胃液(胃酸)が上がってくる原因と対処法について解説

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胃液(胃酸)が上がってくる症状は、胃酸が食道へ逆流することで起こるケースが多く、逆流性食道炎が関係している場合もあります。一方で、食べ過ぎや生活習慣の乱れなどによる一時的な不調として生じることもあるため、原因に応じた対処が重要といえるでしょう。

本記事では、胃液が上がってくる主な原因や考えられる疾患、症状を和らげるための対処法について解説します。

胃液(胃酸)が上がってくる原因は?

胃液(胃酸)がのど元まで上がってくる、口の中に酸っぱいものがこみ上げるといった症状は、多くの場合胃酸が食道側へ逆流している状態が関係していると考えられます。代表的な原因として知られているのが逆流性食道炎(胃食道逆流症)であり、胃と食道の境目にある下部食道括約筋の働きが低下すると、胃酸が逆流しやすくなる傾向です。

さらに、胃の中の圧力が高まることも影響するといわれています。食べ過ぎや肥満、腹部を圧迫する姿勢などによって胃内圧が上昇すると、胃酸が押し上げられるように食道へ逆流するケースもあるでしょう。このような状態が続くと、胸やけや呑酸といった不快な症状につながる可能性があります。

一方で、すべてが逆流性食道炎によるものとは限りません。食生活の乱れや一時的な体調の変化などにより、短期間だけ同様の症状が現れることもあるとされています。症状の頻度や持続期間を踏まえながら原因を見極める視点が重要といえるでしょう。

逆流性食道炎の原因として考えられるもの

逆流性食道炎は、胃酸が食道へ逆流しやすい状態になることで発症すると考えられており、その背景にはさまざまな要因が関係します。特定の原因だけでなく、日常の習慣や体の変化が重なって症状につながるケースも少なくありません。

逆流性食道炎の原因として指摘されている主な要因としては、以下が挙げられます。

  • 食習慣
  • 飲酒・喫煙
  • ストレス
  • 生活習慣
  • 老化

それぞれ、見ていきましょう。

食習慣

食べ過ぎや早食い、夜遅い時間の飲食などは、胃の中の圧力を高める要因とされています。とくに脂肪分の多い食事は胃酸の分泌を促しやすく、結果として胃酸が食道側へ逆流しやすい状態につながることもあるでしょう。

また、炭酸飲料やコーヒーなどは人によって症状の誘因となる場合があると指摘されています。これらの飲食習慣が重なることで、胸やけや胃液が上がってくるといった症状が生じやすくなる可能性もあるでしょう。

飲酒・喫煙

アルコールは、胃と食道の境目にある下部食道括約筋をゆるめる作用があるとされており、胃酸の逆流を起こしやすくする要因のひとつといえます。飲酒量や頻度によって影響の受け方が異なるものの、継続的な摂取が関係するケースもあると考えられるでしょう。

喫煙も、ニコチンの影響により括約筋の働きが低下するほか、胃酸分泌の増加に関係する可能性があるため、複合的に逆流を引き起こしやすくなるといわれています。そのため、飲酒・喫煙の習慣がある場合には逆流性食道炎のリスク要因として注意が必要といえるでしょう。

ストレス

ストレスは自律神経のバランスに影響を与え、胃酸の分泌の調整が乱れる原因になると考えられています。その結果、胃酸が過剰に分泌されたり、消化機能が低下したりすることで、逆流を引き起こしやすい状態につながる場合もあるでしょう。

また、ストレスが続くと食生活や生活リズムにも変化が生じやすくなります。過食や飲酒量の増加、睡眠の質の低下などが重なることで、逆流性食道炎の発症や悪化に関与する恐れも否定できません。

このように、ストレスは単独で作用するだけでなく、複数の要因と関連しながら症状に影響を及ぼす可能性があります。

生活習慣

前かがみの姿勢が多い、ベルトやガードルなどでお腹を強く締め付ける、重い物を頻繁に持ち上げる、食後すぐ横になるといった習慣は、腹圧や胃内圧を高めて胃酸の逆流を起こしやすくするとされています。

こうした腹圧がかかりやすい生活習慣が積み重なることで、胸やけや胃液が上がってくるといった症状につながる可能性もあるでしょう。

老化

加齢によって胃と食道の境目にある下部食道括約筋の筋力が低下して胃酸の逆流を防ぐ機能が弱まり、逆流性食道炎が起こりやすくなるといわれています。

さらに、加齢によって姿勢が変化しやすくなる点も無視できません。背中が丸くなることで腹圧がかかりやすくなり、胃酸の逆流に関与する可能性があるでしょう。加えて、胃の運動機能が低下すると胃内容物が長くとどまりやすくなり、これも逆流の一因と考えられています。

胃液が上がってくるときの対処法

胃液が上がってくる症状は、生活習慣や体の状態によって生じることが多く、日常の工夫によって軽減につながる場合があります。ここでは、日常生活の中でできる主な対処法について見ていきましょう。

  • 食生活を見直す
  • 運動を習慣にする
  • 寝るときの姿勢を工夫する
  • 肥満の場合は減量する
  • 禁煙する

食生活を見直す

食事量を適切に調整し、食べ過ぎを避けるなど食生活を整えましょう。また、脂肪分の多い食事やアルコール、香辛料、炭酸飲料など、症状を誘発しやすい食品として挙げられているものは、摂りすぎないように意識することが大切です。

