胃やみぞおちを押すと痛いのはなぜ?考えられる原因疾患や予防策を解説

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胃やみぞおちを押したときに痛みを感じる場合、胃炎などの消化器疾患だけでなく、食生活やストレスによる一時的な不調が関係しているケースもあります。さらに、潰瘍やがん、心臓・血管の病気などが背景にある可能性も否定できません。

本記事では、胃やみぞおちを押すと痛い場合に考えられる主な原因や疾患、日常生活で意識したい予防のポイントについて解説します。

胃やみぞおちが痛い・押すと痛いのはなぜ?

胃やみぞおちのあたりを押したときに痛みを感じる場合、単なる違和感ではなく、炎症や機能的な不調が関係している可能性があります。ただし、こうした痛みは必ずしも特定の疾患に限られるものではなく、食生活やストレスなど日常的な要因でも起こり得るため、ここでは比較的よく見られる生活習慣の影響と、疾患が関係しているケースに分けて見ていきましょう。

  • 食生活やストレスの影響
  • 疾患が原因のケース

食生活やストレスの影響

脂っこい食事や香辛料の多い食事、アルコールの過剰摂取、早食い・食べ過ぎといった生活習慣は、胃酸分泌の増加や胃粘膜への刺激につながり、みぞおちの痛みを引き起こす要因のひとつとされています。

また、過度なストレスや不規則な生活によって自律神経のバランスが乱れると、胃の運動機能や血流に影響が及び、胃もたれや違和感、みぞおちの痛みが現れることもあるでしょう。検査で明確な異常が見つからないケースでも、こうした機能的な不調によって症状が出ている可能性が考えられます。

一時的な生活習慣の乱れが原因であれば、食事内容の見直しや休息を取ることで改善するケースも少なくありません。ただし、同じような痛みが繰り返し現れる場合や、症状が長引く場合には、別の要因が関与している可能性もあるため注意が必要です。

疾患が原因のケース

胃やみぞおちの痛みが続く場合、何らかの疾患が背景にある可能性も考えられます。代表的なものとしては、急性胃炎や慢性胃炎、逆流性食道炎、胃・十二指腸潰瘍などの消化器疾患が挙げられるでしょう。これらは胃酸の影響や粘膜の炎症により痛みが生じやすく、圧をかけた際に違和感や痛みが強まるケースもあります。

一方で、痛みの部位がみぞおち周辺であっても、原因が必ずしも胃にあるとは限りません。胆石症や膵炎など、他の臓器の異常がみぞおちの痛みとして感じられることもあり、症状だけで原因を特定することは難しいとされています。

また、まれではあるものの、心筋梗塞などの心疾患が胃の痛みのように現れる場合もあるため、痛みの性質や持続時間、吐き気や発熱、息苦しさなどの随伴症状も含めて総合的に判断することが重要といえるでしょう。症状が強い場合や長引く場合には、早めに医療機関での相談を検討することが望ましいと考えられます。

胃やみぞおちの痛みの原因になり得る疾患

胃やみぞおちの痛みの背景には、さまざまな疾患が関与している可能性があります。比較的よく見られる胃炎や逆流性食道炎のような病気から、潰瘍やがんといった注意が必要な疾患まで、その範囲は幅広いのが特徴です。また、同じみぞおちの痛みでも原因となる臓器や病態によって症状の現れ方や経過は異なります。

ここでは、胃やみぞおちの痛みの原因として考えられる以下の主な疾患について、それぞれの特徴や代表的な症状を見ていきましょう。

  • 急性胃炎
  • 慢性胃炎・萎縮性胃炎
  • 逆流性食道炎
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • 胃がん
  • 食道がん
  • 虫垂炎
  • 胆石症・胆のう炎
  • 胃アニサキス症
  • 機能性ディスペプシア

急性胃炎

急性胃炎は、アルコールや刺激物の過剰摂取、薬剤、ストレス、感染症などをきっかけに、短期間で胃粘膜に強い炎症が生じる疾患です。突然のみぞおちの痛みや胃の不快感に加えて、吐き気・嘔吐や下痢を伴うこともあり、多くは数日で改善します。

