胃カメラ後にガスがたまる?内視鏡検査後の食事や注意点について解説

胃カメラ(内視鏡検査)を受けたあと、「お腹が張って苦しい」「ガスがたまっている感じがする」と感じることがあります。これは検査の過程で胃をふくらませるために空気や炭酸ガスを送り込むことが主な理由です。
本記事では、胃カメラ後にガスがたまる理由をはじめ、張りがつらいときの対処法、検査後の食事のポイント、受診を検討すべき症状について解説します。
胃カメラ(内視鏡検査)後にガスがたまるのはなぜ?
胃カメラ後にガスがたまってお腹が張ることがあるのは、検査中に胃の内部へ空気やガスを送り込むためです。その結果、検査後もしばらく胃や腸に空気が残り、ガスがたまったように感じることがあります。
- 胃カメラ検査では空気やガスを胃に送り込む
- 検査後も空気やガスが胃に残ることがある
この2点について、以下で詳しく説明します。
胃カメラ検査では空気やガスを胃に送り込む
胃カメラ検査では、胃の中を正確に観察するために内部を適度に膨らませる必要があります。ひだが重なったままだと小さな異常が確認しづらくなるため、送気によって視野を確保するのが一般的な方法です。
従来は空気を使用する施設が多くみられましたが、近年では体内に吸収されやすい炭酸ガス(CO₂)を用いる医療機関も増えてきました。炭酸ガスは血液中に取り込まれやすい性質があるため、検査後の張り感を軽減できる可能性があるといわれています。
ただし、使用するガスの種類や設備は医療機関ごとに異なるため、すべての施設で同じ対応が行われているわけではありません。
検査後も空気やガスが胃に残ることがある
胃カメラ検査の終了時には、可能な範囲で胃の中の空気やガスを吸引します。しかし、完全に抜ききることは難しいのが実情です。
そのため空気やガスの一部が胃や腸内に残り、張りや違和感につながるケースがあります。残ったガスは体の働きによって徐々に移動し、自然に排出されていくのが一般的といわれていますが、張りの程度や持続時間には個人差があり、感じ方にも幅があるでしょう。
こうした仕組みを理解しておくことで、「なぜお腹が張るのか」という疑問にはおおよその答えが見えてきます。
胃カメラ後にガスがたまって苦しい場合はどうすればいい?
胃カメラ後の張りは、体内に残った空気やガスが影響していることが多いと考えられています。強い痛みや発熱などを伴わない場合には、まずは落ち着いて様子を見ることが基本的な対応です。多くは、一時的な違和感にとどまるケースが一般的とされています。
以下は、検査後の張りが気になるときに参考にされることの多い対処法です。
- ガスは時間の経過で自然に排出されることが多い
- お腹を優しくマッサージする
- 無理のない範囲で散歩する
- 温めて様子を見る
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
ガスは時間の経過で自然に排出されることが多い
通常検査中に送り込まれた空気やガスは、体の働きによって少しずつ移動し、げっぷやおならとして排出されます。そのため、特別な処置を行わなくても時間の経過とともに張りが軽減することが少なくありません。
「すぐに抜けないのでは」と不安に感じることもあるかもしれませんが、一定時間を置くことで落ち着くケースが多いといわれています。焦らず安静に過ごすことが、結果的に回復を助ける可能性もあるでしょう。
お腹を優しくマッサージする
一般的なセルフケアのひとつとして、腹部を円を描くようにゆっくりさするといったマッサージを取り入れるのもいいでしょう。ガスの移動や排出を促し、張り感が和らぐことが期待できる可能性があります。
ただし、違和感が強まる場合には中止し、無理をしないことが大切です。あくまで軽い不快感に対する補助的な対応と考えておくのがよいでしょう。
無理のない範囲で散歩する
検査後のガスによる張りは、軽い歩行などで腸の動きを適度に促すことが、ガス排出の一助になる可能性が期待できます。そのため、無理のない範囲で散歩をしてみるのもひとつの方法です。
必ずしも長距離歩く必要はなく、室内でゆっくり歩く程度から取り入れてみるといいかもしれません。
温めて様子を見る
カイロや湯たんぽなどで腹部を過度に熱くならないよう注意しながら温めると、リラックスにつながる場合があるとされています。
ただし、激しい痛みがある場合は炎症の可能性が否定できません。症状の程度によっては医師の判断が必要になることもあるため、違和感が強いときは自己判断を避ける姿勢が重要です。
胃カメラ後の食事の注意点
胃カメラ後の食事は、胃の状態や麻酔の影響を踏まえて慎重に再開することが基本です。検査そのものは短時間で終わることが多いものの、咽頭の麻酔や鎮静薬の影響が残っている場合があります。そのため、検査直後はすぐに通常通りの食事へ戻すのではなく、段階的に様子をみる姿勢が大切でしょう。
