交通事故の診断書はいつ・どこでもらう?提出先と記載内容・費用を解説

交通事故の診断書をいつ・どこでもらうか、提出先と記載内容・費用を解説

交通事故の診断書は、医師がけがの内容や治療の見込み期間を記載する書類です。主に警察(人身事故としての届出)と保険会社(自賠責保険などの請求)に提出します。

けががある場合は、まず医療機関を受診して診断書を受け取り、事故を扱った警察署へ早めに相談するのが基本の流れです。国土交通省の資料では、事故後に速やかに受診しない場合、事故との因果関係が認められないことがあるとされています。

この記事ではベストチョイス編集部が、法令と公的機関の資料をもとに、警察への提出方法と枚数、提出しない場合に起こること、「全治1週間」などの記載の読み方、費用の扱いを整理しました。症状の出方や回復の経過には個人差があり、診断や治療方針は診察した医師が判断します。

この記事でわかること
  • 警察へ提出する診断書と、保険会社へ提出する診断書の役割の違い
  • 警察への提出先、必要な枚数、提出時期の考え方
  • 診断書を出す・出さないで変わること、けががない場合の考え方
  • 診断書の記載内容と「全治◯週間」の読み方
  • 作成費用の扱いと、通院中・治療後に必要になる書類
目次

交通事故の診断書とは|提出先によって役割が変わる

交通事故の診断書は、受傷日、傷病名、症状、治療の見込み期間などを医師が記載した書類です。提出先は主に警察と損害保険会社の2つで、それぞれ書類を求める目的が異なります。

警察へ提出する診断書は、その事故を人身事故として取り扱ってもらうための資料になります。保険会社へ提出する診断書は、治療費や休業損害などの支払いを判断するための資料です。

同じ「診断書」という名称でも、提出先ごとに様式や求められる情報が違います。どの書類が何通必要かは、提出先に確認してから医療機関へ依頼すると、二度手間になりにくくなります。

警察へ提出する診断書|人身事故としての届出につながる

道路交通法第72条第1項は、交通事故があったときに運転者が警察官へ報告すべき事項として、事故の日時と場所のほか、死傷者の数と負傷の程度を挙げています。

けがが確認されないまま届け出た事故は、物件事故(いわゆる物損事故)として記録されます。あとから医師の診断書を警察へ提出することが、人身事故としての取り扱いへ切り替える手続きの入口になります。

国土交通省が作成した被害者向けの冊子でも、けがを負った場合は「人身扱い」の届出が重要だと案内されています。届出の内容は、その後の記録の残り方に関わります。

人身事故として扱われると、警察による実況見分などの捜査が行われ、事故状況を示す記録が作成されます。ただし、切り替えの可否や手続きの進め方は、事故を取り扱った警察署の判断によります。

保険会社へ提出する診断書|自賠責保険の請求に使う書類

国土交通省は、自賠責保険の請求に必要な書類として、支払請求書、交通事故証明書、事故発生状況報告書、医師の診断書、診療報酬明細書などを示しています。

診療報酬明細書(レセプト)は、医療機関が保険者に医療費を請求するための書類です。患者の傷病名や診療内容、検査・処置などの診療報酬点数が記載されています。

このうち、傷害と後遺障害の請求では医師の診断書が、死亡の請求では死体検案書(死亡診断書)が提出書類とされています。医師の診断書は、診療報酬明細書とあわせて、治療の内容と期間を示す資料になります。

診断書の作成は、治療を受けた医療機関に依頼します。用紙は損害保険会社に備え付けのものが使われるため、自分で様式を用意する必要は、原則としてありません。

加害者が任意保険にも加入している場合は、任意保険会社がまとめて支払う一括払制度が使われることがあります。この場合は保険会社が医療機関へ照会し、書類を取り寄せる流れになることもあります。

一括払制度とは、任意保険会社が自賠責保険の分も含めて賠償金をまとめて支払う仕組みです。

診断書を作成するのは医師|記載内容は患者側が決められない

医師法第20条は、医師が自ら診察しないで診断書を交付してはならないと定めています。受診していない期間の症状や、診察で確認されていない所見を書いてもらうことはできません。

