両目の白内障手術|同日手術と片目ずつ行う方法の違い
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両目に白内障がある場合、左右を別の日に手術する方法と、同じ日に左右をそれぞれ独立した手術として順番に行う「両眼同日連続白内障手術(Immediate Sequential Bilateral Cataract Surgery:ISBCS)」があります。本記事では、後者を「両眼同日手術」と表記します。
結論として、通院や付き添いの負担、左右の見え方に差がある期間を抑えたい場合は、両眼同日手術が選択肢になります。一方、先に手術する目(1眼目)の術後結果を確認し、2眼目の眼内レンズ選択へ反映したい場合は、別日手術が適していることがあります。
どちらが適しているかは、目や全身の状態、合併症のリスク、眼内レンズの種類、通院のしやすさ、医療機関の実施体制などによって異なります。メリットだけで決めず、合併症への備えや、眼内レンズを選ぶ際の違いも確認しましょう。
- この記事でわかること
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- 両眼同日手術と別日手術の違い
- それぞれのメリットと注意点
- 片目ずつ手術する場合の間隔の考え方
- 手術方法を相談するときの確認事項
両目の白内障手術は同じ日に受けられる?
両目の白内障手術には、左右を別の日に行う「別日手術」と、同じ日に片目ずつ順番に行う「両眼同日手術」があります。両眼同日手術では、左右を一つの手術として扱わず、それぞれを独立した手術として行います。
両眼同日手術の実施可否や適応基準は、医療機関によって異なります。ほかの眼疾患、感染リスク、手術の難易度、全身状態などを確認し、適応を慎重に判断します。1眼目の手術中に問題が起きた場合は、同日に予定していた2眼目を延期することもあります。
| 比較項目 | 別日手術 | 両眼同日手術 |
|---|---|---|
| 手術日 | 左右を別の日に実施 | 同じ日に左右を順番に実施 |
| 1眼目の結果 | 1眼目の術後の度数を、2眼目の眼内レンズ選択に反映できる場合がある | 1眼目の術後結果を確認して、2眼目の眼内レンズ度数を調整することができない |
| 通院・予定 | 手術日が2回に分かれる | 手術や受診の予定をまとめやすい場合がある |
| 左右差の期間 | 手術間隔中に、左右の度数や見え方の差が生じる場合がある | 左右差がある期間を避けやすい |
| 主な注意点 | 手術間隔中の見え方と、2眼目までの生活 | 適応判断と、左右を独立して扱う感染対策 |
| 検討されやすいケース | 1眼目の結果を確認し、2眼目の治療計画を調整したい場合 | 通院、付き添い、休暇取得などの負担をまとめたい場合 |
白内障手術では一般に、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入します。手術方法や眼内レンズの選択は、目の状態と生活上の希望を踏まえて眼科医と相談してください。
手術時間や院内での滞在時間、術後通院の期間は、白内障の程度、ほかの眼疾患、麻酔方法、医療機関の体制によって異なります。両眼同日手術でも、術後通院や一定期間の点眼が必要です。
初診、術前検査、手術当日、術後通院までの手順は、白内障手術の流れ|初診から手術当日・術後通院までで解説しています。
両眼同日手術のメリット
両眼同日手術では、手術日や術後早期の受診をまとめやすく、通院の付き添いや仕事の調整が必要な方にとって、負担を抑えられる可能性があります。また、左右の術後経過を同じ時期に進めやすいため、片目の手術後に左右の度数や見え方の差を感じる期間を避けやすいことも利点です。
- 手術や通院に伴う予定をまとめやすい
- 付き添い、移動、休暇取得の回数を減らせる可能性がある
- 左右の術後経過を同じ時期に進めやすい
- 左右の度数差による一時的な不便を避けやすい
ただし、受診回数や休養期間は、医療機関の方針と術後経過によって異なります。「同日なら通院が1回だけで済む」「手術後すぐに両目がよく見える」とは限りません。
両眼同日手術のデメリットとリスク