検査後に一般的に案内されることの多い食事上の注意点としては、以下が挙げられます。
- 麻酔した場合は検査後1~2時間程度飲食を控える
- 刺激物やアルコールは避ける
- 柔らかく消化の良い食事を意識する
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
麻酔した場合は検査後1~2時間程度飲食を控える
咽頭の表面麻酔や鎮静剤を使用した場合、のどの感覚が一時的に鈍くなることがあります。飲み込みの反射が十分に戻らないうちに飲食をすると、むせや誤嚥につながる可能性が否定できません。そのため、検査後は一定時間の絶飲食を案内されるのが一般的です。
麻酔が切れるまでの目安として1~2時間程度経過してから少量の水を飲み、むせないか確認したうえで問題がなければ食事を再開するのが望ましいでしょう。
刺激物やアルコールは避ける
検査後の胃粘膜は、わずかな刺激でも敏感に反応することがあります。特に辛味の強い料理や酸味の強い食品、熱すぎる飲み物、脂っこい食事などは負担になる可能性があるとされているため、検査当日はできるだけ刺激物を避け胃に優しい食事を選ぶといいでしょう。
アルコールについても、注意が必要です。胃粘膜への刺激に加え、鎮静薬の影響が完全に抜けていない場合には体調に影響することが考えられるため、少なくとも検査当日の飲酒は避けることが推奨されます。
柔らかく消化の良い食事を意識する
検査後の最初の食事は、胃に負担をかけにくい内容を選ぶことがすすめられています。おかゆやうどん、スープ、豆腐、白身魚など、やわらかく消化しやすいものが一般的な例として挙げられるでしょう。
量も控えめにし、体調をみながら徐々に通常の食事へ戻していく流れが無理のない方法といえます。
胃カメラ後に注意すべき症状
胃カメラ後の軽い張りや違和感は、一時的な反応としてみられることがあります。しかし、以下のような症状が現れた場合は、注意が必要です。
- 腹痛やだるさが2~3日以上続く
- 激しい腹痛がある
- 高熱や嘔吐が続く
- 黒い便が出る
詳しく紹介します。
腹痛やだるさが2~3日以上続く
胃カメラ検査後には、軽い腹部不快感や倦怠感が出ることがあります。通常は翌日ごろまでに落ち着くのが一般的ですが、数日経っても改善しない場合には注意が必要です。
特に痛みが徐々に強くなる、だるさが強まるといった変化がみられるときは、合併症の可能性が否定できません。できるだけ早めに、医療機関へ連絡することが望ましいでしょう。経過を伝えることで、必要な対応について指示を受けられる可能性があります。
激しい腹痛がある
体を動かせないほどの強い腹痛が突然出現した場合には、自己判断で様子を見るべきではありません。頻度は高くないとされていますが、重篤な合併症が疑われるケースもあるためです。
軽度のお腹の張りや違和感といったレベルではなく「いつもと違う強い痛み」を感じたときは、検査を受けた医療機関へ速やかに連絡し、医師の指示を仰ぐことが重要です。
高熱や嘔吐が続く
発熱や繰り返す嘔吐が見られる場合も、注意が必要です。こうした体調の変化が続くときには、何らかの異常が起きている可能性を否定できません。
腹痛を伴う高熱や水分がとれないほどの嘔吐がある場合には、早めの受診が望ましい対応といえます。無理に我慢せず、状況を説明したうえで判断を仰ぐことが大切です。
黒い便が出る
タール状で黒っぽい便(いわゆる黒色便)は、消化管のどこかで出血が起きている可能性を示すサインのひとつとされています。血液が胃や腸を通過する過程で変色し、独特の黒色になることがあるためです。
胃カメラ検査のあとにこのような便がみられた場合、特に生検(組織の一部を採取する検査)やポリープ切除といった出血リスクを伴う処置を受けている場合は要注意といえます。応急な対応が必要になる可能性があるため、こうしたケースで黒色便が続く場合は、検査を実施した機関に速やかに連絡しましょう。
まとめ
胃カメラ後にガスがたまったように感じるのは、検査中に胃を広げるために送り込まれた空気や炭酸ガスが影響していることが主な理由です。多くの場合、その張りは時間の経過とともに自然に落ち着いていきますが、中には注意が必要なケースもあります。
激しい腹痛、高熱、繰り返す嘔吐、黒色便などがみられる場合には、早めの相談が重要になる可能性が否定できません。症状の程度にかかわらず、不安を感じたときには医療機関へ連絡することが安心につながるでしょう。
「この症状は相談すべきだろうか」「次回の検査はどこで受けるとよいのだろう」と迷う場面もあるかもしれません。検査後の不安を抱えたままにせず、相談できる医療機関をあらかじめ確認しておくことは、安心材料のひとつになります。
「ベストチョイス」では、地域や診療内容などの条件から医療機関を探すことが可能です。
体調に変化があったときにすぐ相談できる環境を整えておくことは、今後の検査に向き合ううえでも心強い備えになるでしょう。