一方、医師法第19条第2項は、診察をした医師は診断書の交付を求められた場合、正当の事由がなければ拒んではならないと定めています。交付を依頼すること自体は、患者の側からできます。

記載内容は、問診・診察・検査の結果に基づいて医師が判断します。伝えたいことがある場合は、書き方を求めるのではなく、症状そのものを診察時に具体的に説明することが基本です。

提出先主な目的様式事前に確認すること
警察署人身事故としての届出・取り扱いの資料医療機関の診断書提出日時、持参物、原本かコピーか
損害保険会社(自賠責・任意)治療費や休業損害などの支払いを判断する資料損害保険会社に備え付けの用紙一括払いか、自分で請求するか。用紙の受け取り方
労災保険(業務中・通勤中の事故)給付の請求に医師の証明が必要(様式は給付の種類による)労災保険の請求書類の様式必要な書類を労働基準監督署または勤務先に確認する
勤務先・学校欠勤や欠席の事情の説明提出先の指定による指定の様式の有無

参考:e-Gov法令検索「医師法」

参考:e-Gov法令検索「道路交通法」

参考:国土交通省「支払までの流れと請求方法」

交通事故の診断書をもらって提出するまでの流れ

交通事故の診断書を警察に提出する方法|どこに・何枚・いつまでに

診断書を受け取ったら、事故を取り扱った警察署へ連絡して提出します。提出の流れは、警察署への事前連絡、診断書の持参、警察署の案内に沿った手続きの順になります。必要な持ち物や受付の時間は警察署によって異なることがあるため、出向く前に電話で確認しておくと手続きが進めやすくなります。

提出先は事故を取り扱った警察署

診断書の提出先は、事故の届出を受けた警察署です。事故現場で対応した警察官の所属や、届出のときに伝えられた担当者・連絡先を手元に控えておくと、問い合わせがスムーズです。

連絡するときは、事故の日時と場所、届出をしたときの状況、医療機関を受診して診断書を受け取ったことを伝えます。そのうえで、提出に行く日時と持参するものを確認してください。

物件事故として届け出たあとに人身事故の扱いへ切り替える場合は、診断書の提出に加えて、事故の状況についてあらためて話を聞かれることがあります。手続きの進め方は、事故を取り扱った警察署の判断によります。

必要な枚数と、コピーで足りるかの確認

診断書は、警察、保険会社、勤務先など、提出先ごとに必要になることがあります。保険会社の請求では、損害保険会社に備え付けの専用用紙が使われるため、警察に出す診断書とは様式が異なる場合もあります。

医療機関に作成を依頼するときは、「どこに出すための診断書か」と「何通必要か」を伝えると、二度手間を防げます。原本の提出が必要か、コピーでよいかは提出先によって異なるため、依頼する前にそれぞれの提出先へ確認してください。

提出する前に自分用の控えを取り、いつ・どこへ・何通提出したかを記録しておくと、後日の問い合わせに対応しやすくなります。

提出時期の考え方|期限の定めより「早めの相談」を

警察へ診断書を提出する期限を定めた法令は、確認できませんでした。一方で、事故から時間が経つほど、症状が事故によるものかを確認する材料は少なくなります。

受診して診断書を受け取ったら、できるだけ早く警察署へ相談してください。人身事故の扱いへの切り替えを受け付けるかどうかや、その時期は、事故を取り扱った警察署の判断によります。

物件事故として届け出たあとに痛みが出たとき

事故の直後は痛みがなく、物件事故として届け出た場合でも、その後に症状が出てくることがあります。この場合でも、記録を人身事故の扱いへ切り替える道は残されています。

日本損害保険協会は、初期段階で物損事故扱いになっていても、あとから症状が出た場合は医療機関を受診したうえで人身事故扱いに切り替えてもらうことが大切だと説明しています。

切り替えを求める場合は、まず医療機関を受診し、診断書を持って事故を取り扱った警察署へ相談します。時間が経つほど当時の状況を確認しにくくなるため、受診したら早めに相談してください。

交通事故の診断書を出す・出さないで何が変わる?

