内視鏡検査は何歳から?胃・大腸を受け始める年齢の目安と受診の考え方を解説

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内視鏡検査を受ける年齢に、一律の決まりはありません。症状のない方を対象とする国のがん検診では、胃内視鏡検査を含む胃がん検診は50歳以上・2年に1回、大腸がん検診は40歳以上・1年に1回の便潜血検査が基本です。40歳になった方全員が、大腸内視鏡検査を受けるという意味ではありません。

大腸内視鏡検査は、便潜血検査で要精密検査となった場合や、血便、便通の変化、貧血などがある場合に検討されます。胃内視鏡検査についても、胃痛、飲み込みにくさ、タール状の黒い便などがある場合は、胃がん検診の対象年齢を待たずに医療機関へ相談することが大切です。

過去にポリープや胃粘膜の異常を指摘された方、ピロリ菌感染・除菌歴がある方、胃がんや大腸がんの家族歴がある方では、検査の必要性や時期が個別に検討されます。本記事では、検診の対象年齢と内視鏡検査を受ける時期の違い、年齢を問わず相談したい症状、家族歴や過去の検査結果がある場合の考え方を整理します。

この記事でわかること
  • 胃内視鏡検査を含む胃がん検診の対象年齢
  • 大腸がん検診と大腸内視鏡検査の違い
  • 年齢を問わず消化器内科へ相談したい症状
  • 家族歴・ピロリ菌・過去の検査結果がある場合の考え方

内視鏡検査は何歳から受ける?

内視鏡検査を受ける時期は、症状の有無と検査の目的によって異なります。症状がない方が受ける「がん検診」と、症状の原因を調べるための診療、検診で異常を指摘された後の精密検査を区別して考えましょう。

状況 検査・対応の目安
症状がない・胃がん検診を受ける 国の指針では50歳以上・2年に1回。胃部X線検査または胃内視鏡検査を受ける
症状がない・大腸がん検診を受ける 40歳以上・1年に1回の便潜血検査が基本
便潜血検査で要精密検査となった 大腸内視鏡検査などの精密検査について医療機関へ相談する
胃や腸の症状がある 検診年齢を待たず、消化器内科へ相談する
過去の内視鏡検査で所見があった 前回の所見や病理結果を基に、医師から示された時期に受ける

年齢だけで内視鏡検査の要否を決めることはできません。例えば、若い方でも血便や強い胃痛などがあれば検査が検討される一方、症状のない40歳の方が全員、大腸内視鏡検査を受ける必要があるとは限りません。

ベストチョイス編集部からのひとこと

「検診の対象年齢」と「内視鏡検査を受ける年齢」は同じではありません。症状がない場合は対象年齢に応じたがん検診を受け、症状や検診異常がある場合は年齢を待たずに医療機関へ相談しましょう。

胃内視鏡検査を含む胃がん検診は50歳以上が目安

症状のない方を対象とする国の胃がん検診では、50歳以上の方が2年に1回、胃部X線検査または胃内視鏡検査を受けることが推奨されています。胃内視鏡検査だけを一律に受ける制度ではなく、検診では胃部X線検査とのいずれかを選択します。

ただし、自治体によって実施している検査方法や受診手続きが異なる場合があります。対象年齢、費用、予約方法は、お住まいの自治体や加入している健康保険組合の案内を確認してください。

胃痛、胃の不快感、食欲低下、飲み込みにくさなどの症状がある場合は、次回の検診を待つのではなく医療機関へ相談してください。検診は症状のない方を対象とするものであり、症状の原因を調べる診療とは目的が異なります。

胃がん検診には胃がんによる死亡を減らす利益がある一方、偽陰性、偽陽性、過剰診断、検査に伴う偶発症などの不利益もあります。検診の対象年齢と受診間隔に沿い、説明を確認したうえで受診しましょう。

参考:国立がん研究センター がん情報サービス「胃がん検診について」

大腸がん検診は40歳以上の便潜血検査が基本

症状のない方を対象とする国の大腸がん検診では、40歳以上の方が1年に1回、便潜血検査を受けることが基本です。便潜血検査は、便に混じった目に見えない程度の血液を調べる検査です。

「40歳以上」という年齢は大腸がん検診を始める目安であり、大腸内視鏡検査を全員が受け始める年齢ではありません。便潜血検査で要精密検査となった場合は、通常、大腸内視鏡検査などによって原因を確認します。