ただし、症状が強い場合は受診するのが望ましいでしょう。

慢性胃炎・萎縮性胃炎

慢性胃炎は、ピロリ菌感染や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの影響により、胃粘膜の炎症が長期間続く状態を指します。みぞおちの鈍い痛みや胃もたれ、膨満感、胸やけなどが持続的に見られることがあり、押したときの違和感として自覚されるケースもあるでしょう。

炎症が進行すると萎縮性胃炎へ移行し、消化性潰瘍や胃がんのリスクに関与すると考えられているため、症状が続く場合には早めの評価が重要です。

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃酸や胃内容物が食道へ逆流することで食道粘膜に炎症が生じる疾患です。胸やけや呑酸に加え、みぞおち周辺の痛みとして自覚されることもあり、食後や就寝時に症状が強まりやすい傾向があります。

肥満や食生活、姿勢、加齢など複数の要因が関与するとされており、日常生活の影響を受けやすい点が特徴といえるでしょう。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、胃酸や消化液の影響によって胃や十二指腸の粘膜が深く傷ついた状態を指します。みぞおちにキリキリとした痛みや焼けるような不快感が現れることがあり、空腹時や食後などタイミングによって症状の出方が変わる点も特徴のひとつです。

ピロリ菌感染や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用などが関与するとされており、進行すると出血や穿孔につながるケースもあるため、症状の変化には注意が必要といえるでしょう。

胃がん

胃がんは、初期の段階では自覚症状に乏しいことが多い一方で、進行に伴いみぞおちの痛みや不快感、食欲低下、体重減少などが見られる場合があります。こうした症状は他の消化器疾患でも起こり得るため、症状だけで判別することは容易ではありません。

長期間にわたって胃の不調が続く場合や、ピロリ菌感染・家族歴がある場合には、医師と相談し必要に応じて検査を受けることが望ましいでしょう。

食道がん

食道がんは、食べ物が飲み込みにくくなる嚥下障害や胸のつかえ感などが代表的な症状とされていますが、胸骨の後ろやみぞおち付近の痛みとして自覚される場合もあります。

胃がん同様初期には症状がはっきりしないことも多く、違和感程度で経過するケースも少なくありません。そのため疑わしい要素がある場合は受診のうえで検査を検討するといいでしょう。

虫垂炎

虫垂炎は一般的に盲腸と呼ばれる疾患で、初期にはみぞおちやへその周囲に鈍い痛みを感じることがあります。その後、時間の経過とともに痛みが右下腹部へ移動していくのが典型的な経過です。

発熱や吐き気、食欲低下などを伴うこともあり、炎症が進行すると腹膜炎に至る可能性も指摘されているため、放置せずに受診することが大切といえるでしょう。痛みの部位が変化していく点が、他の消化器疾患との違いとして挙げられます。

胆石症・胆のう炎

胆石症や胆のう炎は、胆のうや胆管に異常が生じることで、右上腹部からみぞおちにかけて強い痛みを引き起こします

特に脂っこい食事の後に痛みが出やすい傾向があり、背中や右肩へ広がるような痛みとして感じられることもあるでしょう。発熱や吐き気を伴うケースもあり、症状が強い場合には入院治療や手術が必要になるケースも見られます。

胃アニサキス症

胃アニサキス症は、生魚に寄生するアニサキス幼虫が胃壁に侵入することで起こる急性の疾患です。刺身や寿司などを食べた数時間後に、突然みぞおちの強い痛みや吐き気が現れることがあり、比較的急激な経過をたどる点が特徴とされています。

発症のきっかけが食事と明確に結びつくケースが多く、これまでにない鋭い痛みとして自覚されることもあるでしょう。

機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアは、レントゲンや内視鏡検査などで明らかな異常が見つからないにもかかわらず、みぞおちの痛みや焼けるような不快感、胃もたれなどが慢性的に続く状態を指します。

