物忘れは更年期の症状?認知症との違いや原因・対策を解説

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更年期には、女性ホルモンの減少などの影響による一時的な認知機能の低下(物忘れ)が起こることがあり、必要に応じて生活習慣の見直しや医療機関への相談が検討されます。物忘れの症状がみられる場合、「更年期の影響?」「認知症の症状との違いは?」など気になる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、更年期にみられる物忘れの原因や対策、認知症の違いや医療機関を受診する目安、症状を相談できる診療科について解説します。

更年期に起こる物忘れの原因

更年期の物忘れは、女性ホルモンの減少などが原因で起こることがある一時的な認知機能の低下であり、生活習慣の見直しや治療が検討される場合があります。更年期に起こる物忘れの主な原因は、以下のとおりです。

  • エストロゲン分泌量の減少
  • 加齢にともなう脳機能の変化
  • 脳の疲労
  • 過度なストレス
  • 認知症やMCI(軽度認知障害)

それぞれ詳しくみていきましょう。

エストロゲン分泌量の減少

更年期に起こる物忘れの原因のひとつに、エストロゲンの分泌量の減少が挙げられます。エストロゲンとは、卵胞ホルモンとも呼ばれる女性ホルモンです。一般的に、更年期にはエストロゲンの分泌量が低下するとされています。

エストロゲンは脳の神経細胞や血管の働きに関わり、記憶をつかさどる海馬の機能にも関与していると考えられているため、分泌量の変化が記憶力や集中力の低下と関連する可能性があるでしょう。

また、エストロゲンの減少は自律神経のバランスにも影響を及ぼすと考えられています。体調や気分の変化などを通じて、物事に集中しにくくなる場合もあるでしょう。これらの要因が重なることで、更年期に物忘れを自覚しやすくなることがあります。

加齢にともなう脳機能の変化

加齢にともなう脳機能の変化が原因で、物忘れの症状が現れるケースもあるでしょう。加齢にともない、脳の働きは少しずつ変化すると考えられており、「新しい出来事を覚える」「記憶した情報を思い出す」といった記憶機能が徐々に低下することがあります。

このような加齢による認知機能の変化は誰にでも現れる可能性があり、その影響として物忘れを自覚する場合があるでしょう。

脳の疲労

脳の疲労も、物忘れの原因になる可能性があります。

たとえば、スマートフォンやパソコンの使用などによって多くの情報に長時間触れる生活が続くと、注意力や集中力が保ちにくくなる場合があるでしょう。その結果、見聞きした内容を思い出しにくくなるなど、物忘れを自覚しやすくなる可能性があります。

過度なストレス

強いストレスや気分の落ち込みが続くと、注意力や集中力が保ちにくくなる可能性があります。

その影響により、物事を思い出しにくいなど、物忘れを自覚する場合もあるでしょう。このような症状は、気分の不調にともなってみられる認知機能の変化として説明されることもあります。

心身の負担を軽減するためには、十分な休養を取ったり、必要に応じて医療機関へ相談したりすることが大切です。

認知症やMCI(軽度認知障害)

認知症やMCI(軽度認知障害)の影響で、物忘れの症状が現れることもあります。

認知症とは、さまざまな要因により脳の働きに変化が生じ、記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に影響がみられる状態のことです。65歳未満で発症する場合、「若年性認知症」と呼ばれます。

MCI(軽度認知障害)とは、認知機能の低下がみられるものの、日常生活への影響が比較的軽い段階とされる状態です。放置すると、認知症へ進行する可能性が指摘されています。

更年期に起こる物忘れの特徴

更年期に起こる物忘れは、「知人の名前が出てこない」「昨日の夕食メニューが思い出せない」といった症状のほか、以下のような症状をともなう場合もあります。

  • 不眠の症状が現れる
  • 集中力が低下する
  • 新しいことを覚えにくい
  • 新しいことへの興味・関心が薄れる
  • 気分が落ち込む

一般的に、更年期を過ぎてホルモンバランスが安定することにより物忘れの症状も自然に改善されると考えられていますが、気になることがある場合は医療機関に相談してみるとよいでしょう。