参考:国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」

便潜血検査が1回だけ陽性だった場合

2日分の便を調べる便潜血検査では、1回だけ陽性で、もう1回が陰性となる場合があります。この場合も「1回だけだから問題ない」と自己判断せず、精密検査について医療機関へ相談してください。

便潜血検査をもう一度受けて陰性だったとしても、最初の陽性結果が取り消されるわけではありません。痔による出血と思われる場合も、ほかの原因がないか確認することが大切です。

参考:日本消化器内視鏡学会「便潜血検査で『1回だけ陽性』と言われました。大腸内視鏡検査を受けたほうがよいですか?」

一方、血便、便通の急な変化、腹痛、意図しない体重減少、貧血などがある場合は、便潜血検査の結果や年齢にかかわらず消化器内科へ相談してください。症状の原因を調べるため、医師が大腸内視鏡検査などの必要性を判断します。

年齢を問わず消化器内科へ相談したい症状

がん検診の対象年齢は、症状のない方が検診を受ける際の目安です。胃や腸の症状がある場合は、対象年齢に達するまで待つ必要はありません。まず消化器内科へ相談し、診察や検査結果を踏まえて内視鏡検査の必要性を判断してもらいましょう。

速やかな受診を検討したい症状

  • 吐血した
  • 大量の血便が出た
  • タール状の黒い便が出た
  • 強い腹痛が続いている
  • めまい、冷や汗、意識が遠のく感覚を伴う

これらの症状は、消化管からの出血など、早急な対応を要する状態で現れることがあります。症状が強い場合は通常の外来予約を待たず、救急医療機関への受診を検討してください。

近いうちに消化器内科へ相談したい症状

  • 胃痛、胸やけ、胃もたれが続く
  • 食べ物を飲み込みにくい、のどにつかえる感じが続く
  • 血便や便通の変化を繰り返す
  • 意図せず体重が減っている
  • 貧血を指摘された
  • 健康診断や便潜血検査で要精密検査となった

これらの症状があるからといって、必ず内視鏡検査が必要になるわけではありません。問診、診察、血液検査、画像検査などを踏まえ、胃内視鏡検査や大腸内視鏡検査の必要性を医師が判断します。

参考:日本消化器内視鏡学会「上部消化管内視鏡検査(食道・胃・十二指腸内視鏡)と治療」

年齢を問わず消化器内科へ相談したい症状の図

家族歴がある場合の考え方

胃がんや大腸がんの家族歴がある場合でも、家族に患者がいるという理由だけで、全員が同じ年齢から内視鏡検査を受けるわけではありません。検査の必要性や開始時期は、家族歴の内容と本人の症状、年齢、過去の検査結果などを踏まえて判断されます。

受診時には、分かる範囲で次の情報を医師へ伝えてください。

  • 誰が胃がん・大腸がんと診断されたか
  • 診断時の年齢
  • 同じ病気になった血縁者が複数いるか
  • 遺伝性腫瘍について説明を受けたことがあるか
  • 自分が過去にポリープなどを指摘されたことがあるか

特に、若い年齢でがんと診断された血縁者がいる場合や、同じ種類のがんになった血縁者が複数いる場合は、その情報を詳しく伝えることが大切です。家族歴の内容によっては、遺伝性腫瘍の可能性を含めた専門的な評価が検討されることもあります。

参考:国立がん研究センター がん情報サービス「遺伝性腫瘍」

ピロリ菌感染・除菌歴がある場合

ピロリ菌感染や除菌歴がある場合も、一律の年齢や間隔で胃内視鏡検査を受けるわけではありません。過去に萎縮性胃炎などの胃粘膜の変化を指摘されたか、除菌後の判定結果はどうだったか、これまでの胃内視鏡検査でどのような所見があったかによって対応が異なります。

受診時には、次の情報を医師へ伝えましょう。

  • ピロリ菌検査を受けたことがあるか
  • 除菌治療を受けたか
  • 除菌後の判定結果
  • 萎縮性胃炎などを指摘されたことがあるか
  • 過去の胃内視鏡検査の時期と結果

ピロリ菌を除菌しても、胃がんのリスクが直ちにゼロになるわけではありません。胃粘膜の状態などに応じて経過観察が必要になる場合があるため、次回の胃内視鏡検査の時期を医師へ確認してください。

