朝起きたとき、目やにで目が開けにくいと、すぐに取りたくなるかもしれません。ただ、指でこすって取るのは避けてください。目やにをなくすには、まずはティッシュなど使い捨てのもので、目やにをやさしく拭き取るのが基本です。繰り返し出る場合は、原因に応じた対処が必要になります。
朝に少しつく程度なら多くは心配ありませんが、日中も目やにが出る場合や、量が多い場合は、結膜炎やドライアイなどの病気が関わっていることがあります。拭き取るときに目やにの色や粘り気、片目か両目かを見ておくと、受診を考えるときの参考になります。
強い目の痛み、まぶしさ、見えにくさがある場合は、自分での対処を続けずに早めに眼科へ行きましょう。
この記事でわかること
- 目やにが出るしくみと、心配のない目やに
- 目やにの正しい取り方と、コンタクトレンズを使っている人の注意
- 目やにの色や状態から考えられる主な原因
- 目やにを減らすために日常でできること
- 家族にうつさないための注意と、眼科を受診する目安
目やにはなぜ出る?心配のない目やにと注意したい目やに
目やには、涙に含まれるムチンという成分が、目の表面のごみなど不要なものをからめ取ってできたものです。日本眼科学会によると、目やにには、目の表面から落ちた細胞や血液中の細胞、ときには細菌・ウイルスなどの病原体が含まれます。
朝起きたときに目の周りに少しついている程度なら、問題はありません。日中も目やにが出て、量が多いときは注意が必要です。
目やにの正しい取り方
目やにには病原体が含まれていることもあるため、取るときは、手や目元に触れるものを清潔にしておくことが大切です。
- せっけんと流水で手を洗う
- ティッシュペーパーや清潔なコットンなど、使い捨てのもので目やにをそっと拭き取る
- 使ったものはすぐに捨て、もう一度手を洗う
タオルやハンカチで繰り返し拭くと、病原体が混じっていれば布に移り、家族にうつるおそれがあります。まつ毛に固まってついているときも、爪や指先で引きはがしたり、目をこすったりせず、やさしく拭き取ります。

目を洗うときの注意
目やにが気になると、目薬や洗眼薬で何度も洗いたくなるかもしれません。5mL以上の目薬には、使っているうちに容器の中が雑菌で汚染されないよう、一般に防腐剤が入っています。日本眼科医会は、洗い流す目的で何度も使うと、その防腐剤が目の表面の細胞を傷めることがあると説明しています。
花粉などを洗い流したいときは、防腐剤の入っていない使い切りタイプの人工涙液が便利です。目やにが続いていても、洗う回数は増やさないようにします。
コンタクトレンズを使っている人
ふだんは、レンズに触る前に手を洗い、レンズや保存ケースを水道水で洗わないようにします。保存ケースも、定期的に新しいものに替えることが大切です。日中ずっと着けている人は、夜や週末の装用時間を減らすと目の負担が軽くなります。
レンズの装用中や着けてすぐに、充血、目の痛み、涙が止まらない、目やにがたくさん出るといった症状が出たら、すぐにレンズを外してください。
目の痛みや充血、目やにがあり、レンズを外してメガネに替えても見えにくい場合は、黒目(角膜)の感染症などで炎症が起きているおそれがあります。日本眼科医会は、こうした症状が急に起こったら「危険信号」だとしています。症状が落ち着くまで、レンズは着け直さないようにします。
目やにの色や状態から考えられる主な原因
目やにの色や粘り気、片目か両目かには、原因ごとの特徴が表れます。日本眼科学会の解説をもとに、次の表に整理しました。
| 目やにの状態 | 片目か両目か | 考えられる主な原因 |
|---|---|---|
| 起きたときに目の周りに少しつく | - | 多くは心配のない目やに |
| 黄白色でネバネバ・ドロッとしている | 主に片目 | 細菌や真菌(カビ)による結膜炎 |
| サラサラしていて透明なことが多く、涙が増えた感じがする | 両目 | ウイルスによる結膜炎(はやり目など) |