更年期による物忘れと認知症の違い

「更年期による物忘れ」と「認知症をはじめとする疾病による物忘れ」の主な違いの傾向は、以下のとおりです。

更年期の物忘れ 認知症などの疾病による物忘れ
忘れ方の傾向 出来事や名称の一部を忘れる 出来事や存在そのもの(すべて)を忘れる
思い出し方の傾向 手がかりがあれば思い出しやすい 手がかりがあっても思い出しにくい
症状が現れる期間 一時的(更年期の間) 継続的
発症しやすい年代 主に40代~50代(更年期) 主に65歳以上
記憶力の変化 更年期を終えると改善しやすい 徐々に低下しやすい
物忘れの自覚症状 自覚しやすい 自覚しにくい

たとえば、「昨日の夕食メニューを思い出せない」といった更年期の物忘れに対し、認知症の症状では「昨日、夕食を食べたことを忘れている」といった傾向がみられます。

ただし、これらはあくまでも傾向です。症状の現れ方には個人差があり、更年期による影響と疾病の明確な区別は難しいため、物忘れの症状が気になる場合は医療機関の受診を検討するとよいでしょう。

更年期の物忘れ対策6つ

ここでは、更年期の物忘れに対する6つの対策を紹介します。

  1. 睡眠の量・質を改善する
  2. 運動を習慣化する
  3. バランスのよい食事を摂る
  4. ストレスを溜め込まない
  5. 脳の活性化をうながす
  6. 更年期障害の治療を受ける

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.睡眠の量・質を整える

1つ目の対策は、睡眠の量・質を整えることです。十分な睡眠をとり心身を休めることは、日中の集中力や記憶力の維持に関わると考えられています。睡眠中には、記憶の整理や定着に関係する脳の働きがみられることが指摘されており、生活リズムを整えることが大切です。

無理のない範囲で、次のような生活習慣を取り入れてみましょう。

  • 入浴は、就寝の約1〜2時間前を目安に、ぬるめのお湯にゆったり浸かる
  • 就寝前は、スマートフォンやパソコンの使用を控え、リラックスして過ごす時間をつくる
  • 寝る前の食事やカフェイン・アルコールの摂取はできる限り控える

2.運動を習慣化する

2つ目の対策は、運動を習慣化することです。日常的に体を動かす習慣は、心身の調子を整えることにも関係すると考えられており、結果として物忘れを感じにくくなる場合があります。ウォーキングやストレッチ、軽い体操、ヨガなど、無理なく続けやすい運動を選ぶとよいでしょう。

3.バランスのよい食事を摂る

3つ目の対策は、バランスのよい食事を摂ることです。加工食品に偏らず、さまざまな食材を組み合わせたバランスのよい食事を心がけることが望ましいとされています。食事メニューに魚や野菜を取り入れ、塩分・糖分・脂質の過剰摂取を控えることを意識しましょう。

アルコールの摂取量が多い場合、体調や生活習慣に影響する可能性があると指摘されています。そのため、飲酒は量や頻度に配慮することが重要です。

4.ストレスを溜め込まない

4つ目の対策は、ストレスを溜め込まないことです。

ストレスと心身の不調の関係についてはさまざまな研究があり、強いストレスが続くことで集中しにくくなる場合があることも指摘されています。ストレスが気になる際は、以下のような方法で気分転換の時間を取り入れるとよいでしょう。

  • 軽い運動に取り組む
  • 趣味の時間をつくる
  • 家族や友人との会話を楽しむ

更年期の影響により家事や仕事が思うように進まない場合でも、自分を責め過ぎず、体調に合わせて過ごすことも大切です。リラックスできる時間を意識的に確保し、心身に負担をかけ過ぎない生活を心がけるとよいでしょう。

