、75g OGTTなど、検査の種類によって異なります。HbA1cは、血糖値とは異なり、過去1~2か月程度の状態を確認する指標です。
健診結果を見るときは、数値だけで判断せず、検査名、測定条件、HbA1c、判定欄、過去の推移を確認しましょう。
健診で「要再検査」「要精査」「受診勧奨」と判定された場合や、糖尿病型の基準に該当した場合は、内科または糖尿病・代謝内科に相談してください。強い口渇、頻尿、急な体重減少、意識状態の変化などがある場合は、数値にかかわらず速やかな受診が必要です。
生活習慣を見直す際も、極端な食事制限や自己判断による薬の変更は避けましょう。治療中の人は、主治医の指示を優先してください。
記事に関する注意事項
本記事は、血糖値やHbA1cに関する一般的な情報を紹介するものであり、診断や治療の代わりとなるものではありません。
検査値の基準範囲や健診の判定方法は、検査機関、測定方法、受診者の状態などによって異なる場合があります。診断は、検査値、症状、既往歴、使用している薬などをもとに医師が行います。
血糖値が気になる場合も、自己判断で糖尿病治療薬を増減したり、食事を極端に制限したりしないでください。市販の健康食品やサプリメントを使用する場合も、治療薬との相互作用などに注意が必要です。
体調に異変がある場合や、健診で再検査・受診を案内された場合は、内科または糖尿病・代謝内科に相談してください。