| 透明〜白っぽい目やにが両目に1か月以上続く | 両目 | アレルギー性結膜炎、ドライアイなど |
この表は目安です。日本眼科医会も、見ただけでは結膜炎の原因まではわからないのがふつうだとしています。
白っぽい目やにとかゆみが続く:アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は、花粉やダニ、ハウスダストなどに目が反応して起こる結膜の炎症です。充血や涙、白っぽい目やにに加えて、思わずこすりたくなるほどの目のかゆみが出るのが特徴です。
スギやヒノキなどの花粉が原因で決まった季節に起こるもの(季節性)と、ダニやハウスダストが原因で一年を通して症状が続くもの(通年性)に分けられます。眼科では抗アレルギー薬の目薬が治療の中心になり、症状が重い場合はステロイドの目薬などが使われます。
目の乾きやゴロゴロ感がある:ドライアイ
ドライアイは、目の表面を覆う涙の膜(涙液膜)が崩れやすくなり、不快感や見えにくさが出る病気です。「目が乾く」だけでなく、目のかすみ、疲れ、ゴロゴロ感、充血、目やにといった症状が出ることもあります。
日本眼科学会は、加齢や長時間の画面作業、エアコンによる室内の乾燥、コンタクトレンズの装用などを、ドライアイになりやすい要因に挙げています。
軽い症状なら市販の目薬で改善することもあります(使う前の注意は「市販の目薬を使う前に」で説明します)。眼科では、涙の不足を補う目薬や、目の表面の炎症を抑える目薬などを症状に合わせて使い分けます。
黄色いネバネバした目やに:細菌による結膜炎
細菌による結膜炎では、黄色っぽく粘り気のある目やにが出ることが多く、主に片目に起こるのが特徴です。細菌が原因であれば抗菌薬の目薬で治療します。
コンタクトレンズを使っている人で、強い目の痛みとともに大量の目やにが出る場合は、結膜炎ではなく黒目に細菌が感染する「細菌性角膜炎」かもしれません。黒目の一部が白く濁るのも特徴です。
急に白目が真っ赤になり目やにが大量に出る:はやり目
ウイルスによる結膜炎のうち、人にうつりやすいものは「はやり目」と呼ばれ、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱(プール熱)、急性出血性結膜炎の3つが含まれます。
流行性角結膜炎では、ある日急に白目が真っ赤になり、朝起きたときに目やにで目が開かないほどになることがあります。まぶたの腫れや、耳の前にあるリンパ節の腫れ・痛みが出ることもあります。日本眼科医会によると、ウイルスによる結膜炎は片方の目から症状が出て、4〜5日後にもう片方の目にも出ます。
はやり目を起こすウイルスに直接効く薬はないため、眼科では炎症を抑える目薬や、細菌の感染が重ならないようにするための目薬を使いながら、治るのを待ちます。
目やにを減らすために日常でできること
目やにを減らすには、原因に合った対処が必要です。どの原因でも、目をこすらないことと、目元に触れる前後に手を洗うことが基本になります。そのうえで、原因ごとに次のような工夫が役立ちます。
アレルギーが原因と考えられる場合は、花粉の多い時期は花粉を防ぐメガネを使ったり、ダニやハウスダストが原因であれば寝具を清潔に保ったりすると、予防になります。
ドライアイで目が乾きやすいときは、エアコンの効きすぎや、送風が直接目に当たる環境を避けます。日本眼科学会によると、加湿器を使うことや、画面を見る作業の時間を減らすことも効果的です。

市販の目薬を使う前に
日本眼科学会によると、ドライアイの軽い症状なら市販の目薬でも改善できます。アレルギー性結膜炎で市販薬を使うなら、日本眼科医会は防腐剤の入っていない人工涙液をすすめています。結膜炎は原因によって治療が違い、はやり目のように感染力の強いものもあります。自己判断で市販の目薬を使い続けないようにしましょう。
日本眼科医会は、充血を取るだけの目薬について、副作用のほうが強いことが多いため避けたほうがよいとしています。市販の目薬を使っても目やにが減らない、症状が強くなるといったときは、それ以上使い続けないようにします。