けがをしたのに診断書を警察へ提出しないと、その事故は物件事故として記録されたままになります。その結果、事故の記録の残り方や、自賠責保険を請求するときに必要な書類が変わります。ここでは、それぞれの違いを整理します。

けががあるときに人身扱いの届出が重要とされる理由

道路交通法第72条第1項は、交通事故が起きたときに運転者が警察官へ報告すべき事項として、死傷者の数や負傷の程度などを挙げています。国土交通省の被害者向け冊子でも、警察への報告は義務であり、けがを負った場合は「人身扱い」の届出がとくに重要だと案内されています。

人身事故として扱われると、けがを伴う事故として警察の記録が作成されます。また、保険の請求などで使う交通事故証明書にも、人身事故である旨が記載されます。

交通事故証明書は、自動車安全運転センターが交付する書類です。人身事故の場合、事故発生から5年を経過すると原則として交付されないとされています。後から必要になることもあるため、早めに取得しておくことがすすめられています。

提出しない場合の自賠責保険の請求への影響

自賠責保険の請求では、「交通事故証明書(人身事故)」が、傷害・後遺障害・死亡のいずれの請求でも必ず提出する書類とされています。診断書を警察へ出さず、物件事故のままになっている場合は、この証明書を用意できません。

その場合は、人身事故の交通事故証明書を入手できなかった理由を記載する「人身事故証明書入手不能理由書」を、請求書類に添えて提出する運用があります。理由書は、保険会社など請求先の手続きの中で求められる書類です。提出の要否や書き方は、請求先の保険会社に確認してください。

なお、自賠責保険の請求では、事故と傷害の因果関係なども調査されます。けがをした事実と受診の経過を記録に残しておくことが、手続きの土台になります。

けががない・痛みがない場合は診断書は必要?

診断書は、医師が診察や検査で確認した内容をもとに作成する書類です。けがや症状が確認されなければ、作成されるものではありません。けががなく、物件事故として届け出た場合、警察へ診断書を提出する必要はありません。

ただし、事故の直後は痛みを感じにくく、後から症状に気づくこともあります。国土交通省の冊子でも、その場では軽傷だと思っても、後で意外とけがが重かったという例があると説明されています。また、総務省消防庁は、交通事故で強い衝撃を受けたこと自体を、救急車を呼ぶか判断する目安の一つに挙げています。

痛みがなくても、強い衝撃を受けた場合や、体に違和感がある場合は、医療機関への受診を検討してください。後から痛みやしびれ、頭痛などが出てきたときは、その時点で受診して症状を記録してもらい、そのうえで事故を取り扱った警察署へ相談します。

時間が経ってから症状が出ることがある怪我については、次の記事で部位別に整理しています。

診断書はいつもらう?|受診の遅れは因果関係の証明に影響する

診断書は、事故後できるだけ早い時期に受診し、そのうえで作成を依頼することが基本です。診察を受けていない期間について、あとから記録を作ることはできないためです。

国土交通省の冊子には、事故後に速やかに受診をしない場合には交通事故との因果関係が認められないことがある、と記載されています。受診が遅れると、症状が事故によるものか判断しにくくなることがあります。

痛みや違和感の出方には個人差があり、当日は自覚しにくいこともあります。

請求手続きの側にある期限も意識する

診断書自体に期限はありませんが、書類を使う手続きには期限があります。国土交通省は、自賠責保険の被害者請求について、傷害は事故発生の翌日から3年以内と示しています。

後遺障害の請求は症状固定日の翌日から3年以内、死亡の請求は死亡日の翌日から3年以内とされています。事情があって請求が遅れる場合は、時効更新の制度について保険会社へ相談する形になります。