両眼同日手術では、眼内炎(眼球内部に起こる重い感染症)などの合併症が両眼に生じる頻度は低いと考えられています。ただし、正確な発生頻度は十分に確立されておらず、その可能性を完全に否定することはできません。
そのため、左右を別々の手術として扱い、器具や薬剤を左右で分けるなど、定められた感染対策を徹底する必要があります。実施施設の適応基準、感染対策、緊急時の対応体制を確認しましょう。
一般的な白内障手術の合併症としては、眼内炎のほか、嚢胞様黄斑浮腫(網膜の中心部にむくみが生じる状態)、網膜剥離、眼圧上昇、角膜障害などがあります。両眼同日手術を検討するときは、こうした合併症が両眼に生じる可能性も含めて、担当医から説明を受けることが重要です。
また、別日手術では、1眼目の術後の度数(屈折結果)を確認し、その結果を2眼目の眼内レンズ選択へ生かせる場合があります。両眼同日手術では、この調整ができません。手術直後は両目を保護する必要があるため、帰宅時の移動、点眼、家事などに支援を要することもあります。
| 確認したい点 | 両眼同日手術での注意 |
|---|---|
| 合併症 | 重い合併症が両眼に生じる頻度は低いと考えられるものの、正確な頻度は十分に確立されていない |
| 眼内レンズ | 1眼目の術後の度数を確認して、2眼目の眼内レンズ度数を調整することができない |
| 術後の生活 | 両目が同時に術後の状態となるため、移動や点眼に支援が必要になることがある |
| 実施体制 | 左右を独立した手術として扱う感染対策と、緊急対応体制の確認が必要 |
手術が難しくないと予想され、眼内炎や予期しない屈折結果のリスクが高くない患者を対象とした研究では、視力などの有効性や有害事象について、両眼同日手術と別日手術で大きな差が認められなかったと報告されています。
ただし、研究対象は一定の条件を満たす患者に限られており、発生頻度の低い両眼性の合併症を十分に比較できるとは限りません。個別のリスクと、自分が両眼同日手術の対象となる理由について、担当医から説明を受けてください。
活動性の眼感染症がある場合、コントロールが不十分な緑内障がある場合、角膜や網膜の治療を同時に必要とする場合、術後感染や屈折誤差のリスクが高いと判断される場合などは、両眼同日手術を慎重に検討するか、別日手術が選択されることがあります。ただし、一律の基準ではなく、目や全身の状態、執刀医と医療機関の方針によって判断が異なります。
参考:日本農村医学会雑誌「通院困難離島患者に対する両眼同時白内障手術と離島往診による術後管理の有効性と術後合併症発症の検討」
費用と通院期間も確認する
白内障手術の費用は、保険診療の範囲、選択する眼内レンズ、選定療養や自由診療の有無などによって異なります。多焦点眼内レンズなどを選ぶ場合は、保険診療分とは別にレンズに関する費用が生じることがあります。
両眼同日手術と別日手術で費用の算定方法が異なるか、術前検査、薬剤、眼内レンズ、術後診察を含めた標準的な総額はいくらかを、受診予定の医療機関が公開している料金表で確認してください。
点眼、入浴、仕事、運転などの注意点は、白内障手術後の過ごし方と生活上の注意点で解説しています。
白内障手術を片目ずつ受ける場合の間隔
別日手術を選ぶ場合、左右の手術間隔に一律の決まりはありません。数日程度で2眼目を手術する医療機関もあれば、1眼目の炎症や見え方が落ち着くまで期間を置く医療機関もあります。固定された日数だけを目安にせず、1眼目の術後経過と医療機関の方針を確認してください。
手術間隔を決める主な要素は、次のとおりです。

- 1眼目の炎症、感染、眼圧などの術後経過
- 1眼目の術後の度数と、2眼目の眼内レンズ計画
- 緑内障や網膜疾患など、ほかの眼疾患
- 仕事、運転、介護、通院などの予定
- 左右の度数差による生活への影響
手術間隔中は、眼鏡が合いにくい、遠近感をつかみにくいなどの不便を感じることがあります。特に、手術前後で左右の度数差が大きくなる場合は、歩行や階段の上り下り、車の運転などに影響する可能性があります。
転倒や運転への影響が心配な場合は、2眼目の手術まで眼鏡をどのように調整するか、仕事や運転をいつ再開できるかを事前に相談しておきましょう。
両目の白内障手術は同日と別日のどちらを選ぶ?