はやり目のときに家族へうつさないための注意
はやり目のウイルスは、目をこすった手や、目元を拭いたハンカチ・タオルなどを通して、ほかの人にうつります。眼科で「はやり目」と言われたら、家庭で気をつけたいのは次の点です。
- せっけんと流水で、こまめに手を洗う
- 目やにや涙は使い捨てのティッシュペーパーで拭き、専用のビニール袋に捨てる
- タオルなど顔に触れるものは、家族と別のものを使う
- お風呂は家族の中で最後に入る
- 眼科で出された目薬は、症状のある目だけにさす(両目にさすと、容器を通してもう片方の目にうつることがある)
日本眼科医会によると、流行性角結膜炎や咽頭結膜熱では、発病から約2週間は人にうつす危険があり、発病から日が浅いほど危険が高いとされています。
はやり目と診断されたら、学校や幼稚園は休みます。登校を再開してよい時期は病気の種類によって決まりが違うため、眼科で確かめてください。日本眼科医会は、仕事も原則として休むよう勧めています。
眼科を受診する目安
次のような症状があれば、眼科を受診してください。
すぐに受診したい症状
- 強い目の痛みがある
- まぶしさが強い、見えにくい(コンタクトレンズを外しても見えにくい)
- 黒目が白く濁って見える
- 急に白目が真っ赤になり、目やにで目が開かないほどになった
これらは、黒目(角膜)の感染症やはやり目などで見られる症状です。コンタクトレンズを使っている人は、まずレンズを外し、着け直さずに眼科へ行きます。市販の目薬を使って様子を見ることはせず、早く診てもらいましょう。
早めに受診したい症状
- 日中も目やにが出て、量が多い
- 黄色くネバネバした目やにが続く
- かゆみや充血が続き、生活に差し支える
- 市販の目薬を使っても良くならない
- 家族や職場、学校で同じような症状の人がいる
すぐに受診するほどではなくても、原因によって使う目薬が違うため、目やにが続くときは眼科で原因を確かめてもらいます。周りに同じ症状の人がいるときは、はやり目の可能性もあるので、受診までの間も「はやり目のときに家族へうつさないための注意」の節で挙げた点に気をつけます。
受診するときに伝えること
受診するときは、次のことを医師に伝えます。
- いつから目やにが出ているか、量や色、粘り気の変化
- 片目だけか、両目か、どちらから始まったか
- かゆみ、痛み、見えにくさ、のどの痛みや発熱など、ほかの症状
- コンタクトレンズの種類と使い方
- これまでに使った目薬(市販薬を含む)
- 周りに同じ症状の人がいるか
あらかじめメモしておくと、診察のときに伝えやすくなります。

赤ちゃんの目やにが続くとき
赤ちゃんの目がいつも潤んでいたり、目やにが多い状態が続いたりする場合は、涙の通り道(鼻涙管)が生まれつき開いていない「先天性鼻涙管閉塞」や、そこに細菌が感染した「新生児涙嚢炎」の可能性があります。目頭の少し下が腫れることもあります。
先天性鼻涙管閉塞は自然に開通することが多い病気です。眼科では目やにや炎症の程度を見ながら、抗菌薬の目薬や涙嚢のマッサージ、必要に応じて細い器具で通り道を開く処置を検討します。目やにが目立つときは、早めに眼科を受診してください。
よくある質問
まとめ
目やにをなくすには、手を洗ってから使い捨てのもので拭き取り、目をこすらないことが基本です。目やにの色や粘り気、片目か両目かから原因の見当はつけられますが、状態だけで原因は決められません。
日中も目やにが続く、痛みや見えにくさがあるときは、眼科で原因を調べてもらいましょう。受診のときに目やにの状態や使った目薬を伝えると、診察の参考になります。
- 本記事の医療情報は一般的な情報提供を目的としており、医師による診断や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関へのご相談をおすすめします。
- 医療・健康に関する情報は変更される場合があります。実際の受診・治療については医療機関へご確認ください。