参考:日本消化器内視鏡学会「ピロリ菌と胃内視鏡検査に関する解説」

過去にポリープや異常を指摘された場合

過去の内視鏡検査でポリープや粘膜の異常を指摘された場合は、一般的な検診年齢ではなく、前回の検査結果を基に次回の検査時期が決まります。

大腸ポリープが見つかった場合は、ポリープの数、大きさ、形、切除できたかどうか、病理検査の結果などが次回の検査時期を判断する材料になります。胃内視鏡検査でも、胃粘膜の状態、病変の有無、生検結果、ピロリ菌感染・除菌歴などによって対応が異なります。

「異常がなければ数年ごと」「ポリープがあれば毎年」などと一律に決めることはできません。検査後の説明で示された次回時期を確認し、結果報告書を保管しておきましょう。

参考:日本消化器内視鏡学会「大腸内視鏡検査を受ける間隔に関する解説」

次回の内視鏡検査はいつ受ける?

次回の検査時期は、年齢だけでなく、検査を受けた目的と前回の結果によって異なります。

検査を受けた状況 次回時期の考え方
自治体などの胃がん検診 対象年齢と検診間隔に沿って受ける。国の指針では50歳以上・2年に1回
大腸がん検診 40歳以上は1年に1回の便潜血検査が基本
症状を調べるための検査 診断結果や治療経過、新たな症状の有無によって判断される
ポリープを切除した ポリープの数・大きさ・病理結果などを基に医師が時期を示す
胃粘膜の異常を指摘された 胃粘膜の状態、ピロリ菌感染・除菌歴、生検結果などを踏まえて判断される

検査を受けた医療機関から次回時期を示された場合は、その内容を記録しておきましょう。転居や医療機関の変更があった場合に備え、内視鏡画像、病理検査結果、ポリープ切除の記録などを保管しておくと、次の医師へ情報を伝えやすくなります。

内視鏡検査の利益と負担

内視鏡検査は、胃や大腸の粘膜を直接観察し、必要に応じて組織の採取やポリープ切除などを行える検査です。一方で、食事制限や下剤などの前処置、検査中の違和感といった負担があります。

また、まれに出血、消化管穿孔、鎮静薬による呼吸抑制や血圧低下などが起こる可能性があります。検診や任意検査として内視鏡検査を希望する場合も、期待できる利益と負担について説明を受けたうえで検討してください。

抗凝固薬や抗血小板薬など、血液を固まりにくくする薬を服用している場合は、予約時に医師へ伝えてください。出血を心配して自己判断で服薬を中止せず、処方医と検査担当医の指示に従いましょう。

参考:日本消化器内視鏡学会「ガイドライン・提言」

内視鏡検査は何科?受診先の選び方

胃や腸の症状がある場合は、消化器内科が主な相談先です。消化器内科では、症状や過去の検査結果、服用薬などを確認し、胃内視鏡検査や大腸内視鏡検査が必要かどうかを判断します。

受診先に迷う場合や、持病を含めて相談したい場合は、かかりつけの内科へ相談してください。診察の結果、必要に応じて内視鏡検査に対応する医療機関や専門科を紹介してもらえる場合があります。

受診先 主な対応 相談の目安
消化器内科 胃・腸の症状の診察、内視鏡検査の必要性の判断、検査・治療 胃痛、胸やけ、血便、便通の変化、便潜血検査の異常などがある
かかりつけの内科 全身状態や持病を確認し、必要に応じて専門科へ紹介 受診先に迷う、複数の持病や服用薬がある
自治体・健診機関 対象年齢に応じたがん検診の案内・実施 症状がなく、胃がん検診や大腸がん検診を受けたい
遺伝相談外来など 遺伝性腫瘍の可能性に関する専門的な評価や相談 若い年齢で診断された家族がいる、同じがんの家族歴が複数ある

受診時には、症状が始まった時期、便の色や排便回数の変化、体重の変化、過去の内視鏡検査結果、家族歴、ピロリ菌感染・除菌歴などを伝えましょう。

服用している薬がある場合は、お薬手帳や薬の一覧を持参してください。特に抗凝固薬・抗血小板薬、糖尿病薬、インスリンなどは検査前後の扱いが変わる場合があるため、自己判断で中止せず医師の指示に従います。

内視鏡検査の実施方法、鎮静薬の使用、経口・経鼻の選択、同日に行える処置などは医療機関によって異なります。希望や過去の検査でつらかった経験がある場合は、予約時に確認してください。