ストレスや自律神経のバランスの乱れ、胃の運動機能の低下などが関与すると考えられており、器質的な疾患がないのに不調が続くのが特徴です。

胃やみぞおちを押すと痛い原因が消化器系以外のケースもある

胃やみぞおちの痛みは消化器の不調によって生じるイメージが強いものの、原因がそれ以外の臓器にあるケースも少なくありません。とくに心臓や血管に関連する疾患では、胸の痛みだけでなく、みぞおち周辺の違和感や痛みとして感じられることがあるとされています。

ここでは、消化器以外の原因として考えられる以下の代表的な疾患について、見ていきましょう。

  • 心筋梗塞・狭心症
  • 大血管疾患

心筋梗塞・狭心症

心筋梗塞や狭心症は、心臓へ血液を送る冠動脈の血流が低下・遮断されることで起こる疾患です。一般的には胸の痛みや圧迫感が知られていますが、みぞおち付近の痛みや違和感として現れるケースもあり、胃の不調と区別しにくい場合があります。

冷や汗や息苦しさ、左肩や顎への放散痛を伴うこともあり、こうした症状が見られる場合には心臓由来の可能性も視野に入れ、救急受診や緊急対応を検討しましょう。

大血管疾患

大動脈解離や大動脈瘤破裂などの大血管疾患は、突然の激しい胸・背部痛や上腹部痛を生じるケースがあり、みぞおち周囲の強い痛みとして感じられることもあります。

これらは迅速な診断・治療が必要とされる緊急疾患であり、突然の激痛やショック症状が見られるときは直ちに救急医療を受けることが重要です。

胃やみぞおちの痛み予防のためにできること

胃やみぞおちの痛みは、すべてを完全に防げるものではないものの、日常生活の見直しや適切な対処によって発生リスクを抑えられるケースもあります。痛み予防のためにできる対策としては、以下が挙げられるでしょう。

  • ピロリ菌を除去する
  • 食生活に注意する
  • ストレスをためすぎない

それぞれ、詳しく解説します。

ピロリ菌を除去する

ピロリ菌感染は、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎の主な原因のひとつとされており、医療機関での検査により感染が確認された場合には、除菌治療が選択肢となることもあります。

除菌によって胃粘膜の炎症が改善し、潰瘍の再発リスク低下などが期待されるとされていますが、すべての症状が解消するとは限りません。経過観察のうえ、自身の状態に応じた対応を検討することが重要といえるでしょう。

食生活に注意する

日々の食生活は、胃やみぞおちの痛みに関わる要素のひとつです。脂っこい食事や刺激の強い食品、アルコールのとり過ぎは胃粘膜への負担となり、炎症や不調を引き起こす要因になると考えられています。また、早食いや食べ過ぎは胃にかかる負担を増やし、胃もたれや痛みにつながるケースもあるでしょう。

食事の時間を整え、よく噛んでゆっくり食べることは、胃への負担軽減につながる基本的なポイントです。さらに、就寝直前の食事や過度な間食を控えるなど、生活リズムを意識することも胃の不調予防に役立つといえます。

ストレスをためすぎない

過度なストレスが続くと自律神経のバランスが乱れ、胃酸分泌や胃の運動機能に影響を与えることで、痛みや違和感として現れることがあります。

十分な睡眠や休息を確保することに加え、適度な運動やリラックスできる時間を持つことは、心身の負担を軽減するうえで重要です。日常の中で無理のない形でストレスケアを取り入れることが、胃の不調予防にもつながると考えられます。

まとめ

胃やみぞおちを押したときの痛みは、食生活やストレスによる一時的な不調から、消化器疾患、さらには心臓や血管の病気まで、さまざまな要因によって生じる可能性があります。痛みの性質や持続期間、随伴症状によって考えられる原因は異なるため、症状の変化を見ながら適切に判断することが重要です。

「ベストチョイス」では、エリアや診療内容から医療機関を探せるため、自身の症状や希望に合ったクリニックを見つける際の参考になるでしょう。気になる症状がある場合には無理に我慢せず、状況に応じて適切な医療機関への相談を検討することも選択肢のひとつです。

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ベストチョイス編集部
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