5.脳の活性化をうながす

5つ目の対策は、脳の活性化をうながすことです。日常生活に以下のような活動・習慣を取り入れ、脳を使う機会を増やすことを心がけてみましょう。

【考える習慣を取り入れる活動】

  • パズルや計算問題、ゲームなどを楽しむ
  • 書籍や新聞を読み、新しい情報に触れる
  • 映画やドラマを鑑賞し、内容を考えながら楽しむ

【日常に変化や刺激を取り入れる活動】

  • 外出や散歩、旅行などで普段とは異なる環境に触れる
  • 新しい趣味や習い事に挑戦する

【記憶を整理する習慣】

  • 1日の出来事を振り返る時間をつくる
  • 短いメモや日記をつける

【体と頭を同時に使う活動】

  • 歩きながら簡単な計算を行う
  • 足踏みをしながら言葉遊びをする

【人との交流】

  • 家族や友人との会話を楽しむ
  • 地域活動や趣味の集まりなどに参加する

6.更年期障害の治療を受ける

6つ目の対策は、更年期障害の治療を受けることです。症状が気になる場合は、医療機関へ相談することも選択肢のひとつになるでしょう。

更年期症状に対しては、医師の診察のもと、体調や症状に応じた治療方針が検討されることが一般的です。女性ホルモンの変化に対応する治療が行われることもありますが、適応の可否や方法は個々の状態により対応は異なります。症状や体質に応じて、薬物療法や漢方薬などが選択されることもあるでしょう。

更年期の物忘れで病院を受診する目安

更年期の物忘れで病院を受診する目安のひとつとして、「出来事そのものを思い出しにくい」「日常生活に影響がみられる変化がある」といった状態が挙げられます。具体的な症状の傾向は、以下のとおりです。

【出来事そのものを思い出しにくい】

  • 食事をしたこと自体を覚えていない
  • 周囲からヒントを出されても思い出せないことがある
  • 会話の内容がかみ合わないことが増えた
  • 物忘れの自覚が乏しい様子がみられる

【日常生活に影響がみられる変化がある】

  • 同じことを何度も尋ねたり、繰り返し話したりする
  • 約束の日時や場所を間違えやすくなった
  • 慣れているはずのことができなくなった(家電製品の操作に戸惑う、道順に迷う、小銭の計算が難しくなる、料理に時間がかかるなど)

他にも気になる症状があれば、医療機関への受診を検討してみるとよいでしょう。

更年期の物忘れの相談先

更年期にみられる物忘れの主な相談先として、以下のような診療科が挙げられます。医療機関を受診する際の参考のひとつにしてください。

診療科 主な相談内容 補足
婦人科 更年期症状全般の悩み 更年期の専門医が在籍する「更年期外来」や、女性の心と体を総合的に診察する「女性外来」などがある医院もある
精神科・心療内科 気分の落ち込みや強いストレスなど、心身の不調に関すること 気分の変化にともなってみられる物忘れについても相談対象となる場合がある
脳神経内科・脳神経外科 脳や神経の状態に関連する症状 必要に応じて、検査などを通じて状態を確認することがある
物忘れ外来 物忘れに関する不安 主に総合病院などに設けられており、必要に応じて検査や生活上の助言が行われることがある
内科(かかりつけ医) どの診療科を選ぶべきかわからない症状 更年期症状の可能性を含めて相談すると、より的確な診察につながる可能性がある

まとめ

更年期には、女性ホルモンの減少などの影響により、一時的な認知機能の低下がみられる場合があります。生活習慣の見直しや、必要に応じて治療を検討するとよいでしょう。

更年期にみられる物忘れは、認知症などの疾病による物忘れとは、忘れ方・思い出し方の傾向や症状が現れる期間、自覚症状の有無などにおいて違いがみられることがあります。ただし、更年期による影響と疾病の明確な区別は難しいかもしれません。物忘れの症状が気になる場合は、必要に応じて医師による診断・治療を受けるとよいでしょう。

以下のページでは、更年期の物忘れの症状を相談できるクリニックを紹介しています。医療機関の受診を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。

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ベストチョイス編集部
ベストチョイス編集部

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