よくある質問

Q. 内視鏡検査は何歳から受けるべきですか?

内視鏡検査を受ける年齢に一律の決まりはありません。症状のない方を対象とする国のがん検診では、胃内視鏡検査を含む胃がん検診は50歳以上・2年に1回が目安です。

大腸がん検診は40歳以上・1年に1回の便潜血検査が基本です。胃や腸の症状、便潜血検査の異常、過去の内視鏡所見などがある場合は、対象年齢にかかわらず医療機関へ相談してください。

Q. 大腸カメラは40歳になったら受けるべきですか?

40歳になった方全員が、大腸内視鏡検査を受ける必要があるわけではありません。症状のない方を対象とする大腸がん検診では、40歳以上・1年に1回の便潜血検査が基本です。

便潜血検査で要精密検査となった場合や、血便、便通の変化、貧血などがある場合に、大腸内視鏡検査が検討されます。

Q. 若くても内視鏡検査が必要になることはありますか?

年齢が若くても、吐血、血便、タール状の黒い便、飲み込みにくさ、続く胃痛、意図しない体重減少、貧血などがある場合は、内視鏡検査を含む詳しい検査が検討されることがあります。

家族歴や過去の検査結果も判断材料になります。年齢だけで検査の要否を決めず、症状が続く場合は消化器内科へ相談してください。

Q. 便潜血検査が陽性なら大腸内視鏡検査が必要ですか?

便潜血検査で要精密検査となった場合は、大腸内視鏡検査などの精密検査について医療機関へ相談してください。2日分のうち1回のみ陽性だった場合も、自己判断で放置したり、便潜血検査だけを繰り返したりしないことが大切です。

陽性でも必ず大腸がんがあるとは限りませんが、ポリープ、炎症、痔などを含め、出血の原因を確認する必要があります。

Q. 家族に胃がん・大腸がんの人がいる場合はどうすればよいですか?

家族歴があるだけで、全員が同じ年齢から内視鏡検査を受けるわけではありません。受診時には、誰が何歳で胃がんまたは大腸がんと診断されたか、同じ病気になった血縁者が複数いるかを医師へ伝えてください。

家族歴の内容や本人の症状、年齢、過去の検査結果によっては、通常とは異なる検査時期や専門的な評価が検討される場合があります。

まとめ

内視鏡検査を受ける年齢に、一律の決まりはありません。症状のない方を対象とする国のがん検診では、胃内視鏡検査を含む胃がん検診は50歳以上・2年に1回、大腸がん検診は40歳以上・1年に1回の便潜血検査が基本です。

40歳になった方全員が大腸内視鏡検査を受けるわけではありません。便潜血検査で要精密検査となった場合や、血便、便通の変化、貧血などがある場合に、大腸内視鏡検査が検討されます。

胃痛、飲み込みにくさ、吐血、タール状の黒い便などがある場合も、胃がん検診の対象年齢を待たずに消化器内科へ相談してください。大量の血便、強い腹痛、めまい、冷や汗などを伴う場合は、速やかな受診を検討する必要があります。

家族歴、ピロリ菌感染・除菌歴、過去のポリープや病理検査結果がある場合は、関連する情報を医師へ伝えましょう。次回の検査時期は、年齢だけではなく、検査を受けた目的や前回の所見を踏まえて個別に判断されます。

検診の対象年齢と、症状や精密検査に基づく内視鏡検査の時期を区別し、自分の状況に応じて自治体の検診案内や消化器内科を利用してください。

本記事は、国立がん研究センターおよび日本消化器内視鏡学会などの情報を参考にした一般的な医療・健康情報です。個別の診断や検査の必要性を判断するものではありません。症状や検査結果については医師へ相談してください。

参考資料

  • 国立がん研究センター がん情報サービス「がん検診について」
  • 国立がん研究センター がん情報サービス「胃がん検診について」
  • 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」
  • 日本消化器内視鏡学会「便潜血検査で『1回だけ陽性』と言われました。大腸内視鏡検査を受けたほうがよいですか?」
  • 日本消化器内視鏡学会「上部消化管内視鏡検査(食道・胃・十二指腸内視鏡)と治療」
  • 国立がん研究センター がん情報サービス「遺伝性腫瘍」
  • 日本消化器内視鏡学会「ピロリ菌と胃内視鏡検査に関する解説」
  • 日本消化器内視鏡学会「大腸内視鏡検査を受ける間隔に関する解説」
  • 日本消化器内視鏡学会「ガイドライン・提言」
ベストチョイス編集部
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