交通事故証明書にも交付の期限があります。自動車安全運転センターは、人身事故は事故発生から5年、物件事故は3年を経過すると原則として交付できないとしています。

どの段階で何を提出するのかを、保険会社の担当者と早い時期に確認しておくと迷いにくくなります。

参考:国土交通省「交通事故にあったときには」

参考:日本損害保険協会「交通事故直後から示談までの流れ」

参考:自動車安全運転センター「交通事故証明書の申請方法」

診断書はどこでもらう?|診察を受けた医療機関で依頼する

診断書は、実際に診察を受けた医療機関で依頼します。事故によるけがでは、整形外科をはじめ、症状に応じた診療科の医師が診察と検査を行ったうえで作成します。

依頼は受付や医事課で受け付けられることが多く、提出先と必要な通数を伝えると手続きが進みます。作成には日数がかかるため、提出期限がある場合は早めに申し出てください。

受診先は整形外科が中心。緊急時は救急を優先

意識がはっきりしない、強い頭痛や繰り返す嘔吐がある、大量に出血しているといった場合は、診療科を選ぶより先に119番通報を検討してください。救急車を呼ぶか迷うときは、救急安心センター事業(#7119)に相談する方法もあります。

首や腰の痛み、手足のしびれが中心であれば、整形外科が主な相談先です。日本整形外科学会は、いわゆる「むち打ち症」が疑われる場合について、神経学的所見を含む診察やエックス線撮影・MRIなどの精査ができることから、整形外科医の診察を勧めています。

症状に応じた診療科の選び方は、次の記事で解説しています。

整骨院・接骨院を利用するときの注意点

柔道整復師などが行う施術の費用は、自賠責保険の支払基準でも治療関係費の一項目として想定されています。施術そのものが対象外というわけではありません。

ただし、診断書を作成できるのは医師です。整骨院や接骨院は診断を行う施設ではないため、診断書は発行されません。警察や保険会社へ提出する書類は、医療機関で用意することになります。

施術を受ける場合も、まず医師の診察を受けて診断名と治療方針を確認し、通院先について相談しておくと、書類上の記録と実際の通院内容の整合が取りやすくなります。

転院したときや複数の診療科にかかるとき

転院した場合、診断書はそれぞれの医療機関で作成されます。前の医療機関での経過が自動的に引き継がれるとは限らないため、受診歴を時系列で整理しておくと説明しやすくなります。

紹介状(診療情報提供書)を作成してもらえるかどうかも、転院前に相談しておきたい点です。検査画像を持参できると、重複した検査を避けられる場合があります。

複数の診療科にかかっている場合は、担当する医師ごとに書類が必要になることがあります。どの書類が何通必要かは、提出先である警察や保険会社に確認してください。

参考:日本整形外科学会「むち打ち症」

参考:金融庁・国土交通省告示第1号「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」

交通事故で受診が早いときと遅れたときの違い

診断書に記載される主な内容|傷病名と治療の見込み期間

診断書には、受傷した日、傷病名、症状や所見、治療の見込み期間などが記載されます。様式は提出先によって異なり、自賠責保険では損害保険会社に備え付けの用紙が使われます。

記載項目は限られており、事故の状況や過失の割合を判断するための書類ではありません。あくまで、けがの状態と治療の経過を医学的に示すための書類です。

記載項目記載される内容の目安
受傷日・初診日いつけがをして、いつ最初に診察を受けたか
傷病名診察と検査に基づく診断名。複数になることがある
症状・所見痛みやしびれの部位、検査で確認された所見
治療の見込み期間「加療◯週間を要する見込み」など作成時点の見通し
入通院の状況入院の有無、入院期間、通院した日数など
作成日・医療機関名・医師名書類を作成した日と、作成した医療機関・医師

「全治◯週間」は見込みであって確定した期間ではない

「全治◯週間」「加療◯週間を要する見込み」といった記載は、作成した時点での見通しです。診察と検査の結果から医師が判断しますが、経過には個人差があります。

実際の治療期間が見込みより長くなることも、短くなることもあります。見込み期間を過ぎた時点で治療を終えなければならない、という決まりがあるわけではありません。

症状が残っている場合は、通院を続けるかどうかを診察のうえで医師が判断します。自己判断で通院をやめると、その期間の症状が記録に残らない点には注意が必要です。

事故直後に症状が出そろわないことがある

日本整形外科学会は、交通事故などで頚部の挫傷を負ったあと、長期間にわたって頚部痛、肩こり、頭痛、めまい、手のしびれなどの症状が出ることがあると説明しています。

あとから出てきた症状については、その時点で診察を受け、所見として記録してもらうことが基本になります。受診していない期間の症状を、さかのぼって記載してもらうことはできません。