両眼同日手術と別日手術のどちらが適しているかは、手術を早く終えられるか、通院回数を減らせるかだけでは判断できません。目と全身の状態、合併症のリスク、希望する見え方、眼内レンズの種類、術後の生活支援、医療機関の実施体制を総合的に検討します。
両眼同日手術は、手術が難しくなる要因や術後合併症のリスクが低いと判断され、医療機関が左右を独立した手術として実施でき、本人がメリットとリスクを理解している場合に検討されます。目の状態によっては、1眼目の経過を確認できる別日手術のほうが適していることもあります。
選択時に確認したい3つのポイント

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自分が両眼同日手術の対象になるか
ほかの眼疾患、感染リスク、手術の難易度、全身状態を踏まえて判断されます。 -
1眼目に問題が起きた場合の中止基準
どのような状況で2眼目の手術を延期するのか、事前に確認します。 -
左右を独立した手術として行う感染対策
左右で器具や薬剤を分けているか、緊急時の診療体制があるかを確認します。
そのほか、診察時には次の点も確認しておきましょう。
- 眼内レンズの種類と、目標とする見え方
- 1眼目の術後結果を2眼目へ反映する必要性
- 術後の通院回数と点眼の方法
- 手術当日の送迎や帰宅後の生活支援
- 異常が起きたときの連絡先と診療体制
- 保険診療、選定療養、自由診療の費用
「早く両目の手術を終えたい」「通院や付き添いの負担をまとめたい」という希望がある場合も、両眼同日手術のメリットだけでなく、別日手術なら1眼目の結果を2眼目の眼内レンズ選択へ反映できる点まで含めて相談してください。
診察前に、希望する見え方、運転や仕事へ復帰したい時期、通院や付き添いの都合、検討している眼内レンズを整理しておくと、担当医に希望を伝えやすくなります。
両目の白内障手術に関するよくある質問
Q. 白内障手術は必ず片目ずつ受けますか?
必ずしも左右を別日に手術するとは限りません。医療機関によっては、同じ日に左右を順番に手術する両眼同日手術に対応しています。ただし、目や全身の状態、手術の難易度などによっては、適応外となることがあります。
Q. 両眼同日手術は、両目を同時に手術するのですか?
一般には、同じ日に1眼目の手術を終えてから、2眼目の手術を順番に行います。左右をまとめて一つの手術として扱うのではなく、それぞれを独立した手術として行います。器具や薬剤を左右で分けるなどの感染対策が重要です。
Q. 両眼同日手術は安全ですか?
一律に安全性を判断することはできません。一定の条件を満たす患者を対象とした研究では、視力などの術後成績や有害事象について、両眼同日手術と別日手術で大きな差が認められなかったと報告されています。
ただし、手術のリスクがなくなるわけではありません。眼内炎などの重い合併症が両眼に生じる可能性も完全には否定できないため、自分が両眼同日手術の対象となる理由と、医療機関の感染対策や緊急対応体制について説明を受けてください。
Q. 片目ずつ手術する場合、何日空けますか?
一律の期間はありません。1眼目の術後経過、ほかの眼疾患、眼内レンズの計画、医療機関の方針などによって決まります。予定している間隔だけでなく、2眼目の延期が必要になる条件も担当医に確認してください。
Q. 片目の手術後、左右の見え方に差が出ますか?
手術前後の度数差によって、眼鏡が合いにくい、遠近感をつかみにくいなどの違和感が出ることがあります。運転や転倒への影響が心配な場合は、2眼目の手術までの眼鏡調整や生活上の注意を相談しましょう。
まとめ
両目の白内障手術には、左右を別の日に行う別日手術と、同じ日に左右を独立した手術として順番に行う両眼同日手術があります。
両眼同日手術は、手術や通院の予定をまとめやすく、左右の見え方に差がある期間を避けやすいことが利点です。一方、1眼目の術後の度数を確認して、2眼目の眼内レンズ選択へ反映できない点や、重い合併症が両眼に生じる可能性を完全には否定できない点を理解しておく必要があります。
別日手術の間隔にも一律の目安はありません。1眼目の術後経過、ほかの眼疾患、眼内レンズの計画、生活上の都合などを踏まえて決めます。
診察前に、希望する見え方、運転や仕事へ復帰したい時期、通院や付き添いの都合、検討している眼内レンズを整理しておきましょう。目と全身の状態、医療機関の実施体制、感染対策、費用について説明を受け、両眼同日手術と別日手術を比較したうえで選択してください。