早食いや就寝直前の食事も避け、規則正しい時間にバランスのよい食事を摂ることで、胃への負担を減らし症状の軽減につながる可能性が期待できます。

運動を習慣にする

適度な運動は、肥満の改善やストレス軽減、自律神経の安定に役立つとされ、結果として逆流性食道炎のリスク低下に寄与し得ると考えられています。

ただし、食後すぐの激しい運動や腹圧が強くかかる動きは症状を悪化させることがあるため、無理のない範囲で継続しやすい運動を選択することが望ましいでしょう。

寝るときの姿勢を工夫する

就寝時は、枕やベッドを工夫して上半身をやや高くすることで、重力の影響により胃酸の逆流を減らしやすくなるとされています。

さらに、左側を下にして横向きに寝る姿勢は、胃の形や位置の関係から胃酸が食道に上がりにくく逆流の予防に適していると考えられているため、就寝時はこうした姿勢を意識するようにするのもひとつの方法です。

肥満の場合は減量する

体重が増加すると腹部への圧力が高まりやすくなり、胃が圧迫されることで胃酸が逆流しやすい状態になります。そのため、体重を適正な範囲に近づけることは、症状の軽減に関係する対処のひとつといえるでしょう。

急激な減量ではなく、食事内容の見直しや適度な運動を組み合わせながら、無理のないペースで体重管理を行うことが重要です。日常生活の中で継続しやすい方法を選ぶことが、結果的に負担の少ない対応につながるでしょう。

禁煙する

喫煙は下部食道括約筋の働きに影響を与えるとされており、胃酸の逆流を起こしやすい要因のひとつとされているため、禁煙するのも対処法として検討されます。

すぐに完全な禁煙が難しい場合でも、喫煙本数や頻度を見直すことが第一歩となるケースもあるでしょう。

腹圧を下げるよう意識する

腹部に過度な圧力がかかる状態を避けることも、日常的に意識したい対処のひとつです。締め付けの強いベルトや衣類は控え、腹部に負担がかかりにくい服装を選ぶことが望ましいでしょう。

また、前かがみの姿勢が続く動作や、重い物を持ち上げる場面では腹圧が高まりやすくなります。作業時の姿勢を見直す、無理のない動作を心がけるといった工夫が、症状の軽減につながる場合もあるでしょう。

逆流性食道炎の検査

胃液が上がってくる症状が続く場合には、検査を検討するケースもあるでしょう。ここでは、代表的な検査について紹介します。

  • レントゲン検査
  • 胃カメラ(胃内視鏡検査)

レントゲン検査

レントゲン検査では、造影剤(バリウム)を飲んだうえでX線撮影を行い、食道や胃の形状、粘膜などを確認します。逆流性食道炎に関連するとされる下部食道括約筋の状態や食道裂孔ヘルニアの有無や程度の確認が可能です。

一方で、粘膜の炎症の程度を詳細に評価することは難しいため、逆流性食道炎の確定診断には内視鏡が用いられるケースが一般的とされています。

胃カメラ(胃内視鏡検査)

胃カメラ(内視鏡検査)は、食道から胃、十二指腸までの内部を直接確認できる検査です。

粘膜の炎症やびらんの有無、重症度の把握が可能であり、逆流性食道炎が疑われる場合には診断に用いられることが多いとされています。観察結果をもとに炎症の程度が分類され、その後の治療方針の決定にも活用される検査といえるでしょう。

逆流性食道炎で行われる一般的な治療

逆流性食道炎と診断された場合には、症状の程度や生活背景に応じて以下の治療が行われます。

  • 生活習慣指導
  • 薬物療法

それぞれについて、見ていきましょう。

生活習慣指導

生活習慣指導では、食事内容や食べ方、就寝時の姿勢、体重管理、禁煙などに関する見直しが行われます。

日常生活の中で無理なく取り組める内容が中心となり、症状の軽減や再発予防が期待されますが、症状の程度に応じて薬物療法と併用されるケースもあるでしょう。

生活習慣の改善はすぐに結果が出るものではないため、継続的に取り組むことが重要といえます。

薬物療法

薬物療法では、胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2受容体拮抗薬、消化管の動きを整える薬、制酸薬などが用いられることがあります。

薬の種類や服用期間、用量など個々の状態によって異なるため、自己判断で中断したり調整したりせず、医師の指示に従うことが重要です。

まとめ

胃液が上がってくる症状は逆流性食道炎が関係しているケースが多く、日常生活の工夫によって症状の軽減につながることもあるため、食事や姿勢、体重管理などを見直すことが重要です。

一方で、症状が繰り返し現れる場合や長く続く場合には、自己判断だけで対応を続けるのではなく、医療機関で原因を確認する必要があるでしょう。検査や治療によって適切な対応につなげることが、症状の改善に向けた一歩となります。

「ベストチョイス」では、症状や悩みに応じて医療機関を探せます。気になる症状がある場合には、無理に我慢せず相談先を検討してみるといいでしょう。

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ベストチョイス編集部
ベストチョイス編集部

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