症状の変化を家庭で簡単に記録しておくと、診察時に説明しやすくなります。どの動作でどこが痛むか、仕事や家事のどの場面で支障が出るかを、日付とともに残しておく方法があります。

記載内容に疑問があると感じたとき

記載された内容が実際の症状と食い違うと感じた場合は、次の診察で具体的に伝えます。いつから、どの部位が、どのような場面で痛むのかを整理して伝えると、所見として記録されやすくなります。

一方で、前述のとおり、診察で確認されていない内容を加えるよう求めることはできません。

診断書の内容について疑問がある場合は、まず次の診察で主治医に相談してください。賠償や保険の手続きについて迷う場合は、日弁連交通事故相談センターや交通事故紛争処理センターなどの公的な相談窓口で相談できます。

参考:日本整形外科学会「外傷性頚部症候群」

診断書の費用はどう扱われる?|自賠責保険での位置づけ

診断書の作成料は、医療機関ごとに設定される文書料です。金額は全国一律ではなく、書類の種類や様式によっても変わるため、依頼する際に窓口で確認してください。

費用は自分で負担して終わりとは限りません。国土交通省は、自賠責保険の傷害による損害の補償項目として、治療関係費や休業損害などとともに「診断書等の費用」と「文書料」を挙げています。

支払基準では、診断書等の費用は診断書・診療報酬明細書等の発行に必要かつ妥当な実費とされています。文書料は、交通事故証明書や印鑑証明書、住民票などの発行費用とされています。

立て替えと精算の流れを先に確認しておく

実務では、被害者がいったん支払って後日精算される場合と、保険会社が医療機関へ直接支払う場合があります。取り扱いは契約内容や事故の状況によって異なります。

支払方法と領収書の扱いは、書類を依頼する前に保険会社の担当者へ確認しておくと、あとの精算がしやすくなります。領収書は治療が終わるまで保管しておくと安心です。

交通事故のけがに健康保険は使えるのか

交通事故によるけがの治療でも、健康保険や労災保険を使えると国土交通省は説明しています。交通事故だから使えない、という理解は制度上の取り扱いとは異なります。

加害者がいる事故で健康保険を使う場合は、「第三者行為による傷病届」などの手続きが必要になります。業務中や通勤途中の事故は、健康保険ではなく労災保険の対象です。

業務中・通勤中の事故を除き、自賠責保険と健康保険のどちらを使うかは被害者側が選べます。判断に迷う場合は、加入している保険者や、通院先の医療ソーシャルワーカーへ相談してください。

参考:国土交通省「自賠責保険・共済の限度額と補償内容」

参考:国土交通省「自賠責保険・共済のよくあるご質問」

通院中と治療終了後の診断書|継続提出と後遺障害診断書

治療が続いている間は、診断書と診療報酬明細書が期間ごとに作成され、保険会社へ提出されます。まとめ方や頻度は、保険会社と医療機関のやり取りによって決まります。

通院を自己判断で中断すると、その期間の症状や治療内容が記録に残りません。症状が続いている場合は、通院の間隔や終了時期も含めて医師に相談してください。

再発行や写しが必要になったとき

提出した診断書の写しが必要になった場合は、作成した医療機関へ改めて依頼します。再発行にも文書料がかかり、作成までに日数を要することがあります。

診療録(カルテ)については、病院または診療所の管理者などが5年間保存すると医師法で定められています。時間が経ってからの依頼では、保存状況の確認が前提になります。

提出前に自分の控えを取っておくと、後日の照会がしやすくなります。書類のコピーと、いつどこへ何通提出したかの記録を残しておく方法が実務的です。

症状固定と後遺障害診断書

治療を続けても効果が期待できない状態になったときを「症状固定」といいます。国土交通省は、症状が安定し、医学上一般に認められた医療を行っても医療効果が期待できなくなった時としています。

症状固定の時期は、症状の経過や検査所見をふまえて医師が判断します。回復の速さには個人差があるため、日常生活での支障を含めて通院の状況を正確に伝えることが大切です。

症状固定と判断され障害が残っている場合は、後遺障害診断書を作成してもらい、等級の認定を求める手続きに進みます。作成を依頼する先(治療を受けた医療機関)は、治療を受けた医師または病院です。

後遺障害と認められるには、傷害と後遺障害との間に相当因果関係が認められることなどが必要とされています。画像や検査所見が判断材料になるため、通院中の検査記録も意味を持ちます。

認定の結果に納得できない場合は、新たな立証資料を添えて損害保険会社へ異議申立てを行うか、自賠責保険・共済紛争処理機構へ調停を申請する方法があると国土交通省は案内しています。

示談や賠償の話が進むときに整理しておくこと

治療がひと区切りついた段階で、保険会社から賠償額の案が示される流れになります。診断書と診療報酬明細書は、その算定の基礎になる資料です。

提示された内容や後遺障害の等級について判断に迷う場合は、無理に自分だけで結論を出す必要はありません。公的な相談窓口や弁護士に相談することを検討してください。

この記事は制度の一般的な説明にとどまるものであり、個別の事案について賠償額や等級の見通しを示すものではありません。判断は専門家への相談を通じて進めてください。

参考:自動車安全運転センター「交通事故証明書」

どの診療科で診てもらうか迷う場合は、受診先の選び方を次の記事で解説しています。

よくある質問

物件事故のままにすると、どのような点が変わりますか?

人身事故として届け出た場合に行われる実況見分などの捜査がなく、事故状況を示す記録が残りにくくなります。また、自賠責保険の請求で提出する交通事故証明書が物件事故のままだと、人身事故として届け出られなかった理由を説明する書類を求められることがあります。

診断書に書いてほしい症状を医師へ指定できますか?

できません。記載内容は、診察と検査の結果に基づいて医師が判断します。伝えたいことがある場合は、書き方を求めるのではなく、いつから・どこが・どのような場面で痛むかを診察時に具体的に説明してください。

診断書の作成料は誰が負担しますか?

いったん被害者が支払って後日精算される場合と、保険会社が直接支払う場合があります。自賠責保険では、診断書等の発行に必要かつ妥当な実費が損害の項目として示されています。支払方法は、依頼する前に保険会社の担当者へ確認してください。

整骨院に通っていますが、診断書はそこで出してもらえますか?

診断書を作成できるのは医師のため、整骨院や接骨院では発行されません。施術を受ける場合も、まず医療機関で診察を受けて診断名と治療方針を確認し、通院先について相談しておくとよいでしょう。

まとめ

交通事故の診断書は、警察へ人身事故として届け出るための資料であり、自賠責保険をはじめとする請求手続きの基礎資料でもあります。作成できるのは、診察をした医師に限られます。

国土交通省は、事故後に速やかに受診しない場合、交通事故との因果関係が認められないことがあると示しています。その場では軽く感じても、まず受診して記録を残すことが出発点になります。

記載内容は診察と検査に基づいて医師が判断します。症状の出方や回復の経過には個人差があるため、痛みの部位や生活での支障を具体的に伝えることが、正確な記録につながります。

費用の扱いや必要な書類の範囲は、保険会社との手続きの中で決まります。まずは医療機関を受診して診断書を用意し、そのうえで警察署と保険会社に提出方法を確認してください。賠償や示談の進め方に迷う場合は、公的な相談窓口や弁護士への相談を検討してください。

医療広告について

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  • 本記事の医療情報は一般的な情報提供を目的としており、医師による診断や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関へのご相談をおすすめします。
  • 医療・健康に関する情報は変更される場合があります。実際の受診・治療については医療機関へご確認ください。

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